大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.57 )
- 日時: 2017/05/03 20:11
- 名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA
リアルでも桜が咲いてきたので
『花見』
(side:洸流)
『本日、見頃を迎えています――――』
バイトへ行くのにテレビを消そうと思ったら満開の桜が写っていて綺麗だった。
けど、人もたくさん居て花見に行ったら大変そう。
「花見かぁ……」
涼太が見つかったら混乱するだろうなぁ……。
なんて思いながら僕はバイトへ向かった。
「白城君って確か付き合ってる人居るんだっけ」
バイト先に着いて制服に着替えていたら唐突にそんな事を訊かれた。
「え……まぁ、はい」
流石に涼太と付き合ってるって事は公言出来ないからあんまり詳しく訊かれると答え辛いから話題になる事をなるべく避けてる。
「恋人と花見とか行かないの?」
丁度今朝思ってたのと同じ事を先輩に訊かれて苦笑が漏れた。
「都合がつけば行きたいですね」
涼太も忙しいだろうし。
それに、やっぱり色々心配だし。
「忙しいんだ、相手」
ええ、まあ。と答えると丁度着替えが終わりバイトが始まる時間になった。
それから夕方までアルバイトをして家に帰る途中、桜の咲く公園を見つけた。
夜桜を見にたくさんの人が来ていて、やっぱりあの中に入るのは大変そうだなと感想を漏らす。
「僕って結構欲張りなのかな」
最初は一緒に居れればそれで良いと思ってた。でも、一緒に居れるようになったらデートがしたくなって、一緒にもっと出掛けたくなって。
こんな風になったの初めてだからよく解んないや。
「…………帰ろ」
僕はそう呟いて一人、喧騒から離れた。
- Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.58 )
- 日時: 2017/09/20 13:02
- 名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA
* SIDE――黄瀬―― *
最近学校でも仕事場に向かう途中にもある桜の木が結構花を咲かせてた。
花見とか、洸流と行ってみたいっスね。
二人っきりだと楽しそう。
「そんな良い場所、中々無いんスけどね……」
解ってはいるものの、誰にも邪魔をされずに静かに二人っきりで花見が出来る場所を望みたい。
季節によって色々行きたいな。
春は花見、夏は祭り、秋は紅葉狩りとか。冬はもう満喫したし。
あー、でもクリスマスとか今年は過ごしたい。
「ん……?」
不意に桜の花弁が目の前に舞ってきた。
でも、周りには桜の木なんて見当たらない。
花弁が来た方向を見ると寂れた鳥居が見える。
もしかしたら、あるのかも。
誰にも邪魔をされずに静かに二人っきりで花見が出来る場所。
寂れた鳥居を潜ると手入れのされていないお社があった。
なのになぜか幻想的なもので息を飲む。
「あ……――――」
そのお社の少し奥に一本だけ枝垂れ桜がひっそりと咲いていた。
風に靡いて花弁を舞わせる姿が、とても綺麗だ。
「ここに洸流、連れてこよう」
でも、今が満開ならすぐ来ないと……。
勝手に一人で決めたけど洸流、喜んでくれるかな。
- Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.59 )
- 日時: 2017/09/20 13:03
- 名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA
* SIDE――洸流―― *
昨日涼太から電話があって、
『明日、一緒に行きたい所があるんスけど……良いっスか?』
って訊かれた。明日は何も予定は無いし二つ返事で「良いよ」と答えた。
……そういえば僕、涼太と付き合い始めてから何も予定を入れない日が多くなったな。
良い変化なのかな。……大体涼太の事を考えてたりするけど。
どうやら夕方までは部活らしく、その後僕の家に迎えに来るらしい。
「部活無い日にゆっくり行くのも良いと思うんだけどな」
何か理由でもあるのかな。急がなきゃいけないとか?
……うーん……解んないや。
* * *
夕方、日が傾いて来た頃に涼太が家に着て、僕達は家を後にした。
「そう言えば、一緒に行きたいところって?」
"一緒に行きたいところ"としか行き先を聞いてなくて、どこに行くのか訊いてみる。
「着いてからのお楽しみっスよ」
そう楽しそうに言われたら、まあ良いかってなってしまう。
「あー……でも、ちょっと早いっスね……」
時計を確認しながらそう呟き、何かを思い付いたのか急に僕の手を握る。
「えっ――――」
「もうちょっと暗くなるまで水族館デートっス!」
「ちょっ、えっ」
手を繋ぐのはまずいって!!
- Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.60 )
- 日時: 2017/05/03 21:06
- 名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA
(side:洸流)続き-1
マンボウとか、サメとか、イルカショーとか。
クリオネとか色んなのを見た。
「ん、そろそろ良い時間っスね」
そう言って涼太は僕の手を引いて水族館を後にする。
どこに行くのか、多分訊いても答えてくれないだろうから大人しく楽しみにしながら付いていく。
でも、一つだけ問題が。
「涼太、流石に外で手は繋がない方が良いんじゃない?」
男子同士が手を繋いでいるのはなかなか見ないと思うんだけど……。
「大丈夫っスよ。もう真っ暗だし」
確かにもう日が暮れて真っ暗だけど……でも、怪しまれたら終わりだと思うんだよ。
「気にしなくて良いっスよ。別に疚しい事してるわけじゃないんスから」
そう答えて僕と指を絡ませる。それだけで体温が上がってしまう。
「さっ、流石にまずいって……!」
確かに疚しい事じゃないけど、でも涼太が僕なんかと付き合ってるってバレたら……。
どうなるかなんて想像もしたくないほどに怖い。
涼太だってモデルの仕事を楽しくてやってるはずなんだし……。
「難しい事は考えなくて良いんスよ」
色々な事を考え込んでいたら涼太が僕の額にキスを落とした。
「ちょっ――――」
クスクス笑いながら僕の腕を引く涼太はとても楽しそうだった。
- Re: 【黒バス】腐向け 黄瀬×(オリキャラ) R18 ( No.61 )
- 日時: 2017/05/03 21:07
- 名前: 無冬 ◆vczVbPqLLA
(side:洸流)続き-2
水族館を出てから十分ほど歩くとどうやら涼太の目的地に着いたらしかった。
「ここ……?」
寂れた神社。
ここに何があるのかな。
「さ、こっちっスよ」
僕の手を相変わらず握ったまま涼太に引かれ、神社の中に入っていく。
「あ、っ――――」
少し奥まった場所にあるお社の、更に少し奥に一本の枝垂れ桜が植わっていた。
その桜は今、満月に照らされながら風に揺られて花弁を舞わせていて。
「洸流と花見、したいなって思ってたんスよ」
同じ事、考えてたんだ。
それが嬉しくて笑みが溢れる。
そんな僕を不思議そうに涼太が見る。
「僕も、涼太と花見したいなって思ってた」
そしたら驚いた顔をしてから涼太も笑みを溢した。
その幻想的な光景を二人で時間を忘れて二時間見ていた。
あの光景は、ずっと大切な思い出。
『花見』完