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*シンカノの場合*
視点・カノ

ソファーに座って雑誌を読むシンタロー君を発見！

「シーンタロー君♪トリック・オア・トリート！」

正面に回り込んで声をかけると、

「は？……ああ、そうか。今日ってハロウィンか」

と何とも関心の無さそうな返事。

「そうだよ〜！なに？忘れてたの？」

「まあ、すっかり」

そうだと思ってた。
だから、当然お菓子も用意してないでしょ？

「だから、お菓子頂戴♪」

「ん。」

「……って、アレ？」

差し出した僕の右手にちょこんと乗せられたアメ玉。

「ちょうどポケットに入ってたんだ。
俺にイタズラ出来なくて残念だったな？」

そう言ってニヤッと笑うシンタロー君。
ちょっとカッコいいかも、なんて。

「それじゃあ、俺からも。トリック・オア・トリート」

言われて気付く。
シンタロー君にイタズラすることばっかり考えて、
……僕の方こそ、用意してないじゃないか。

「それじゃあ……イタズラで決定な？」

そう言ったシンタロー君の笑顔が、
……いや、不適な笑みが近づいて＿＿＿＿。


【最初はカノシンの予定だった。】