15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

更新8　　視点・キド

「あいつら遅いな……」

居間のソファーに座り、風呂に入ってるであろう二人を待つ。

なにせ、セトはまだ夕飯を食べてないのだ。
なのに、「汗をかいたから先に風呂入るっす！」とか言って、
「カノが入ってるぞ」と声をかけたのに気付かず
浴室に行ってしまったのだ。

まあでも、すぐ戻ってこないってことは
また昔みたいに一緒に入ってるのか？

……まさかな！だってもうこの年だし……
浴槽だってまあまあ広いけど、二人は無理だよな……

「キド！どうしようっす！！カノが！！」

「お前、どうし……ぅわぁああ！服を着ろ、服を！！」

ったく……やっと上がったと思ったら……！
いいかげんタオル一枚で出てくるのは止めてほしいものだ……。

「ご、ゴメンっす！それよりカノが……！」

「カノ？」

「えーと、その……一緒にお風呂入ってたら……
のぼせてぶっ倒れて……」

…………。

「……はぁー……体を拭いて、足を水につけといてやれ」

「あ、ありがとうっす！」

慌てて戻っていくセトを見送るうちに、笑みが溢れる。

やれやれ、あの二人は昔と変わらず手がかかるな……
まあ、仲がいいのはいいことなんだろうが。

「……ほどほどにしとけよ？」

FIN