大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 第1話「確信犯の眠いふり」 ( No.15 )
- 日時: 2016/04/01 09:47
- 名前: 如月 自由
第1話「確信犯の眠いふり」
「兄ちゃ〜ん、会いたかったぁ」
「離れろ鬱陶しい」
俺は、頭を胸にぐりぐり擦り付けてくる志雄を必死に引き剥がそうとした。
「だってさ、兄ちゃんから休み時間に教室行くの禁止されちゃって、生徒会でしか会えないから寂しいの!」
「阿呆か。同じ家だろうが」
そう吐き捨てると、「そうだけどさぁ」と志雄は口を尖らせる。
「学校の兄ちゃんと家の兄ちゃんって違うんだもん」
「知るか。さっさと離れて生徒会室入れ」
「このまんま入ればいいじゃん」
「断る。もう初夏だぞ暑苦しい」
「あ〜、兄ちゃんいい匂いする」
「嗅ぐな!気色悪い」
「うるさいんだけど?」
背後から絶対零度の声が聞こえた。
俺と志雄が同時に恐る恐る振り向くと、そこには生徒会会計の二年、向山 氷智が立っていた。
「む、向山先輩……」
志雄が苦々しい声色で呟く。
氷智はにこっと笑った。ただし目は笑っていないが。
「志雄くん、さっさと梓くんから離れたらどう?梓くん迷惑そうな顔してるし、僕も迷惑だし」
そう言うと、氷智は志雄を笑顔のまま睨み、さっさと生徒会室の中へ入っていった。
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