大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.18 )
日時: 2017/04/01 17:03
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

第六話
『流れる時間と試合』
(side:黄瀬)


今日は、十二月二十七日。
ウィンターカップ、準々決勝。
アイツとの試合。
約束の日。

「黄瀬、行くぞ」
笠松(かさまつ)センパイに呼ばれ、小さく溜め息を吐いてからコートに向かって歩き出す。
今は取り敢えず、試合にだけ集中する。
余計な事は考えず、目の前の事にだけ集中する。

「よし……」

これからオレは、二つの決着をつけることになるだろうから。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.19 )
日時: 2017/09/20 12:46
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――洸流―― *


約束の日。
今日は、アルバイトは入っていない。
けれど僕はまだ、ベッドの上で独り膝を抱えていた。
覚悟が決まってない。
会いに行くのが怖い。

時間は過ぎて行くばかりなのに、僕は動けずにいる。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.20 )
日時: 2017/09/20 12:47
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黒子―― *


試合はもう、半ばまで過ぎている。
黄瀬君の高校、海常は相手チームに相当押されていた。

周りを見回しても、白城君の姿はない。
連絡先を聞いておけばよかった。
相手は、あの灰崎(はいざき)君なのに。
「……黒子?」
隣に座る火神君に不審に思われてしまったが「何でもないです」と応えると、彼はすぐに前に向き直った。

白城君、早く来てあげてください。

「…………黄瀬君……」

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.21 )
日時: 2017/09/20 12:47
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――涼太―― *


福田総合の猛攻のせいか控室はシーンとしてて、重い雰囲気だった。 
もうすぐ、再開する。

「……黄瀬、行けるか?」
監督が静かにオレに訊いて来た。
皆の視線がオレに集まるのが解る。
顔を上げて、監督の目をしっかりと見る。
「行けるっス! 行かせてください」
――――祥吾(しょうご)君は絶対に俺が倒す。


そして、試合が再開する。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.22 )
日時: 2017/09/20 12:48
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黒子―― *


まだ、点差が縮まっていない。
「このままだと……」
誰かの呟きが聞こえた。
その続きは聞こえなかったけど、多分海常が――――黄瀬君が負けてしまうという事だと思う。
「アイツが負けるわけねえ! あんなクソヤローに」
僕の隣に座る火神君が力拳を握って誰かの呟きに反論する。

残り時間はあと五分。今、十七点海常が負けている。

それにまだ、白城君も来ていなかった。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.23 )
日時: 2017/09/20 12:48
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――涼太―― *

クソ……技のストックそろそろ尽きて来たし……それに、足も……。

「みじめだなぁ、リョータ」
顔を上げると、そこには祥吾クンが居る。
オレを見下し、優越感に浸ってる顔。
「女もオレが取っちまったんだったけ?」
――――っま、やったらすぐ捨てたけど。

――――ピッ、ピッ

祥吾君の言葉に審判が反応し、祥吾クンは注意を受ける。
むかつく。

「信じてますから!! 黄瀬君!!」
不意に観客席の方から声が聞こえた。
それは、あんまり聞く事がない声。
「黒子っち……」
そのエール、めっちゃ嬉しいっス。

「ショーゴ君さ、勘違いしてるよあの子のこと」
思わず、笑みが零れる。
祥吾君の勘違いも、結構笑える。
「勝手に付きまとわれて、ウンザリしてたんスよ」
だって、
「見た目で群がってくるバカ女一人取ったぐらいで、調子に乗ってんじゃねーよ」
オレはずっと前から一途に洸流の事を想い続けてるんすスから。

さあ、こっからが勝負時だ。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.24 )
日時: 2017/09/20 12:49
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――??―― *


二階の観客席から一回のバスケットコートを見下ろすと、青いユニフォームを着た選手が相当の距離のスリーポイントシュートを放ち、決めた。

「女だの肩書きだの、欲しけりゃくれてやるよ」
彼の表情は、とても楽しそうで真剣で。
「それより俺には約束がある!! 邪魔すんじゃねえよ!!」
その叫びは、体育館中に響いていた。
 
試合の残り時間は二分三十秒。七点差で青いユニフォームの海常が負けていた。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.25 )
日時: 2017/09/20 12:50
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黒子―― *


緑間(みどりま)君の超長距離3P(スーパーロングレンジスリーポイント)シュートを、黄瀬君が模倣(コピー)出来るようになっていた。
キセキの世代の技は、今まで出来なかったはずだった。
けど、今なら黄瀬君は。

ふと、観覧席入り口の方へ視線を移すと、そこに見覚えのある人が居た。
「…………やっと……」
来て、くれたんですね。


第六話『流れる時間と試合』完