大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: カゲプロr18 NLBL大歓迎! ( No.534 )
- 日時: 2016/09/17 23:19
- 名前: 海月
更新ー
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「クロハ君てさ、」
ずいずいっ、カノが距離を詰めて来るのが分かった。
なんだなんだ。僕がどうした。
「僕が、何ですか?」
「女の子みたいだよね」
「はぁ…………………はぁ?」
思わず聞き返す。いや、そりゃあ今までに一度も「女みたいだ」と言われた事が無いわけでは無い。だからと言って驚かない訳でも無いし、あまりいい気もしなかった。ってかカノも十分女らしいだろ。
「褒めてるの。だって君色白いし、可愛いし、炭酸弱いしっむ!?」
ぐわし、陽気に喋りやがり始めたコイツの後頭部を鷲掴んだ。
言葉は続かない。いや、言わせない。誰だって話している途中に口を塞がれたら話せないだろう。
キスで塞がれたなら、なおさら。
「ん……っ、クロハ君?」
「僕は男ですよ。」
「……ずるいなぁ」
さすが、場数を踏んできた奴は違う。驚いたのも束の間、その顔はすぐに楽しそうに歪んだ。
何か企む悪い顔。
「生憎、僕も男なんだよね。」
キィ、とベッドの端が軽く軋んだ。
四つん這いの状態でこちらへさらに近づいてきたと思えば、するりと僕の膝に跨った。猫みたいだ。
あぁ、つい一時間前は腹減って仕方なかったのにな。こうしてカノを膝の上に乗せていたっけ。
「まだまだ足りないでしょ。…もっと、もっとたーくさんあげるから」
つん、と細い人差し指が僕の唇に触れた。その指には確かに赤い痕がくっきりと残っている。
…僕がコイツに「僕は特殊な性癖持ちだ」と伝えていたら、もっと何か変わったのだろうか。いや、僕と会う前から知られていたのだ。変わらないかな。
カノが笑う。
狐みたいに笑いながら、僕を見下ろす。
その笑みの中には影が消えていた。ただただ愉しみに満ちていた。
「ネコは、君だよ」
答える暇も無かった。次の瞬間には口が塞がれていて、抵抗する間も無く舌が割り入る。
少し荒々しいキスだった。乱暴じゃ無いのに力強い。舌が擦れ合ってくすぐったい。涙が滲んで視界が揺れて、苦しくなってもまだ離してくれない。
「ん…ふ、ぅむっ………ちゅ、」
キスが上手、とはきっとこの事を言うのかもしれない。舌が擦れすぎて心地よく痺れる。脳内が緩く蕩けて思考が上手く働かない。
「…ふっ、っあ!はぁ、は…うぁ…けっほけほ!ん、…」
くらくらしてきた頃にやっと解放される。酷く酸素が不足していた体は反射的に酸素を吸い込む。吸い込みすぎてむせる。
「、はぁ……………」
ネコは、僕。
改めてカノの言った事を噛み砕いた。
それなら、
「タチはお前、か。」
お前にはネコもよく似合うと思うんだがな。
どうやら今夜も抱かれる側になるらしい。
何だか複雑な気持ちだ。抱く手間が省けるのは嬉しい。けど、知名度抜群のコイツを組み敷けないのは悔しい。
「そうだよ。…僕みたいな嫌ーな奴に押し倒されるなんてねぇ…悔しい?」
頬が引き攣るような言葉なのに、たっぷり艶を含んだ声が甘く響きを変えてしまう。
嫌な奴。否定はしない。
笑顔で圧力をかけてきて、表向きは道化の様でも裏の顔は言葉一つ一つに棘があって。
「えぇ、とっても。…光栄です」
とはいえ、こっちの経験も舐められたものでは無い。これまで両手両足の指に収まり切らない人数を相手にして来たのだ。
やんわり両腕でカノを抱きしめ、そっと自身の背中を倒した。
ぼすん。
完全に身が沈んだ。カノとシーツにサンドイッチされている。なんかあったかい。
「………随分余裕そうじゃん?」
カノは楽しそうに笑った。
「いつまで持つかなぁ…。」
楽しそうに、笑った。
もう一度キスを食らって、__さぁ、食事が始まる。
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夜咄ディセイブ、調味料さんとびすさんのをよく聴きます