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更新1　視点・クロハ

「やめろ……やめてくれ……！
命の代わりになるのは嫌だ……！！」

あの時、水面へ＿＿生へともがく俺を、
暴走の止まったカゲロウデイズに引きずりこんだのは
醒める蛇……コノハだった。

どういう仕組みか分からないが、
一度アイツの体を乗っ取って構成したこの体と
遥を媒体にして作り上げたコノハの元の体は
同時に存在し、未だ消滅しないままだ。

俺にはそれが気になって仕方ない。
出口のない終わらないセカイで過ごすことになった俺達にとって、
考える時間は有り余る程あるのに。

ちなみに、クソガキ共はどうなったかというと、
命の代わりの蛇はそのままに元の生活に戻った。
このセカイにおいて、蛇が戻ってこないのは少し辛いが。

暴走するカゲロウデイズに捕らえられていたやつらも
ここにいないということは、
死んだか生き返ったかどっちかなんだろう。

要するに、今の俺では解明しようのない部分を
いつまでも考えるぐらい、暇だ。

そう、暇だ。
ここには何もない。時間の流れもないし、蛇達も戻ってこない。
床に積み上がった何だったのか分からない瓦礫、
所々立ち入り禁止の黄色いテープなら
貼ってあるけれど、それだけだ。

そんな空間に、俺とコノハは二人だけ閉じ込められたのだ。


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