大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: カゲプロr18 NLBL大歓迎! ( No.525 )
日時: 2016/09/13 21:40
名前: 海月




「難しい顔してるねぇ」

カノが笑う。甘えたように掠れた語尾が低く色めく。

「そりゃあさ、今は絶対信じらんないと思うし納得いかないだろうけど………これだけは保証してあげてもいい。君の事知ってるの、めかくしどおりには僕しかいない」

命賭けても良いよー、なんて。ぱっと軽い調子に戻って言ってのけたカノは、きっと僕に口封じされる事を考えての発言なのだろうか。

「あぁ、でも君の相棒ちゃん?あの白い女の子…何て言ったっけ。その子がどうなってるのかは知らないけどね」

……女王が。
途端に不安が押し寄せて来たが、きっとあのお方なら人間の目を掻い潜って生活するなど安い物…だろう。
抜けた所も多いが、きっとそうだ。


カノはそれ以上は話さなかった。僕が質問を投げかけるのを待っているだけなのか、それ以上は話せない事なのか。
僕は何か質問しようと考えたが、何を聞けばいいのか分からない。

「……何をどうカノさんに質問すればいいのか、分かりません」

素直に思いを述べると、「だと思ったよ」とカノは笑って、「けどね」と続ける。

「きっと…これから先、君の身の回りで色んな事が起こるよ。今クロハ君が聞きたい事とか、全部ぜーんぶ嫌でも知ることになる」

そう話すカノの顔には、さっき見た幼さは欠片も残っていなかった。真っ直ぐに僕を見て、まるで僕の事を全て知っている上で話しているようにも思えた。

…………コイツは、始末しないでもいいかな。

そう思った。思ってしまった。一瞬だが、敵意が和らいだ気がした。
いやいやいや、そう簡単に信じるべきでは無いだろう。人間の醜さなんて研究所で嫌と言う程思い知った筈だ。
…でも、まぁ。どちらにせよ、コイツを始末すればあとあと厄介事を招くことねなるだろうな。どの道始末は出来ないか。

どうもカノの話が嘘に聞こえない。けど、真に受けて反応するのも良く無い気がする。

「そうですか」

素っ気無い返事しか出来なかった。
本当は、本当はこんな単純な返事はしたくなかった。しかし何を言えばいいのか分からない自分に苛立ちを 覚える。

「あーっその返事は信じてないな〜?、まったく……」

はぁ、とやはりニヤニヤしながら溜息をついたカノ、僕の隣へ勢い良く腰掛ける。反動で僕の体もぼよよんと揺れた。
…あぁ、そういえばカノはずっと立って話していたのか。
そして僕はずっとそれを見上げてカノと質疑応答を繰り返していた。
すげぇ、本当に真剣になると吸血鬼も座っていることを忘れるのか。

「ふふふ」

にっこり。
カノがぽわー、という音がつきそうな、どこか安心したような笑みを此方へ向けた。…あれ、これは。
見つめていると、何故だろうか。じんわりとした温かさが胸中に染み渡る。

「なーんか安心したっ!言いたい事全部言えてすっきりしたよー…ごめん、時間結構食っちゃった。もう眠い?」
「いえ…眠くはありませんよ」
「そっか、よかった。僕もだよ」

眠いも何も、昼間はずっと眠っているのだから。どちらかというと昼間行動しているカノの方が疲れそうなのだが。
すると、カノの方から何か切り出した。