大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【R-18】姦詰め短編集。【カノ×シンタロー終了】 ( No.37 )
日時: 2016/12/26 22:44
名前: 玄蠢
参照: 修正

視姦【咲夜×パチュリー】
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「........」
「パチュリー様」

上から飛んできた声に無視を決めこむ。
声の正体は姿を見ずとも分かっている。...私の親友に仕える、メイドだ。

ゆらゆらと揺らめく炎の灯りに照らされた本を眺めながら、考えてみる。
どうしてメイドは此方までもに気を遣うのだろう?
...........理由は知っている。知らない。
仕えている者の親友だからだろう。
...........違う?
気を遣う理由なんて、もうとっくに知っている。
本来ならば有り得ない関係を作り上げてしまったから、だろう。

「ねぇ、パチェ」
「......ッ、仕方ないわ。付き合ってあげる」

顔を上げると、メイドはクスクスと楽しそうに笑った。
__全くもって、厭らしい。
メイドは私の親友の真似事が上手だ。それはもう、親友の私でさえ区別が
付かないぐらいにね。メイドはそれを利用して、私を嵌める。本当に厭らしい。

「..今、私の事を罵りませんでした?」
「咲夜、厭らしいの何処に悪い要素が?」
「...ごもっとも、と言いたい所ですが...悪い要素しかありません」

メイドの名は十六夜 咲夜と言う。
私の親友が付けた名前だと咲夜は言った。
その名を持つ本人も『十六夜 咲夜』という名前を大層気に入っているらしい。

...そんなことより。
どうやって咲夜は私の考えている事が分かったのだろうか。
新たなる能力を得たとでも言うのかしら?
嗚呼、やっぱり咲夜は考えが読めな..........いえ、幻想郷の住民たちは
そういう奴等ばっかだったわ。咲夜に限った事じゃなかった。

「咲夜。その堅い口調を崩しなさい」
「....それは、パチュリー様からのお誘いですか?」
「.......冗談は止めなさい」
「分かったわよ」

メイドは白々しい。
いきなりニヤニヤしだしたかと思えば、突然悲しそうな表情を浮かべるのだ。
ポーカーフェイス...とはまた違うけれど...。
メイドは変態だ。
アダルト方向に捉われやすい冗談ばっかりだもの。
まぁ、それでこそ話していて飽きないのだけど...。少しは親友の気持ちが
分かる時間でもある。嗚呼、嫌、親友と話すのがつまらない訳では無いわよ?

「それは..........悪魔召喚の本__グリモワ?」
「よく分かったわね、咲夜。そう、よ....?..........あ」

咲夜が私の読んでいた本に顔を近付け、問い掛ける様に言った。
...あ、いや、実際問い掛けていたのか。
咲夜の髪は良い匂いがした。花の香り...?いや、石鹸かしら。まぁ、そういう
匂いが辺りに広がり、幸せな気分を味わう。......うん、良い匂いね。

不意に咲夜の表情が気になり少しチラッと見てみる。
何かを考えているのか、口は固く結ばれ、顔全体に皺が寄っていた。
“折角の綺麗な顔が台無しになるわよ”とからかい混じりの言葉を送ろうと
したその時。...あることに気付いてしまった。

一気に顔が熱くなるのを感じる。
そりゃそうだろう。
咲夜の口が開くのが薄目でも分かった。

「....淫魔」

その短い言葉は、私の胸に深く突き刺さり、心に重く沈む。
ただただ思うのは、羞恥。
私は静かに視線を逸らし、黙りこんだ。