大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 姦詰め短編集。【中原中也生誕記念】 ( No.139 )
日時: 2017/05/01 02:23
名前: 玄蠢−GenSyunn−

【中原中也の生誕記念】
ーーーーー

『おめでとう』

嗚呼、そう言うのは手前ぐらいだよ。
目の前で笑う彼奴を睨みで蹴っ飛ばしてやった。
そうすると気分が良いから、だろう。

「ありがとう」

でもまぁ、結局許してしまうあたりは__。



     *****



俺は今、最高に気分が悪い。
俺は今、最高に気分が良い。
そうだ。こんな奴さえ居なければ厭々しい気分にもならなかっただろう。

目の前で嘲笑(わら)われるのは寸分、いい気分ではない。
それは皆も、俺も一緒だろう。
つまり、俺は今、その状況に哀れにも陥ってるという事だ。
酒の席、早々なことがない限りはこうなると思わなかったが…。


「あンの青鯖……!!」


足を大きく踏むと、其処には後悔しか残らなかった。
憎しみと怒りが混じった後悔。
少しでも目を閉じれば、憎々しい彼奴の笑顔が厭でも浮かぶ。
それは、恋愛みたいだった。


「中也」
「あァ?」
「そんな怖い顔するなよ」


ああ、嗚呼、ああ。
厭わしいは。厭わしは。
嫌と言えば彼奴は着いてくる。幽霊のやうだ。
それは現実(リアル)ではなく、想像(きおく)だった。


     *****
     *****


『私はいつか愛を忘れてしまッた
 醜く無知でそれでいて馬鹿馬鹿しいぐらいに小賢しい女など、抱くに耐えなかった。…

 もし私が愛を忘れていなければどうなっていたのだろう?』

「中也。今日は君の」
「………やめてくれ。思い出してしまうだろ」
「...では、酒の席で」


『私は忘れようともがき
 結果、酒に溺れざるを得なかった!...』