大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【おそ松さん】小説置き場【エロ注意】 ( No.9 )
- 日時: 2016/01/26 19:36
- 名前: まろん
【末っ子の意地】
「お前、本当はいらない存在なのに」
チョロ松兄さんの言葉が頭の中でぐるぐる回る。
いらない、と言われるのは初めてじゃない。僕は末っ子だ。ケンカしたりすればそんなことは、いくらだって言われる。
けど、チョロ松兄さんからは初めてだった。
いつも、ほかの兄弟とケンカして泣いてる僕を慰めてくれるのはチョロ松兄さんだったのに。
いらない存在、言われた時はなんでもなかったのに、時間が経つに連れてどんどん痛みは大きくなっていく。次の日には、おそ松兄さんとチョロ松兄さんはいつも通りに戻ってた。おかげで僕はわがままいって兄さんに甘えていつも通りになる機会を逃したみたいだ。
今日は、他の兄さんたちがみんな出掛けていて、家には僕ひとりだった。
考えれば考えるほど、ネガティブな方向に思考は転がって行く。
チョロ松兄さんにいらないと言われた。
僕は兄さんが一番好きだったのに。
「……僕、いらないのかなぁ」
ひとり呟く。そのすぐ後ろでカタリと戸が開く音がして、僕はとっさに振り向いた。
そこに居たのチョロ松兄さんだった。タイミング悪すぎ。
「……おかえり」
「ただいま」
聞かれてないよね。あのケンカ以来、兄さんと二人きりは少し気まずい。どうせ今日もアイドルのライブだったんだろうし、グッズ整理とかなんかですぐに二階に行くだろう、と思ってたのに、なぜか兄さんは僕の隣に座った。そして僕の肩に手を回すと自分の方に僕の身体を引き寄せた。
「な、なにすんの!?」
「ごめんな」
僕の驚いた声にかぶせるようにして、チョロ松兄さんは僕に言った。
「……この前、いらないとか言ってごめんな。あんなこと思ってないよ」
そう言って兄さんは僕の頭を優しく撫でた。……そんなのずるい。
「……ううぅ。兄さんのばがぁ!」
涙が出て欲しくないのに、とめどなく溢れる。言おうとしてたことはいくらでもあったのに、いざとなると出てくるものは、小学生が思いつくような悪口だけだった。
その言葉の最中もずっと兄さんは僕の頭を撫でて、ごめんな、と言ってくれていた。
「兄さん、ぼくのこと、嫌いじゃない?」
「嫌いじゃないよ」
「ぼくのこと、ずぎぃ??」
「ああ大好きだよ」
僕の問いに簡単に好きだ、と答えたチョロ松兄さん。
でも、僕は言ってやらない。チョロ松兄さんだけには絶対に言ってやらないもん。
これは僕の、末っ子の意地だ。
裏
「ほら、心配しなくてもへーきだっただろ?」
「ああ、そうみたいだなブラザー」
「俺!!どうなるかと思っちゃったよ!!!」
「……どーでもいーけど、そろそろ中入りたい。寒い」