大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: おそ松さん短編集※カラおそ多め ( No.56 )
日時: 2016/10/26 20:04
名前: やさいとう

 天使がいくら魔力を持っていても、神様に勝てることはないって。そんなことは分かっていたけれど、俺はコクリと頷いた。

 そうして、俺たちは堕天したんだ。

 おそ松は下界に堕とされ、悪魔に。俺は地上に堕とされ、人間に。

 …やっと、思い出せた。








*






「…ん」
「し、神父さんっ」
「…!トド松!」
「よかったあ、生きてた…」
 涙を浮かべて安堵しているトド松を見て、俺は独り言を言った。
「おそ、松…」
 トド松は、そう言って涙をこぼす俺を静かに見つめていた。そうしてからポツリと呟く。
「そいつ、魔力を花にして神父さんに贈ってたんだね」
 悪魔の体は、魔力がないと支えられずに壊れちゃうのに。と付け足して。
 俺の体はおそ松の魔力で満ち満ちていた。これなら、いくらでもこの村の人達を救える…


 そう思った瞬間。


 背中が急に熱くなった


「う、ぐあぁあああっ!!」

 ガシャアンと派手な音をたてて、教会のステンドグラスやら窓やらが割れた。その破片はトド松に降り注いで…トド松は、今度こそ本当に消滅したのだ。
「…嘘、だろ…?」
 出来たての黒い翼を撫でる。自身の手は微かに震えていた。
「う、わ、いやだ…いやだいやだいやだ!!トド、まっ…」
 べしゃべしゃと涙で床を濡らす。首に垂らしていたクロスは粉々になり床に散らばっていた。

「…俺の中に存在するって…」

 俺を喰うって、ことだったんだ。

「…カラ松、好きだよ…」

 頭の中で甘い声が響く。

「俺と一緒なら、他人に騙されたりしないし、利用もされない。…ね、カラ松」

 俺はぎゅうと自身の体を抱きしめて、教会を出て、向かう。

 下界へと。





 花言葉は「秘密の恋」

おわり…?