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更新5　視点・クロハ

なんとか学校を抜け出せたはいいものの。

帰りの道中で発情期が始まってしまった。

「…っ…はぁ…ん、ッ…ふぁ…！」

ヤバイ。発情期特有の寒気がぞわぞわぞわ…と
背筋を走り抜けていく。

どっかの店で抑制剤を買おうにも、
キドからの小遣いは
コノハがネギマを買うときに預けたままだ。

ちょうど昼で、道を歩いている人も数人いたが、
俺は、それらの視線を避けるようにして路地裏に入った。

ここなら何度も通ったことがあるし、
アジトへも近道出来る。

…急いで帰らなくては、と思うのに、
体がいうことをきかない。
内側から熱くなり、足に力が入らなくなってくる。

「ふっ…んん、ぁ…！はぁ…ぁッ…」

服が擦れるだけでも体の奥が疼いて苦しい。

早く…ハヤク……！

「ねーねー、そこのおにーさんさぁ…」

急にかけられた声に驚く。
いつもならとっくに気付いただろうが、
発情している今では、全ての感覚が鈍っているのだ。

「おにーさん、Ωでしょー？フェロモンですぐ分かっちゃうよーww」

20代だろうか、チャラチャラした軽い感じの
俺の知らない男が狭い路地裏で近寄ってくる。

「何だよ…それ以上ッ、近付くな…！」

「えー？でもおにーさん、
そのままじゃ辛いまんまだよ？
…ここなんかもう、ぐちゃぐちゃなんじゃない？」

そう言って男は尻を揉んでくる。

「ひッ…？！や、めろ…ッ、触ん、な…！」

力が抜けて抵抗が出来ない。
クソっ、いつもならこんなやつ…！


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