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更新4　視点・カノ

石鹸をたっぷりつけたセトの手が、
背中にぴとっ、と触れた。
セトの手はそのまま僕の背中を滑り、肩甲骨をなぞる。
石鹸の良い香りがして、セトの体温が伝わる。

「カノの背中、真っ白ですべすべで……綺麗っすね」

あたたかい、セトの大きな手。
僕の体を愛撫するセトの大きな手のひらや
少し骨張った男らしい指の感触を石鹸の泡越しに感じて
ピク、と肩が震える。

いやいやいや、今はそんなコトしてる訳じゃない！
セトはただ、僕の背中を洗っているだけだ。

でも、意識してはいけない、と思う度に
手の感触からセトとの夜を思い出して
だんだん変な気分になってくる。

セトの手は肩や背中の上の方から
だんだん下へと降りてきた。
セトの手がスッ、と背筋をなぞり、脇腹に動く。

「ん……ッ」

駄目だ、声なんて出したらいけない。
僕が咄嗟に思ったのは、
「セトにバレないようにしなきゃ」だった。
ただ背中を洗ってもらってるだけなのに、
どうしてこんなに感じてしまうんだろう。
これじゃあまるで、僕が変態みたいじゃ＿＿

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