大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.16 )
日時: 2017/09/20 12:44
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

第四話
『やっと見つけた』
(side:黄瀬)


夏休み前、バスケを再会した黒子っちとバスケをした。
その時、話題に少しだけ洸流が上がって、黒子っちは洸流と最近会ったのかと思ったら、そうじゃないらしく、落胆した。
でも、インターハイ予選の時、再会した黒子っちに、

「黄瀬君、少しいいですか?」
黒子っちから話し掛けてくるとは!
「どーしたんスか?」
嬉しくてついにやけながら訊いた。
黒子っちはやけに真剣でそれが余計おかしくて。
「白城君と、会いました」
その言葉を聞いた瞬間、思わず黒子っちの肩を掴んでいた。
「いつっスか! 元気にしてるんスか?!」
必死に訊いたら、黒子っちに冷静に「痛いです」と言われ、はっとして手を離す。
「……ボクから見た限りでは、あまり元気とは言えませんね」
オレの反応を窺う様に横目でこっちを見ながら黒子っちは答えてくれた。
元気じゃないって……?
「……白城君は寂しそうでした。今まで、見た事が無いくらいに」
何で、そんなに……。
「多分、君に会えないからだと思います。インターハイを見に来てくださいとは、言ったんですが……」
その感じだと、見に来てくれない感じっスね。
オレの事が嫌で離れていったんだと、オレはそう思ってる。
でも、
「黄瀬君の名前を出した時、泣きそうな顔をしてたんです。後悔、みたいな」
黒子っちの観察眼はすごい。外れた事が無い。
だから、オレ、自惚れようと思う。
きっと、何かやむを得ない事情があって引っ越したんだって。
最後に何も言えなくて、合わせる顔が無いって、そう思う事にする。
「白城君とは誠凛の近くで会ったので、多分学校もこっちなんじゃないかと思います」
じゃあ、定期的にそっちに行けばいつか、会えるかも。
「黒子っち……また、洸流に会った時、連絡欲しいっス。せめて、元気かどうかだけでも」
オレが少し震えた声で言うと、黒子っちは静かに頷いてくれた。


あれから、三ヶ月ほどした頃、黒子っちからメールがあった。
『白城君と、また会う事が出来ました。
彼はどうやら、自分は君に会う資格が無いと、そう思ってるらしいです。
ウィンターカップの話をして、また誘っては見たんですが……。
多分、君に会えば……きっと来てくれます』
「……絶対、来てほしいっス」
もう一度、話がしたい。
ちゃんと、話して洸流の誤解を解きたい。
そう思って、部活が無い時に洸流を探しに街に出た。

  *  *  *

土曜日で、撮影の合間の暇つぶしにオレは書店に入った。
それで何となく雑誌コーナーに視線を向ける。
そしたら、
「洸流――――」
洸流が居て、目が合った。
でもすぐに視線を逸らされて、逃げて行ってしまう。
オレは必死に洸流の後を追いかけて、見失わないように目を凝らす。
人が多くて洸流を見失いかけた時、トイレに入るのが辛うじて見えた。
「っ――――」

ようやくトイレに入れた時、もう洸流は個室に入って鍵を閉めていた。
「洸流……そこに、いるんスよね?」
声を掛けても応えはない。
「っ……」
でも、壁越しに洸流の息遣いとか、存在を感じる。
本音は、今すぐここを開けて欲しかった。
今すぐ抱き締めたかった。
もう、二度と離したくないから。
「っ…………十二月、二十七日に試合やるんス、来て、欲しいっス……!」
必死に訴える。
聞いて欲しい。応えて欲しい。
でもやっぱり、応えは無くて。
その代わり、すすり泣く声が聞こえて来た。
「りょ、う……た……」
オレの名前を洸流は泣きながら呼んだ。
オレはここに居るっスよ。お願いだから、開けて欲しいんス。
「会いたいんスよ……洸流に……」
もう一度触れたい。抱き締めたい。
洸流に、応えて欲しい。
オレは、洸流じゃなきゃ、駄目なんス。
「ごめ、ん……」
それは、何に対する謝罪なのか。
オレに会ってくれないんスか?
洸流。オレ、
「待ってる、から……」
待ってるから。ずっと。
そう、決めたんスよ。


第四話『やっと見つけた』完