大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: もっとアイして、コワして。【クロスオーバー/長編】 ( No.15 )
日時: 2016/11/19 12:20
名前: 玄蠢
参照: 修正

ー第二話〜前編ー【ノワール】
ーーーーーー

「チッ、仕方ねぇ!」

ドロドロとした液体の様なもの__それはスライムだった。
スライムはオレ達を見付けるや直ぐ様、容赦なく飛びかかってくる。
ペチャンペチャンと不快な音を跳び跳ねる度に発て、ゆっくりとした仕草で
近付いてきた。

バーシャアンッ!!
突然の水音。
それは、ノワールによる者だった。
何処からか取り出したそれは、青色のインクがベッタリと塗りついた__、
巨大なローラーだ。
ノワール自身の身長を凌ぐ程の、大きなローラーを力いっぱいに振り被ると
どうなるのか。それは、一目瞭然だった。

「ぐぅああああぁぁぁ…」
「..気味わりぃ..」
「いや、あの..ノワールさん?」

スライムは獣の様な唸り声..いや、うめき声を出してヌチャ、ヌチャリと
潰れていった。

そんなスライムの様子を冷静な瞳で見て、何でもないような表情で汗を拭う。
そんなノワールを見て、セトは少しの焦りを感じていた。
“もしかして、いやもしかしなくてもヤバイ奴にあったんじゃないっすか..”
本人、セトは無意識なのだろうが、セトの気持ちがノワールにはひしひし
と伝わる。

「んだよ、セトは…ナワバリバトルとかガチマッチとか知らねぇの?」
「……何すか?それ」

セトはノワールの黒い瞳をじっと見据えて小首を傾げる。
その行動がノワールの違和感を紐解いた。


_ああ、やっぱりコイツ、知らねぇんだな。
まあ、オレの事を知らない時点で可笑しいとは薄々勘付いていたが..。

Re: もっとアイして、コワして。【クロスオーバー/長編】 ( No.16 )
日時: 2016/11/19 13:01
名前: 玄蠢

ー第二話〜後編ー【ノワール】
ーーーーーーーー

「………んまぁ、この世界には通用しねぇだろうし、関係ねぇか」
「そうっすか、なら良いんすけど..」

セトは納得行かないらしく苦笑を浮かべ、頬を掻いた。

………とはいえ、今ので明るみになった事がある。
この世界にはモンスターが居ること。
今では野郎の二人組だが、もし仮に女の子_華が加わったとしよう。
野郎は華を守る事に必死になり__何れは全滅、謂わばゲームオーバーに
なりかねない。

「……しっかし、厄介だな。..その辺でも歩きまくって..」
「ノワールさん、前、前を見てくださいっす!」

まずは安全の確保の為に_、建物を見つける他、選択肢は無いだろう。
と言うか、さっきから何だよ……セト__

「…………あ?赤い..建物?しかも大きい。彼処に行こうってか?」

なんたる不覚。
セトに指摘されるまで気付かなかったらしいノワールは、赤い建物を見て
呆然としていた。

赤い建物……。
大きすぎるのだ、幾ら何でも..家でもあんなに大きい家は早々無い。
金持ちが住んでいるのだろうか?

ノワールは口をだらしなく開けたまま思考を張り巡らせる。
ノワールは頭を使うことが得意ではない。寧ろ、イカルゥの方が得意なのだ。

「………誰か居るかも知れねぇ、行くか、な?セト」
「……………覚悟を決めたんすね?」

最終的に行き着いた結論。
誰かが居れば情報を入手出来るのかも知れない。
もし、誰も居なかったらただの空回り。

ノワールは大きく息を吸い込み、歩き出す。
セトはそんなノワールを見て、ニカッと満足気な笑みを一瞬見せ、ノワールの
後に次いだ。