「おい起きろ。……起きろって志雄」「…………うぅん……」「起きろ、頼むから起きてくれ」「…………うー……」いくら起こしても、志雄は起きない。もう五分くらい格闘しているのに。時計を見ると、七時まであと十五分だった。家から高校は十五分かかるので、遅くとも七時には出なければならない。俺は準備は全てできている。志雄と俺の分の弁当もある。つまり、志雄が起きて着替えさえ終われば出発できるのだ。……こうなったら最終手段だ。