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<始まる前に、終わる恋。>　<消えてしまいそうな、>

「....ぇ、」
人間を愛し、人間の生きる姿を観察することで数多の情報を手にする情報屋__折原臨也の日常に突然終止符を打たれたのは、腹部に“グサリ”という鈍い音が響いたのがきっかけだった。
ひゅぅ、という小さな吐息と共に自分の腹を見た臨也は、其処にあった光景に思わず目を見開く。
刃が見えなくなるまで深々と突き刺さるナイフ。
イカれた顔をして逃げる男。
そして赤い色で染まる自分の服と、触れた手に付くドロッとした血液。

「...ぅ、あ...」
声という声も出ずに、俺はそのまま崩れ落ちる。意識が朦朧としたことで“痛み”という感覚が薄れた頃、走馬灯の様に流れて来るのは...己が愛する一人の男だった。
「シズ.......ちゃ....ん、」


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く。