大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 文ストBL! 織田作×太宰 R18 その他CP太宰さん多め ( No.138 )
日時: 2017/01/05 00:46
名前: ぽペぽぺ

年末番外

※本編とは一切関係ありません。


〜初詣〜 太×中



今日は大晦日。
某有名な音楽番組を観たり、某有名なお笑い番組を観たりと、各々が今年の最後を満喫している。

…そんな中、ひっそりとした静かな森の中をゆっくりと進む影が二つ。


「あーあ……大晦日まで仕事なんて…
この急な仕事が入らなければ私だって皆みたいに炬燵に入って蜜柑でも食べていたろうに………
この重労働、法に触れるよねぇ…」


大きい方の影が言う。
すると、隣を歩いていたやや小さい方の影が口を開いた。

「マフィアが法を語れるかっての。
あーあ…なんで大晦日まで手前の顔なんざ拝まなきゃなんねェんだよ……。」
「その言葉、そのまま君に返すよ。」
「あァ!?」

喧嘩気味に話すのは、太宰と中原。
かつて敵対組織を一夜にして建物ごと壊滅させたことで、黒社会では<双黒>と呼ばれている。

そんな二人は今日 首領の命で、ある組織の本拠地へ潜入し、情報管理室からとある情報の入ったUSBの回収を任じられていた。
二人は今、その帰路に着いている。

「今日は汚濁をやらなくて済んだからまだましだけどね………………ん?」

太宰がふと足を止めた。

「何かあッたか?」

中原も足を止め、太宰の目線の先を追う。

太宰の目線の先には、小さな神社があった。
この森の中にポツンとあるこの神社は、しっかり整備がされているのか、何処か小綺麗な印象を受ける。
もう少し人気のある立地ならば、今頃の時間は大繁盛していたに違いなかった。


「来る時は気付かなかった…………。」
「そうだな…早く終わらせるって事しか考えて無かったからなァ…」

風が吹く。
その風は 二人を神社へ誘い込むかのように吹いていた。

「ねぇ…中也、此処でこの神社に巡り会えたのも何かの縁だと思って少し、御参りして行かない?」

太宰の提案に、中原は少し考えてから「そうだな」と短く回答した。
太宰はそれを聞くと、神社の方に進行方向を変え、歩き出した。
鳥居を潜ると、神社特有の 神秘的な雰囲気が二人を包み込む。

水舎で手を洗い終え、御参りへ向かっていると、太宰が話し始めた。

「神社で売ってる御守りって、御参りをする前に買うと良いそうだよ。」
「何でだ?」

中也が問うと、太宰は キタ!と言わんばかりのドヤ顔で話を続ける。

「御守りって売られている時は誰のものでもないでしょ?でも、御参りをする前に御守りを買って、その御守りを持ちながら御参りをすると、神気が込められた、自分だけの御守りになるんだって。」
「ふ〜ん…そうなのか。」

そんな事を話している内に、二人はお賽銭箱の前まで来た。

二人は揃って軽く一礼し、お賽銭箱へ近付くと、予め用意していた五円玉をら投げ入れてから 少し進んで深く二回お辞儀をした後、二回拍手をして願いを届け、もう一度深くお辞儀をしてから また 揃って軽く一礼した。

「なーんだ…作法知ってたの……
中也の事だから知らないと思ったのに…」
太宰がつまらなそうに言う。

「流石に俺だってその位は分かンだよ。なめんな。」
「あっそう……ところで、中也は何をお願いしたの?」

太宰が聞くと、中也はフンと鼻を鳴らし「手前が早くくたばるようにだよ。」と言い、太宰に足を引っ掛けるべく、横に軽く足を出した。
太宰はそれをヒョイと避けた。

中也は、小さく舌打ちをして「手前は何を願ッたんだ?」と聞く。

太宰は唇に人差し指を当て、
「内緒だよ。
願い事って口に出すと叶わなくなるって言うし…ね。」
と言いながらニヤっと笑い中原を見た。
「手前……狙いやがったな!!!」
中原が怒鳴ると、太宰は面白そうに
「何の事だかさっぱりだなぁ……。」
と言い、スッと顔を逸らした。




(中也と何時までも…なんて、口に出せる訳ない。)



太宰がそんな事を思っているのも、
そんな事を思う太宰の顔が優しく笑っているのも、少し後ろを歩く中也には知る余地も無かった。

〜〜
大幅に遅刻しましたが、投下します!!