大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: BLカゲプロ館・R18多め クリスマス短編集/ちまちま更新中 ( No.826 )
- 日時: 2017/12/24 18:36
- 名前: ゆあら ◆IrmWJHGPjM
*セトシンの場合* 視点・シンタロー
※二人共成人して同居してます
「ごめんなさいっす!24日、バイト入っちゃって……
で、でも!8時半には終わるっすから!
終わったら、急いで帰ってくるっすから!」
そう言ったのに。
「セトのやつ……遅いんだよぉ……」
コタツから顔を上げると、恨めしげに時計を睨む。
とうとう9時を回った。
『少し長引きます』とLINEが来てから、もう30分も経つ。
ツイッターなんかはクリスマスの話題ばっかりで
ネサフもとうに飽きていたし、
気まぐれにテレビをつけてみたが
何だかどれも面白く思えなくてすぐに消した。
一口煽ろうと思って缶ビールを傾けるが、飲むのを躊躇う。
セトのやつ、何で今日に限ってシフト交代なんてOKしちまったんだろ。
誰かに頼まれたんだろうな……クリスマスの予定がー、とか言って。
……だったらセトだって…………
まあ、頼まれたら断れないのもセトが優しすぎるからで、
それがセトの良いところだとは思うけど……
「はぁ…………今日は二人で過ごそう、って言ってたのに……」
バイトで忙しいセトと違って、オレは自宅で仕事してるから、
オレが料理作ったりケーキやビールを買いに行ったりして
いつセトが帰ってきてもいいぐらいなのに。
……本当だったら今頃、二人でクリスマスの料理を食べたり、
テレビ観ながら飲んだりしてたのかな……
もう半分くらい中身の無くなった缶ビールを握りしめる。
……ワインは高いから、安物のシャンパンと
缶ビールにしようって買ったんだった。
セトを待って乾杯しようと思ってたのに、
セトが遅いから何だか寂しくて虚しくて。
だんだん心配になってきて、暗い気持ちを振り払おうと思って
先に開けてしまったけれど、
今となってはただ申し訳なくて再び飲む気も起きない。
「……早く、帰ってこいよ……セトぉ……」
コタツにうつ伏せて呟く。
目頭が熱くなって、ぎゅっと強く目を瞑った。
ガチャ、とドアの開く音がして、目が覚める。
コタツにうつぶせたまま、ウトウトしていたらしい。
「ただいまっす!シンタローさん、遅れてごめんなさいっす……!」
立ち上がって、フラフラと玄関に向かうと
入ってきたセトに抱き付く。
「どうしたんっすかシンタローさん?!
俺のいない間に何か__」
「何か、じゃねぇよ……遅いんだよ……セトのバカ……っ!」
そんなこと言うのは間違ってるって分かってるのに。
「クリスマスなのに……寂しく、させんな」
「ご、ごめんなさいっす……!
っていうか、シンタローさんもしかして……酔ってます?」
セトの手がオレの両頬を挟んで上を向かせる。
「……だって……寂しかったから……っ、ごめん……」
てっきり怒られるかと思ったが、セトは
「//……シンタローさん……!」
とオレを力強く抱き締めた。
「クリスマスなのに一人にしてごめんなさい。
寂しくさせて、ごめん。
……明日はバイト無いっすから!
さ、二人で美味しいもの食べて、飲んで、
楽しく過ごしましょうよ!
俺、シンタローさんの手料理、早く食べたいっす」
「……うん。オレも、先に缶開けたりして、ごめん。
……なぁ、セト、」
「何っすか?」
体を離そうとしたセトにぐりぐりと頭を押し付けながら言う。
「……もうちょっと、このままで……」
オレ達は、しばらく玄関で抱き合ったままでいた。