「第一飲むか?普通。お前よく躊躇わずに飲んだな」そう聞くと、志雄は当たり前のように言った。「だって兄ちゃんのだもん」……俺には理解し難い理屈だ。「女でも飲んでくれる奴はなかなかいないだろうに、あんな明らかに不味い物」「……あれ、兄ちゃん、飲んでもらったことないの?」少しだけ返答に困る。が、正直に告げた。「…………してもらったことすらないがな。そういうお前は」「僕は兄ちゃん一筋だからっ!」むしろ清々しいほどにきっぱりと言い切った志雄。