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更新4　視点・クロハ

あの後、コノハと屋台を見て回った。

…コノハはよく食う。
よくそんなに食べれるな、と思う程で、
今も片腕にネギマの入った袋を抱え、
歩きながらどんどん食べている。

俺が見ているのに気付いて
「…クロハも、食べる…？」
と尋ねるコノハだったが、

実は俺の体の具合が良くなさそうだ。

どこが痛いとかは無いが、
時折、背筋から腰にかけて違和感を感じる。

俺にとってはお馴染みの、発情期が来る前兆。

…そういえばそろそろ３ヶ月経つなーとは思っていたが、
本来もう少し先のはず。
久しぶりに人が大勢集まる場所に来たからか、
体が慣れなかったのかもしれない。

予期せぬ発情期に、抑制剤は所持していなかった。

こんな大勢いる中で発情するなんて
考えただけでもゾッとする。
コノハはαだから、話す訳にもいかない。

今はまだ前兆だけで、発情は始まってはいない。
本格的に発情期になってフェロモンを撒き散らす前に、
一人でアジトに帰るしか無いだろう。

「……あー…悪ぃ、コノハ。
俺、用事思い出したから、先に帰るな。
お前は、キドか誰か探して合流しとけ。じゃあな」

「あ、待って…クロハ」
コノハの心配する声が聞こえたが、
俺は人混みに紛れて校門へと急いだ。


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