大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.26 )
日時: 2017/03/20 01:56
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

第七話
『再会』
(side:黄瀬)


ウィンターカップ準々決勝。
勝敗は、
海常――――七十五点。
福田総合――――七十二点。
オレ達の勝ち。
「黒子っち、サンキューっス」
小さく礼を言って黒子っちを見上げると、黒子っちもうっすらと嬉しそうに笑っているように見えた。
「っ――――!」
そして、視線を戻す時に見つけた。
やっと、
「――――洸流」
洸流の姿を。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.27 )
日時: 2017/05/03 18:54
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 *  *  * SIDE――洸流―― *  *  *


試合が残り二分三十秒の頃、僕は漸くこの場所に着いた。

そして、ついさっき試合が終わり、涼太と目が合った。
今度は、目を逸らさずちゃんと見つめ返す。
涼太はそんな僕を見つめながら笑いかけて「待ってて」と口の動きだけで云われ、僕は静かに頷く。


「…………」
緊張しながら選手控室の近くで壁に寄り掛かりながら涼太を待っていた。
全部、伝える事は出来るだろうか。
「――――……洸流」
今までみたいに、優しい声が上から降ってきた。
顔を上げると、そこには嬉しそうに微笑む涼太がいる。
「涼太……」
名前を呼ばれただけなのに、涙で視界が滲んでしまう。
無理矢理その涙を拭って、ちゃんと涼太と向き合う。
「来て、くれたんスね」

          *  *  *

「うう……何で、あんな事言ったのかな……」
僕は今、涼太が一人暮らししているマンションに来ていた。
リビングのソファーに一人腰かけ、落ち着かない中、猛省していた。
こ何でうなったのか。それは――――、

「……ムードない事言っていいっスか?」
あの後、涼太が最初に言った言葉は、
「オレ……試合の後で汗臭いんで……色々気、使うからシャワー浴びたいっス」
試合に勝って僕が逃げないと解ったからなのか気が抜けていて急にそう言い出した。
「えっ……あ、うん……」
僕はどう返したらいいのか解らず、近くの銭湯にでも行くのかと思った。
「…………家、来ないっスか?」
いや、確かに明日もバイト無いし、予定も無いよ。
でも、涼太の家ってそんなに近くないんじゃ……。
「嫌っスか?」
犬みたいな目でそう言われたら、ね。
「…………行く……」

でも、その場で後先考えず言う僕もどうかと思う。
終電逃したらどうしよう。
泊まり……?
いや……流石に、ね……。
「――――洸流、お待たせ」
帰りの心配をしていたら涼太がシャワーを浴び終え、戻って来た。
「っ……う、ん……」
また、緊張する。
何を話すか纏ってないのに。
「…………さて、と――――」
涼太から、話を始めるみたいだ。
何を言われるのか解らないから、ちょっと怖いな。
「……お腹空かないっスか?」
「へっ?」
緊張がピークだったのにそんな質問をされたもんだから思わず間の抜けた声が出た。
涼太もそれを自覚してるらしくて苦笑してる。
まあ、あの試合の後だし……そうかもしれないね。
「そう、だね。材料あるなら、何か作るけど……」

          *  *  *

どうやら涼太は自炊をしないみたいで辛うじてフライパンや包丁はあったけど材料はほとんど無かった。
基本外で済ませてるらしい。
二人で買い物に出て、寒いというのもあってオニオングラタンスープと何品か作る事にした。

「うまっ!」
一緒に作って、一緒に食べて。
「そっか。ならよかった……二回ぐらいしか作った事ないから……」
あんまり作りなれないものを作る時、物凄く緊張する。
失敗すると後片付けとか面倒だし……。
「え!? 作り慣れてるっぽかったっスよ!」
「失敗しないかドキドキだったけどね」

他愛もない会話が、とても身に沁みる。
前みたいにこうやって話せる日が来るとは思ってなかったから。
何か、もう二度とこの時間が来ないような気がする。
実際、そうならない可能性なんて無いのに。

          *  *  *

夕飯を食べ終わって食器を片付けた後、改めて僕達は向き直った。
「……えっと」
僕から始めるべきかと口を開こうとしたら、涼太から話を始める。
「聞きたい事とか、言いたい事とか、たくさんあるんスけど……」
涼太も何を最初に言い出すか迷っているらしい。
「……オレ、ずっと前から洸流の事が好きなんス」
心臓が、さっきよりも煩くなった。
涼太に聞こえそうなほど大きくドキドキと鼓動する。
「ぁ……えっと…………僕も、涼太の事が……好き、だよ……でも」
嬉しい。物凄く。だって、僕もずっと涼太の事が好きだったから。
でも、先に僕の全部を話した方が良いと思った。
「まず、僕の話を聞いて欲しいんだ」
だから僕は覚悟を決めた。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.28 )
日時: 2017/03/20 12:35
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き


僕は中学時代に先輩達から虐めを受けていた事を、突然引っ越した理由も含めて全部話した。
本当は、あともう少し我慢すれば違ったのかもしれないという事も、全部。
だって、もし三年に上がったら暴力をふるってくる先輩達が卒業したはずだったし。

「…………」
僕は、ただ俯いて涼太の言葉を待った。
涼太は怒るのかな。言って欲しかったって、伊崎君みたいに。

――――ギュッ

不意に優しく抱き締められ、僕は戸惑った。
シャンプーの匂いがふわっと香り、顔が赤くなる。
「………………ずっと、ツラかったスね」
その言葉を聞いてから、視界が滲んで前が良く見えなくなった。
涼太の背中に手を伸ばして、強く強く抱き締め返す。
「今まで、ひとりで良く頑張ったスね」
「っ……」
頑張って堪えようとするのに涙は止まってくれない。
涼太がそっと僕の頭を撫でてくれるから余計に涙が溢れて、嗚咽が漏れる。

ずっとツラかった。
ずっとずっと、あの悪夢は終わらないのかと思ってた。
それに、ずっと涼太に会えなくて寂しかった。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.29 )
日時: 2017/09/20 12:52
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黄瀬―― *


オレが洸流に告白をしたら洸流はそれほど驚かなかった。
まあ、多分薄々気付いてたからなんだろうけど。

「まず、僕の話を聞いて欲しいんだ」
そう言われて、オレは息を飲んだ。なぜなら急にオレ達の前から消えた理由を話すと、そう予感したから。


洸流は中一の時からバスケ部に入ってて桃っちと一緒にマネージャーやってた。
皆と和気あいあいとしてる感じがしてたのに。いつも割りと遅くまで残ってたし。
なのに、先輩達のストレス発散の的になってたなんて。
そりゃ、離れたくなる。
ずっと誰にも言わず抱え込んでたんスね。

――――ギュッ
不安そうに俯く洸流を、オレはそっと抱き締める。
誰にも気付かれないように一人でずっと戦ってたんだ。
「………………ずっと、ツラかったっスね」
そう囁くと、洸流がオレの背中に手を回して強く抱き締め返してくれた。
もう、全部終わったんスよね。
ってか、今度はオレが洸流の傍に居て、洸流を守るし。
だから、もう洸流はひとりじゃない。そうさせない。
「今まで、ひとりでよく頑張ったっスね」
本当に、今までひとりでずっとよく頑張ったっスよ。
「っ……」
洸流がオレの腕の中で声を殺しながら泣き始める。
きっとそれは、今まで堪え続けたものだと思う。
だからオレはそっと洸流の頭を撫でる。
存分にオレの腕で泣いてくれていいから。
オレ、洸流の全部を受け止めるから。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.30 )
日時: 2017/09/20 12:53
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――洸流―― *


涼太の腕の中で泣きじゃくりながら「不安だった」「寂しかった」「今までごめんなさい」って、ずっと僕が言う中で涼太は「もう大丈夫」って「謝らなくていい」って応えてくれた。

「…………スッキリしたっスか?」
そう、柔らかく微笑みながら囁いてくる涼太の腕の中で、僕は泣き疲れていた。
今度は嬉しくて涙が出そうだけど、頑張って堪えながら頷く。
「……今日、このまま泊まらないっスか?」
その言葉に、自分の心臓が速くなるのが判った。そして、涼太の心臓も速くなったのが判る。
「――――……涼太がいいなら…そう、しようかな」

  *  *  *

憂鬱ではあるもののお風呂に入らないわけにはいかず、毎日渋々入っていたし、涼太にお風呂を借りた。
身体中にあるアザは必然的に必ず一回は目に入るし……。
『洸流ー、着替えはここ置いとくっスからね』
ドア越しにくぐもった涼太の声が聞こえ、短く「うん、ありがとう」と応えた。
良くこれだけ強く殴られたり蹴られたりして骨折とかしなかったな……。
体が丈夫なのかなんなのか良く解らない。

いつも通り早く出たくて湯船にも浸からず十分程で出て体を拭いて髪を乾かし、着替えを済ませる。
「…………大きい」
涼太が用意してくれた服は少しだぼっとしていた。
まあ、身長差が二十センチ近くもあればそうなるよね。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.31 )
日時: 2017/05/03 19:05
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き


脱衣所から戻ると涼太はボーッとテレビを見ていた。
「涼太、お風呂ありがとね」
「ぇあっ、お、あ……ど、どういたしまして」
声を掛けてお礼を言うと、涼太はこっちを振り返って視線をさ迷わせながら応えた。
何かあったのかな?
さっきまでと全然様子が違う。
「どうかしたの?」
そう訊いてみるけど涼太からは苦笑しか返ってこない。
僕、何か変な事したり言ったりしたかな?
首を傾げて取り敢えず涼太の隣に座る。
服がダボダボしてて動きにくいし、ズボン落ちそうだけど我慢する。
「お、オレ、ソファーで寝るから、洸流はベッドで寝て良いっスからね!」
少し焦った様子でそう言われ、
「一緒に寝ないの?」
そう訊くと涼太は顔を真っ赤に染めた。
「なっ、あ、いやっ、えっ、だって……」
………………。
沈黙してから涼太は両手で顔を覆って俯いてしまった。
「?」
僕、何か変な事言ったかな?
涼太がソファーで寝たら風邪引いちゃうだろうし…あ、僕がソファー借りれば良いのか。
「じゃあ、僕ソファー借りるよ」
そうすれば涼太が風邪引く心配ないし。
「ダメっスよ! 風邪引くじゃないっスか!」
「涼太だってソファーで寝たら風邪引いちゃうじゃん」
この押し問答続きそうだなぁ。
「じゃあ、一緒に寝ればいいんじゃん?」
さっきの話に戻してみる。
そしたらまた顔を赤くする。
「…………あぅ……」
涼太に困った顔された。
「僕と一緒に寝るの嫌?」
思わず、そんなことを訊いてしまった。
「え?」
「へっ?!」
聞き返されて間の抜けた声が出てしまった。
何で僕はそんな恥ずかしい事を訊いたんだ。
「なっ、何でもないっ! ちょっとトイレ借りる!」
僕は恥ずかしくてトイレに逃げ込んだ。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.32 )
日時: 2017/09/20 12:54
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黄瀬―― *


洸流が風呂に入ってる間、青峰っちから電話が掛かってきた。
『よぉ、黄瀬』
やけにご機嫌な青峰っちが何を言い出すのかと思ったら――――、
『洸流が泊まりか。じゃあ、夜が楽しみだな』
「はぁっ?!」

おかげで、変に意識をするはめになった。
「一緒に寝ないの?」
心臓がもう止まるかと思ったっス。マジで。
しかも、とどめに、
「僕と一緒に寝るの嫌?」
って。俺を殺す気っスか。
顔真っ赤にして逃げてったけど。
「っ……反則っスよー、それ……」
オレの理性が持たないっス……。

――――♪〜♪♪〜♪〜
取り敢えず顔の火照りを無くそうと必死に別の事を考えようとしていたら、着信があった。
しかもまた青峰っち。
「青峰っち! アンタのせいで何か大変な事になってるんスけど?!」
オレが変に意識するような事を言うから洸流も恥ずかしい事さらっと言うし!
『え? そうなの?』
返ってきたのは女の人の可愛い感じの声。
あれ?
青峰っちじゃない。
青峰っちに可愛い声は出せないはず。
っていうか可愛い声出したら流石に……うん。
「もしかして、桃っちっスか?」
聞き覚えあるし、青峰っちの携帯奪える女子はオレの知る限り一人だし。
『そうよー、青峰君からきーくんがしーくんとちゃんと付き合う事になったって聞いたから』
オレそこまでは言ってないんスけど。
っていうか、付き合えるのかな?
色々話聞いたけど、告白の返事は「僕も好きだけど」としか言われてないし……。
『きーくん?』
桃っちが何か話してたんだろうけど、重要な事に気付いたオレはそれどころじゃなくなった。
「重要な事に気付いたんで、切るっス」
『そう? じゃあ、またねー』

電話を切って、少し不安ながらもトイレへ向かう。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.33 )
日時: 2017/09/20 12:55
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――洸流―― *


涼太の家のトイレで僕はしゃがみ込んで頭を抱えていた。
別にトイレに用があったわけじゃないんだけど、恥ずかしくて隠れられる場所がここだけだった。
どうしよう……。
変な事訊いちゃった……。
「うぅ……恥ずかしい……」
おかげで顔は真っ赤だし。
戻り辛い……。

――――コンコンコンッ
「洸流ー……?」
どうしたものかと考えているとドアがノックされ、心臓が跳ね上がる。
「寝てないっスよね……?」
ドア越しに涼太のそう心配する声が聞こえ、そんなに長い間籠っていたのかと慌ててドアを開ける。
「だ、大丈夫、寝てないよ」
恥ずかしくて涼太の顔は見れないけどそう言ってトイレから出る。
「あー……っと……洸流、ちょっといいっスか?」
足早にリビングに戻ろうとしたら呼び止められた。
振り返って恥ずかしいながらも顔を見上げると、涼太は真剣だけど少し不安そうな顔をしてた。
「えっ、あ……う、うん」
僕が籠ってる間に何かあったのかな?
「……改めて、なんスけど」
改めて?
何かあったっけ……?
僕まで不安になるな。
「オレと、付き合ってくれるっスか?」
体とか顔が一瞬で熱くなる。
心臓も、物凄く煩くなってる。
「あ、っ……えっと…………」
もし、こんな僕を受け入れてくれるなら……って、もう受け入れてもらってるのかな。
僕の事、ずっと待っててくれてたし。
「……こんな、僕で良ければ……よろしくお願いします」
まるで、これじゃプロポーズを受けたみたい、なんて思って更に顔を赤くしてたりする。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.34 )
日時: 2017/04/18 10:17
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き


涼太が嬉しそうに笑って僕を抱き締めた。
……やっぱり恥ずかしい。
「洸流……――――」
涼太がそっと僕の頬に触れる。
顔を上げるとお互いの息のかかるほどの距離に涼太の顔があった。
「っ……」
目をつぶると優しく触れるだけのキスをされた。
今までずっと、僕は涼太に会いたかった触れたかった。
名前を呼びたかった。名前を呼んでほしかった。
だけど今はその全てが叶う。
なのに僕は更にその先を求めてしまう。
僕って、欲張りかな?

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.35 )
日時: 2017/09/20 12:55
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黄瀬―― *


洸流をずっと抱き締めていたいって思う。
ずっと触れていたいって。

「…………涼太……」
腕の中に居る洸流の頬に触れると洸流が恥ずかしそうにオレの名前を呼ぶ。
顔赤いし。何か可愛い。
「んー?」
あ、耳まで真っ赤だ。
少し俯いて、目を逸らしてる。
「……ぅ……」
――――キュッ
オレの服を掴んで涙目でオレを見上げてくる。
更に可愛いな。
「フフッ……――――」
小さく笑ってから、もう一度キスをする。
本当は、こんなキスだけじゃ足りなくて。
もっと、もっと、って体が洸流を求めてて体が勝手に動いた。
「っ、んっ……!」
洸流の唇を割って舌を滑り込ませるとピクリと反応を示したけど嫌がられなかった。
口腔を舌でなぞると必死に洸流はオレにしがみつく。
「っ、ふ……ぁっ」
ガクンっと不意に洸流の足から力が抜け、自身を支えられなくなった洸流をオレが支えて座らせる。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.36 )
日時: 2017/09/20 12:56
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――洸流―― *


少し長いキスをしてたら急に足に力が入らなくなって、涼太に支えられながらその場に座った。
息も上がってて頭が少しボーッとする。
「流石にここ、冷えるっスね」
涼太がそう呟いたと思ったら、不意に僕を抱き上げた。
「う、わぁっ?!」
ボーッとしてたのもその一瞬で消え去り、恥ずかしいながらも落ちないように涼太にしがみつく。
「ソファーがいいっスか? それとも――――」
耳元で、少し意地悪く涼太は囁く。
「ベッドがいいっスか?」

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.37 )
日時: 2017/05/03 19:40
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き-1


涼太に抱きかかえられたまま寝室に行き、ベッドに乗るとスプリングが軋んだ。
「んっ……っふ……」
深くキスをされ、僕は涼太の首に手を回す。
心臓が煩くなって、頭がボーッとし始めて下腹部に熱が集中し始める。
飲み込みきれなかった唾液が口の端から顎を伝った。
「っ、んん……」
段々と息は苦しくなってはいくものの、頭が溶けてしましそうなほど気持ち良い。
もっとこうしていたい。
「ふは、ぁ……」
徐に涼太は僕から唇をそっと離す。
それに合わせて目を開くとお互いの口元へとキラキラとした糸が延びていた。
涼太はとても幸せそうな顔をしていたけど、その目には熱い欲情の火が灯っているのが暗闇の中うっすらと見てとれた。
「溶けそうっスか?」
悪戯っぽく訊いてくる涼太の額にこつりと額をぶつける。
「…………うん」
小さく本音を囁いた。
そしたら、目の前から息を飲む音が聞こえた。
「……歯止め、利かなくなりそうっス」
そう呟いて涼太は僕の首筋にキスをしたかと思えば軽く歯を立ててくる。
「っ……」
チクっとした痛みにさえも嬉しくて堪らなくなる。
それを与えてくれるのが涼太だからだろうけど。
涼太の手が服の中に滑り込んで来た。
「ふ、あっ……」
その手がそっと、心臓の辺りに触れる。
それと同時に鎖骨を甘噛みされると、声が漏れた。
「音、凄いっスね」
その囁きに体が熱くなる。
心臓の音を静かには出来ないから、恥ずかしくて顔を覆う。
多分、顔はあんまり見えてないはずだけど、でも。
恥ずかしいものは恥ずかしい。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.38 )
日時: 2017/05/03 19:43
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き-2


涼太に促されるまま上半身を空気に曝す。
十二月だと言う事を忘れてしまうほど体が熱く、寒さを感じない。
「っと……」
涼太も上を脱ぎ、半身を空気に曝した。
暗いせいか衣擦れの音がやけに官能的に聞こえてしまう。

チュッと、わざとらしく音をたてながら鎖骨や胸にキスをされていく。
僕が恥ずかしいのを知っててやってるのが解るから素直に反応したくない。
「んっ……」
不意に、胸の突起が温かい粘膜に包まれた。
口に含まれているのが判り、くすぐったさと少しの違和感に体がピクリと反応する。
「ふ、ぁっ……!」
カリッ、と突起に歯を立てられ声が僅かに漏れた。
「や、んんっ……」
もう一方の突起に爪を立てられ、今度は声が漏れないように我慢する。
ツー…っと脇腹を下腹部に向かって撫でられ、ゾクゾクと体に緊張が走る。
「声、出して……」
ふと涼太の口が離れ、そう囁かれた。
首を横に振ると、ウエストから手が下着の中に入ってきた。
「あ、っ……」
「聞きたいっス」
僕の形を変えたソレを涼太は下着の中で握り込む。
涼太の少し意地悪な言葉にさえも体は反応してて、余計に恥ずかしくなる。
服の中でゆったりとした速度で扱き始められ、気持ち良いけどその手から逃れようと動く。
「ふ、やっ……は、んんっ……!」
「逃げちゃダメっスよ」
声も我慢できなくて鼻にかかったような矯声が漏れ、涼太に右手を掴まれた。
少しずつ扱く手のスピードは上がり、息も上がる。
「だ、めっ……ふ、ぅんっ……」
早くも切迫感があり、手足が強張っていく。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.41 )
日時: 2017/03/30 11:57
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き-3


「っ……!」
遂に堪えきれず絶頂へと達し、涼太の手に包まれたまま熱を全てを吐き出す。
頭がふわふわして、ゆっくりと体の力が抜けていく。
「は、ぁ……はぁ、っ……」
息を整えていると涼太がクスッと笑いを溢した。
「もうへばってたらもたいないっスよ」
「わっ――――?!」
そっと囁かれたあと、涼太に下着ごとズボンを脱がされた。
不意打ちで恥ずかしがる間もなく両足を広げさせられる。
チュッ、とわざとらしく音をたてて僕のうち太ももにキスを落とされ、くすぐったい。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.42 )
日時: 2017/09/20 12:57
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――黄瀬―― *


少し強張る洸流の体に幾つもキスを落として、ゆっくりと緊張を解していく。
洸流の吐き出した熱を手に付いたままそれを潤滑液代わりにして、洸流の秘部の中へと指を侵入させる。
「ぅあ……っ……」
不安そうな顔をしてる洸流の中を探ると指が締め付けられる。
「痛いっスか?」
唯一不安なところを訊くと首は横に振られた。
でも異物感は拭えないのか眉間に少しシワが寄っている。
「へ、んな感じ……する……っ……」
元々異物を受け入れられるように出来ていない場所だからだろう。
でも、ちゃんと気持ち良くなれるようポイントを探す。
「っ……んんっ……ふ、ぅ……ひぁッ?!」
不意にある一点に触れたとたん洸流の体がびくりと仰け反り、一際甘い声が漏れた。
…………見つけた。
「そ、こっ……やだっ……」
そう涙目で訴えられる。
けどオレは逆に執拗にそこを攻める。
「やっ……ああっ、だめっ、だって……んんっ!」
シーツに必死にしがみつきながら、快楽に耐えるように首を振っている。
ぐりぐりと中を刺激すると腰が逃げていく。
「でも、気持ちいいんスよね?」
意地悪く訊くと涙目で否定も肯定もされなかった。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.43 )
日時: 2017/09/20 12:57
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

 * SIDE――洸流―― *


「ぁぁああっ……!」
びりびりと脳が痺れるような錯覚に襲われるその場所を執拗に攻められ、少し前に熱を吐き出したばかりの自身に再び熱が灯っていく。
「も、うっ……!」
またすぐに達してしまいそうでその手を止めてほしかった。
自分一人だけ気持ち良くなっているのは嫌で、首を横に何度も振る。
「お、ねが……ぃ……」
最後の方は声が小さくなってしまったけど、それだけでも涼太には伝わった。
一瞬戸惑った顔をしてから涼太は僕から指を引き抜く。
「痛かったら、ちゃんと言うんスよ?」
あまり余裕の無い声でそう囁かれ、片足を担がれる。

秘部にそっと涼太自身が当てられ、その熱に息を飲む。
「息、吐いて」
そう指摘され、息をゆっくりと吐く。
熱に浮かされてるみたいに熱い吐息を。
「は、ぁ……痛ッ――――!」
ズンッ、と一気に突かれ肺から空気が全て出ていった。
繋がった部分にズキズキと痛みが走る。
「き、つ……」
少し苦しそうな涼太の声が聞こえ、必死に空気を集める。
「りょ、たっ……」
ただ、名前を呼んで両手を伸ばす。

――――ギュッ

お互いの熱を確かめるように僕達は抱き締め合う。
「は、あっ……涼太……っ……」
その体温がとても懐かしくて。でも、体験した事が無いほど熱くて。
気付いたら僕の視界は滲んでた。

Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.44 )
日時: 2017/05/03 19:49
名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA

(side:洸流)続き


涼太は涙を流す僕の頬を拭い何度もキスをしてくれる。
そんな僕に気を使って涼太は動かず僕が少し落ち着くのを待っていた。
「も、う……動いて、大丈夫……」
不安とか痛くて泣いてる訳じゃなかった。
僕の体が、心が満たされていくのが嬉しくて泣いているから。
涼太は少し不安そうな顔をしたけどゆっくりと動き始める。
「は、っ、ああっ……んっ……!」
少し動いただけでも痛みと快楽が押し寄せ体が強張った。
「キ、ス……して……っ」
そう懇願のように頼むと、涼太は優しいキスを何度もしてくれる。
涼太を強く抱き締めて離れられなように僕からもキスをした。
「あっ、ああっ……!」
気持ちの良いところに当たってて、今まで以上に甘い声が漏れていく。
「やば……気持ち、よすぎ……」
そう囁かれ、首筋にチクリとした痛みが走る。
「んんっ……だ、めっ……もう、っ……」
その痛みが背筋をゾクゾクと刺激し、僕を絶頂へと導いていく。
我慢しようにもこの快楽には逆らえない。
「オレも、っス……」
不意に動きが激しくなり、僕の気持ち良い所を抉るようにしながら何度も奥を突かれる。
「っ、ぁぁああッ――――!」
体が一瞬強張り、全ての熱を吐き出すとビクビクと体が震えた。
「っ、ふ……」
少し遅れて体の中に涼太の熱が放たれたのが判った。

「……大好きっス」
どっと押し寄せる疲れと眠気が意識をさらう直前、涼太のそんな囁きが聞こえた。


第七話『再会』完