大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 好きを綴る。 ( No.1 )
- 日時: 2016/02/11 01:12
- 名前: Re:rate
向こうで書いていた小説を、何作か載せていきます。
暫くはコピーになりますがご了承下さいませ。
『夢と幻像』
好意を抱いた相手と身体を重ね、快楽に身を委ねて全てを受け入れる。恋愛観として言うなれば、ごく普通の事だろう。
では、好意は確かに此処に変わらず存在するのに、ごく普通とは決して言えない距離があるとしたら?
それはどんなにもどかしいものなのだろうか?
「…ッ…やめ、てッ…」
今宵も矯声と水音が部屋中に響く。
肩をびくりと震わせて、快感に耐えようと必死に身体に力を入れ、高く声を上げる。
この異様で何処か心地の良いような雰囲気と感覚を、コノハは知っている。
勿論この相手を前に、そのような事は通用しない事だって。
「も、やぁッ…ん、や、やだ、やだぁッ…!!」
限界が近付く。
それを訴えるが、どうやら相手の望む言葉ではないらしい。
何をすれば…どんな言葉を並べたら良いかなど、とうに理解している。
それでもまだ理性の残る頭でそれを告げるのは、あまりにも恥ずかしい。
だがそのようなものもすぐに消え失せて。
どうせこの世界では本能しか必要とされない。
だったら
今更恥ずかしがる事だって無意味じゃないか。
「…お願、い…イかせて…ッ…」
そう言うと満足そうに頭を撫でてコノハの前を激しく擦り、精をその口で受け止めた。
薄れていく意識の中で姿をしっかりと目に焼き付ける。ベッドの上…其処にはやはり見慣れた人物が。
コノハがこういった事を許し望むのは、どんな状況でも一人しか居ない。
嗚呼、
やっぱり君だったんだ________
- Re: 好きを綴る。 ( No.2 )
- 日時: 2016/02/11 01:16
- 名前: Re:rate
続き。
所詮は夢。
情事の残り香も、足を絡ませて皺になったシーツも、使い終わり中に液の入った避妊道具も、
初めからそのようなもの、全て存在しない。
朝になれば日の香りと、皺の目立たないシーツ。屑籠の中には避妊道具どころか、紙屑一つすら入っていない。
少しばかり身体に熱があるのも、あのような夢を見たからだと言ってしまえば何も不自然な事はない。
部屋も綺麗に整頓され、何も変わりはない。
これが何時もの朝だ。
そして薄い青の色付いたカーテンを開け、
何も特別な事はない、恐ろしく平凡な日常が始まりを告げる。
暇を持て余したり、色々な場所へ出掛けたり。空腹を感じれば食事をして、騒ぎ疲れたら眠りにつく。
皆と一緒のこの平凡な繰り返しが、とても幸せなものに思えた。
だが、夜になるとそれが突如として崩れ去る。
夜に見るあの夢が、また自分を虚しさへと誘い込み、堕落させる。
相手の姿や身体、感触、手の動き、熱と繋いだ汗の香りと、そして快感。夢だというのに全てが鮮明だ。生々しいと言っても過言ではない。
好意を抱く相手に対してこんな夢を夜毎見る。それがどんなに最低な事か。
それでも、夢だからこそ素直に求められる。
己の欲望を都合良く満たす為だけの情事がまた始まるのだ。
夢の中の相手は、自分にちゃんと応えてくれる。
元々相手に気持ちを伝える気など全くと断固して良い程なかった。
男が男に告白などされても、迷惑なだけだろう。
それに、伝えてしまったらもう今までの自分達には戻れないと分かっている。
だからせめて、友達で居て欲しかった。
友達だと言っていて欲しかった。
今の現状を維持したかった。
依存するのは、夢で…夢の中だけで構わない。
- Re: 好きを綴る。 ( No.3 )
- 日時: 2016/02/11 01:17
- 名前: Re:rate
はーい次
ぎぃ、と鈍い音を立てて扉が開き、ベッドの上に座っているコノハの元へと相手が近付いてくる。
そして頬へと手を当てて前髪をかき分けコノハの額へと唇を当てたなら、それが合図。
そのままコノハを押し倒し、妖艶な笑みを浮かべる相手。
その相手へと、コノハは唇へのキスをせがむ。
相手はそれに応えながら、焦らすように服の上から身体を撫でる。
「んッ…や、ぁ…クロハ…ッ…」
身体を震わせながらも、拒絶の言葉を並べる。だがそれも矯声となり、上手く表す事が出来ない。そしてその行動が相手…クロハを煽る事にしかならないなんて事位、自分が一番よく知っている筈なのに。
「大丈夫だ…俺に全てを預けろ」
そう告げ、首筋から鎖骨へと舌を這わせては軽く唇を落とす事を繰り返す。
このような事をされて尚、何故従順に従おうとする自分が居るのか。単に好きだからなのか、快感を求めての事なのか。
何方かと言うと、後者の方なのだろう。勿論クロハの事は好きだ。だからと言えど何をしても許せる訳ではないし、このような事を何度も行われては相手に恐怖だって覚えてしまう。
つまりコノハは、ただ甘い餌が与えられるのを待っていたいだけなのだ。そしてクロハが来て、色々な箇所を弄られる。それが嫌だと思う事が出来ないというのも、理由の一つとしてあるのだろう。
その点から言ってしまえば、コノハ自身も一種の快楽主義者という事になる。
- Re: 好きを綴る。 ( No.4 )
- 日時: 2016/02/11 01:20
- 名前: Re:rate
どんどん行くよー
「……服、脱げるか…?」
優しい声色で告げるクロハ。こくりと頷き、白い肌を露にする。
そしてコノハは自分だけ脱いでいるという事に、酷い羞恥を覚えた。その想いのあまり、涙で目が潤み顔が熱くなる。
「…ッ…ねぇ、クロハ…も…」
なんだ、と訊くようにクロハが此方に視線を送る。実際聞こえていなかった訳ではなく、只コノハの羞恥心を煽りその反応を見たいだけなのだろう。笑みを隠しきれずに薄く緩んだ相手の口元が、それを物語っている。
思いのままにはなるまいと、コノハは口を固く結んだ。
その様子にクロハは再び微笑み、今度はコノハの陰部を口に含む。
「やッ…なんで、クロハ…きたなッ…ぁ…!」
そんな声を上げた瞬間、舌を使った愛撫が唐突に始まる。
更にコノハを煽る気なのだ。態と厭らしい水音を立て、食んだり舌を這わせたりしては先走りや唾液がそれを伝う様をコノハに見せつけている。
「クロハ…ッ…汚い…汚いから、やめ、ッ…」
クロハが汚れるとでも思ったのだろう。涙を溢し、しゃくり上げながら顔を赤くして拒絶の言葉を繰り返している。
その様子に、クロハは酷い優越感を覚えた。その手の中にコノハを独占出来る。コノハが自分の為に泣いているのだから。
「一度イくか…?」
「…ッ…ぅ、ん…」
問いに素直に答えるとクロハは口を離してコノハのモノを掴み、その呼吸に合わせて徐々に力を入れていく。
コノハは爪が白くなる程にシーツを握りしめ、小さく呻き声を上げながら一度目の精をほとばしらせた。クロハが嬉しそうに舐め取ると、コノハは顔を真っ赤にしてまた中心にゆるく熱を集め始める。
- Re: 好きを綴る。 ( No.5 )
- 日時: 2016/02/11 01:22
- 名前: Re:rate
次。
「お前は何故そんなに俺を欲しがるんだ…?」
再びコノハのモノへと手をかけながら、ふとそんな問いを投げ掛ける。
「ッ…どうせ、クロハは僕の事、なんて…見てくれな、から…ッ…」
クロハの手が止まる。
どうせ今から紡ぐこの言葉達は、現実として相手に届く事はないのだ。コノハはそんな事を考えてしまう位、夢に囚われていた。
「僕は、クロハが好き…だけど…クロハはきっと好きじゃなくてッ…
なのに…こんなに、されるから…ッ…」
何も心配する事なんてない。自分が虚しくなるだけなのだから。夢は所詮、どう足掻いたって夢でしかない。
「だったら…夢の中で位、クロハに甘えたって良いでしょ…ッ…?」
今相手がどんな表情をしているかは分からない。だが、少なからず驚きを感じている事は確かだろう。
不思議なものだ。これまでは何も分からなかったのに、今では相手の事が手に取るように分かるなんて。
「目は開いてるだろ…?俺をよく見ろ」
何故そのような事を言ったのか、コノハには理解出来なかった。姿は見えている。だが、それも自らの作り出した幻像なのだから。
- Re: 好きを綴る。 ( No.6 )
- 日時: 2016/02/11 01:25
- 名前: Re:rate
次。
「姿、分かるよな…?」
「クロ、ハッ…」
問いに対してコノハが名前を呼んだ事で肯定とみなし、再び口を開いた。
「良いか…コノハ。
これは夢なんかじゃない」
そう告げ、指に自らの唾液を含ませてコノハのすぼまりにゆっくりと挿れる。
「んッ…や、ぁん、ちょ…ッ…と、クロハ、痛い…ッ…クロハぁッ…!!」
開いていない箇所を無理矢理抉じ開けられるような苦しさ。初めて感じるその感覚にコノハは耐えられず、漸く指一本が入る頃には、もう完全に息が上がってしまっていた。
それでも一方のクロハはコノハの最も感じる所を探し、中で指を傍若無人にかき回した。
クロハの指が一番奥の前立腺を掠めたその瞬間。コノハの頭に小さな電流にも近いものが走り、その身が大きく跳ねる。
クロハは黒い笑みを浮かべながらその部分を執拗に擦り、攻め続けた。
まだ果てられないもどかしさからなのか肉棒からはぷくりと先走りが溢れ、シーツへと絡みついて粘性の糸を伝わせている。
「良いだろ…?ココ…」
「や、ッ…ん、なんか、変…にッ…なる…!!」
前立腺を刺激され続け、目尻に涙が滲む。それでもコノハが果てるにはまだ快感と刺激が足りない。それを悟られ、クロハがコノハの肉棒に再び触れて来る。
コノハは小さく身体を震わせながら、また精を吐き出した。
「は…そろそろ良いだろ」
クロハの言ったこの言葉の意味が分からなかった。
ズボンを脱いで固くなりきったそれを露にしたクロハを見つめ、コノハは顔から耳、項に至るまでを真っ赤に染めた。
そしてクロハが何をするかと思えば先程解したすぼまりに自身をあてがい、ゆっくりと腰を進めている。
ひくりと震えながら、入ってくる感覚に耐えるコノハ。後ろから聴こえる吐息の混じった声に思考までもが蕩けていく。
それでも快感からか痛みからかも分からない涙が溢れ、コノハの頬を濡らす。
「くろ、はッ…も…やあぁ…ッ…ぅ、あ…!!」
限界を告げる言葉を並べるが、理性の飛んだクロハにはもうその羅列は届かない。
そしてこの後、コノハの一際高い矯声と互いが繋がる部分から漏れる水音が部屋中に響いた。
- Re: 好きを綴る。 ( No.7 )
- 日時: 2016/02/11 01:26
- 名前: Re:rate
最後。
鳥の鳴く心地の良い朝。最初に起きたのはクロハだった。
隣では昨夜身体を繋いだ相手が真っ赤に腫らした目を閉じて気持ち良さそうに寝ている。
クロハは少し微笑み、相手の頭を優しく撫でると、んぅ、と一つ声を漏らす。
その様子にまた微笑んだその時。
「コノハー!そろそろ起きろ!!クロハもだぞ!!」
ふとそんな声が聴こえた。この声の主はおそらくキドだ。
なかなかリビングに来ない為不審に思ったのだろう。というのも、何時もならコノハは一番に起きている事が多い。それが起きて来ないのだ。怪訝に思うのも無理はない。
(早く起きないと大変な事になるぞ…?)
柄にもなくそんな事を考えて、またコノハの顔を見つめる。
コノハは、この事をずっと夢だと思っていた。
それに気付いてはいたが相手が自分の事を好きだなんて考えもしなかった為、ずっと先に踏み出せずにいた。
だが、もうそのように怯える必要もない。
これからはベッドの上でだけではなく
もっと触れて、もっと笑い合って
ちゃんと相手を"恋人"として愛す事が出来る
気付かない振りはもう終わりだ