大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 姦詰め短編集。【A弥とC太のお話】※番外編 ( No.133 )
- 日時: 2017/03/24 14:07
- 名前: 玄蠢ーGenSyunnー
※心臓の弱い方・ホラーが苦手な方は読まない事をおすすめします
A弥視点
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――此れは、C太から聞いたお話だ。
今回お話する内容は、嘘のでっち上げ祭りのような噂話ではない。
伝説として残る、本当のお話だ。
『うぶ』
うぶと言うのは、所謂妖怪。怨霊みたいなものだ。
うぶは赤子で、山に捨てられた。小さいのに、育児放棄された哀れな赤ちゃんだった。
姿は大きな蜘蛛のようで、鳴き声はまんま赤ちゃん。現れるのは夕方から明け方の山道だそう。
うぶの住んでいる場所は佐渡だと言われている。実際、其処が伝承の地なのだから当たり前の事だが。
うぶに似たようなもので産女というものが在る。
うぶは産女の水子だったとか、産女の子供だったとか色々言われている。
実際、関係性が有るのかは僕には分からないが....。
まぁ、そんな妖怪を目の当たりにしてしまった人間のお話だよ。
***
今は夏休み。
蝉がミンミン、ジージーと五月蝿く鳴く季節だ。
そんなある日に俺の友人、山田が誘いにやって来た。
内容はバイトだった。バイト場所は、山の麓に建つ旅館。ちょっと有名な旅館らしい。
その時はちょうど俺は暇だったし、二つ返事で誘いに乗った。
バイト期間は約1ヶ月から3ヶ月までの間らしい。
俺「あー、此処が例の場所か」
山田「おう。今日から此処で過ごし、此処で働くんだ」
向井「働くってったって、ちょっとの期間だけどなぁ」
バイト初日。
誘いの元の山田は、色んな友人を連れてやって来た。
笹本、相田、中村、向井。俺と山田含めて計6人。見事に全員男だ。
俺ら6人は、旅館を前にして少しばかり会話に花を咲かした。
3分ぐらい外で話してると旅館に入ろうって話になって、俺たちは次々に中に入った。
中に入るとびっくり。
和風で威厳を感じる豪華な造り。本当に旅館なのか、疑ってしまった。
しばらく内装に目を奪われていると、ハッとして我に帰る。お迎えの女将さんが話を進めている最中だった。
女将さんはニコニコと笑顔の絶えない素敵な女性で、ほんわかしていた。
女将「じゃあ、俺君と__」
って感じで、女将さんが部屋割りを行ってた。
どうやら俺は、笹本・中村の二人と一緒らしい。
部屋割りが終わり、俺たちはそれぞれ指定の部屋に入った。
女将さんの話は、ある一点を除いて何ら可笑しくはなかった。
そもそも、旅館にそんな事って有るのかとも思ったが。山田は知っていたのだろうか。
笹本「なぁ、入っちゃいけない部屋ってなんだろうな?」
俺「さぁ。何かが閉じ込められてんじゃね?」
中村「おい俺、こえーこと言うなって」
聞いての通り、旅館には一つだけ入ってはいけない部屋が存在する。
俺ら三人組が興味深々の好奇心びしびしだった。
だが、笹本はただの阿呆。中村はびびりの役立たず。俺は運悪いオカルトマニア。
これでは、もしもの時に困るだろう。そう思い、見に行く気はしばらくの間起きなかった。