大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: BLカゲプロ館・R18多め クリスマス短編集/ちまちま更新中 ( No.827 )
日時: 2017/12/25 18:12
名前: ゆあら ◆IrmWJHGPjM

*クロシンの場合*


メカクシ団アジトは、クリスマスパーティーという
一大イベントで、盛大に盛り上がっていた。

それぞれでクリスマスプレゼントを渡し合って、
その中でシンタローも、そんな年じゃないと思いながら
素直に喜んでいたのだが。

「ねぇ、クロハはプレゼント持ってきてないの?」

「プレゼント?持ってきてねぇよ」

モモのスマホに入っていたエネが、
マリーとクロハの会話を聞き付けた。

『えー?!ニセモノ二号さん、
プレゼント持ってきてないんですか?!
私とモコモコさんであんなに念押したのに!
……え"、流石に付き合ってるご主人への
プレゼントは用意してますよね?!』

「あ?……んなモン、シンタローだったら尚更必要ねぇだろ」

クロハのその言葉に、メカクシ団の皆
__食事に夢中で状況が呑み込めていないコノハ以外__は
一斉に凍りついたのだった。



「ちょ、ちょっとクロハさん!そんな言い方__!」

憤慨するモモを前にしてクロハは、しくじった、と思っていた。

(くそ……何なんだよ……
女王が『プレゼントは好きな人とかに思いを伝える時に贈るものだ』
って言ったから特に用意しなかったのに。
つか、アイツ絶対落ち込んでるよな……)

目線を逸らした先には、少しうつ向いて
さっきまでの興奮が一気に冷めたらしいシンタローの姿。
誰が見ても、今の発言を気にしているのはあきらかだ。

「聞いてるんですか?!」

頭を掻きながら、小さく溜め息をつくと

「……ちょっと来い」

とシンタローの手を引いて居間を後にした。



「く、クロハ!何なんだよ急に……!」

無言で足を進めていたクロハだったが、
シンタローを空き部屋に連れ込むとようやく口を開いた。

「はぁ……お前、勘違いしてるよ」

「は?な、何言って……」

「だから、さっきの……」

シンタローはぐっと拳を握り締めるとヤケになって言い返した。

「……ああ、そうだな。この年になって、クリスマスだプレゼントだとか
浮かれてる方がおかしいって言いたいんだろ。
もしかしたらお前に貰えるかもとか期待したオレが悪かったな」

言ってしまってからシンタローは我に帰って慌てたが、
クロハとしてはシンタローがそんなことを考えていたなんて
思いもしなかったので呆気に取られていた。

「いや……そうじゃなくて、浮かれることは別に
悪いことだとは思わねぇけど……
俺が……その、用意してなくて悪ぃ」

クロハはバツの悪そうに目を逸らし頭を掻きながら言った。

「……わざわざプレゼントなんて用意しなくても、
俺がお前を好きなのは伝わってるだろ」

シンタローは、フッと力を抜いて

「お前こそ、クリスマスプレゼントの意味勘違いしてるよ」

と笑った。

「でもやっぱり、オレもお前からのプレゼント、欲しいんだけど」

「うっ……言ってみろよ」

さっきまでとはうってかわって
悪戯っ子のような笑みを浮かべたシンタローにクロハは
一体何を言われるのか、と少し身構える。

「じゃあ……お前の時間をオレにくれよ」

「……俺の時間?」

「折角のクリスマスだろ?今日と明日、二人でゆっくり過ごそうぜ」

その言葉にクロハは目を細めて笑った。