大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【柵越え.沙国.執筆開始】誕生日ネタ【腐】 ( No.34 )
日時: 2017/08/30 19:49
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

〜柵越えで文ストの国木田誕生日ネタ、沙国で【古き友人】〜
※文ストの国木田×最遊記の沙悟浄

「おーい、大丈夫か?........まさか、またこうして会うとは思いもしなかったが、とりあえず生きてっか?独歩」

 路地裏で倒れている自分と同じくらいかに見える落ち着きのある金の長髪、あまりここら辺では民宿かバー、酒場でしか見たことがあまりない正装とも呼べる服装と『理想』と書いてある手帳を見て、その倒れている人が昔猪悟能に会う前に今のように倒れていたのを思い返す


___俺はつくづくこういう運の巡り合わせに会うみてぇだ

 そう内心で呟くのは、真紅の長い髪に特徴的な触角のように伸びた前髪の二本、髪と同じ色をした真紅の瞳をした二十歳前半の青年、沙 悟浄(さ ごじょう)だった

 悟浄は三蔵、悟空、八戒白竜と共に西へ旅をしている最中で今はつかの間の休息をこの街でしている所だった

 移動手段でもあるジープに変身が可能な白竜が思いの外疲労していたのもあってか、この街に居る期間は白竜が快復するまでになっている

 そのためか、悟浄はこうしてぶらぶらと一人で良い女を捕まえるため歩いていたが、不意に昔のことを思い出して路地裏を見てみれば見覚えがある人が倒れている姿が目に入り、今に至ったのだった

 暫く倒れている人の名前を何回か呼んでると独歩と呼ばれた人はうっすらと瞼を開けて、もぞりと僅かに動(みじろ)いだ後に


「ん、ん....嗚呼、大丈............?お前は確か悟浄、か?....何故、此処に....いや、また俺が此処に来てしまったようだな」

 ぱたぱたと服に付いた砂などを払いながらも立ち上がり、手元にあった自分の眼鏡を掛けてから声を掛けていた悟浄の方を向いて大丈夫だと言おうとするも不意に違和感を感じる

 違和感は、此処に悟浄が居ることいや、正しくは自分がまた来てしまったことだった

 此処は最遊記の書物に出てくる西遊記と似た場所で沙悟浄はそこに出てくる三蔵一行の人だ

 またか、と思わず自分の額に手帳を持っていない方の手で触れてから目を瞑り、どうやったら帰れるかを考えている独歩は、国木田 独歩(くにきだ どっぽ)と云う名で悟浄は昔倒れていたところを助けられたことがあり、その時は半年間、元居た場所(横浜)に帰れず、悟浄と共に元居た場所に帰る方法を探しその間に友人関係を築き上げた

 古き友人で此方の生き方を教えられ、横浜には居ない妖怪が居ると云うこと、悟浄が人間と妖怪の間に産まれた混血児で禁忌の子だと云うことも教えてくれた友人

 そんな古き友人が居る此処にまた飛ばされた国木田は今度は何時帰れるんだと思いながら、無意識にため息を洩らす

 国木田の様子にあー....と察したように声を洩らし、国木田に近寄ると国木田の肩に手を置いて


「ま、まあ何だ....折角再会したんだし、久々に飲まねえか?飲んでからまた帰る方法を探せば....いや、俺も探してやっから気にすんなよ?....野郎同士むせぇとかは仕方ねえとして、だ」

 ポンポンと数回国木田の肩を叩きながら何とも云えない微妙な空気を変えようとしてかフォローを入れてから国木田が返事する前に肩に腕を回して、酒場へと半ば強引に連れていった

ーーー

ーー


「......そういや、確か今日誕生日じゃなかったか?」

 暫く他愛のない話をしていたが、ふと思い出したように悟浄は半ば確認するよな声音でグラスを傾け口から僅かに放したままの状態で国木田に聞く

 国木田は、酒を飲む気分じゃなかったが無理矢理、飲み始め前に飲ませれ、進められるままに飲んだせいか、国木田はほぼ出来上がっていて


「ん?........いや、明日だがそれがどうした?」 

 その証拠に、悟浄の問い掛けに対しての数秒の間を空けてから返事をすると云うスローペースで若干眠りかけていた。それでも、悟浄と久々に話すのは楽しいらしく完全に眠りに落ちることなく会話をする

 もう、半分近く国木田は自分が言っていることを理解してなく相手の言葉は頭には入るものの、その一つ一つを考えて口に出すと云うことが出来ないくらいに酒に飲まれていた

 そもそも、国木田は酒は飲めるものの自ら進んで飲もうとはしない、何時なんどき急務が入るかもしれないからもあり、今は相棒でもある太宰の仕事も片さないといけないときもある。第一、一日に七時間は睡眠にあてるのが国木田の理想の生活リズムなので酒は予定にも入っていない、飲んだとしても酔うまでは飲まないのが国木田だ

 それが、どういう仕組みかまた此処に飛ばされ、こうして予定外の出来事が振り掛かる、正直言って現実逃避したくなる........否、そもそもこの奇っ怪な出来事自体が日頃の激務に加え太宰の妨害から来る現実逃避なのではないか?とすら思い始めていた


「いや、どうしたってな........そりゃねえって、独歩 ま、別に本人が気にしちゃいねえなら良いけどよ 別にな....」

 国木田の言葉に思わず渋柿を食ったような苦々しい顔になりつつもどうしたと聞かれてどう云えば良いか分からずに困ったように口を濁し、半ば無理矢理自分に言い聞かせるようにして悟浄は言う

 そして、グラスに入っている残りの酒を飲み干した

 そんな悟浄の様子に、頭の上に?マークがたくさん浮かべたまま首を僅かに傾げて見ていた国木田も同じようにグラスに入っている酒を飲み干し、テーブルに並べてある料理に箸を伸ばす

 改めて見ると様々な料理が置いてある中に少し成(な)りは違うものの国木田が好きな鰹のたたきがあった

 再び悟浄に目を映すと悟浄も国木田が鰹のたたきに気付いたことを知って

「まーその何だ、今日だと勘違いしたけど、独歩が好きな鰹のたたきだぜ?ちょっと見てくれは独歩が食っていたものとは違うかも知んねえが、味は保証すっからとりあえず食ってみろ、ほら、口開けろよ」 



ーーーー続 


アトガキ
文ストの国木田と最遊記の沙悟浄です
思ってみれば柵越えで誕生日ネタの方が書きやすいと今更ながら感じました←
国木田さん、誕生日おめでとうございます!
今回の柵越えは文ストと最遊記からで国木田さんと悟浄は友人と云う関係にしました← 国木田さんって酒飲むイメージもタバコ吸うイメージも酒場に行くイメージもないんですが、ね あはは←

 何で悟浄が無理矢理飲ませ、進めて出来上がっている状態なんで自分で飲んでって云う感じにしました((

 国木田さんが仮に飲めるとしてね、でも酒飲めない国木田さんもそれはそれでいい← 

 最遊記から誰にしようかと悩みました、悟空に振り回される国木田、八戒と国木田の大人な誕生日(?)も三蔵と云うだけで何かと三蔵に接待する国木田とか国木田で遊びた........何でもないです、はい←

Re: 【柵越え.沙国.執筆中】誕生日ネタ【腐】 ( No.35 )
日時: 2017/09/11 01:57
名前: だらく ◆nI0A1IA1oU

柵越え、国木田誕生日ネタ、沙国>>34の続き


「まーその何だ、今日だと勘違いしたけど、独歩が好きな鰹のたたきだぜ?ちょっと見てくれは独歩が食っていたものとは違うかも知んねえが、味は保証すっからとりあえず食ってみろ、ほら、口開けろよ」 

 悟浄は自分の後ろ髪を掻くように触れつつ、言いづらそうにするも国木田を祝いたい想いがあるのか、何故国木田の好きなものがあるのかを短く説明しグラスをテーブルに置くと鰹のたたきを一切れ箸で取り、味付けはされているのか、そのまま国木田の口へと運ぼうとしているらしく国木田の口に一切れを差し出す

 俗に云うあーんだった。恋人たちがする行為の一つでもあるが、何も恋人に限ったことじゃない、家族や夫婦、友だちに対してする人も居るので恋人だけの特権じゃないとは分かっているがそれでも恋人同士がやる行為として認知されている

 そのためか、国木田は悟浄の自覚なしの行動に目を泳がせて、食うのか?と口では言わずに目で訴えるように悟浄を見る

 すると、自分のやっている行動がどう云う行動かが理解したようでにやっと意地悪な笑みを浮かべて、少し楽しげに


「ほら、あーんだっ....されたことねえのか?相変わらず女性への理想が高(たけ)ぇな、独歩はよう さっさと食えって........それとも何だ、恋人を連想しちゃったとかか?独歩は乙女だな」

 そういや、乙女座だったかなんて心の中で悟浄は思いながらも国木田の唇に一切れを軽くあてて冗談じみたことを国木田を見据えながら告げる

 国木田は図星をつかれて、悟浄を見返しがたんっと椅子から立ち上がって


「そんにゃ、そんなことはないっ........が、べ、別に食べさせなくとも自分で食える!........だ、から......う、視界が歪、む」

 顔を真っ赤にして連想したことに対して否定し、食わないのは自分で食えるからだと主張してだから、それをやめろと言おうとしたが急に立ち上がったせいか酔いが一気に回り、完全に酒に呑まれ、くらっと立ち眩みをしたかと思えばその場に倒れてしまう


「お、おい!独歩?!あちゃー....こりゃ完全に酒に呑まれちまった、か....仕方ねえ、俺が半ば無理矢理付き合わせちまったから........それに....、....」

 国木田が倒れそうにぐらりと体が傾くとさすがに慌てたように箸を放し悟浄も椅子から立ち上がり、国木田が倒れる前に支えようとするも後一歩間に合わなかったものの床に面する時の衝撃や頭を打ってしまう前に国木田の手を取って免(まぬが)れたが、国木田はそのまま目を回して再起不能、また飲み交わすこと、食事を食べることを続行するのは無理だと云うのが見ただけでも分かった

それだけじゃなく、国木田はこれは今に始まったことじゃないにしても、国木田は

___何と云うか、よ........昔も今も


「ちょいとばかし、野郎に対して可愛いって思ちまうんだよな、いや、独歩だけなんだけど........放置したら確実に違う野郎に食われる気がするし、図体俺よりデカイのに、やけに.......そそるな」

 相手は女性でもなく古き友人でそれ以上の関係でも況してはボーイズラブでもない、悟浄は女好きでよくも悪くも女と居ることが多い

 一方の国木田も色恋になることはないものの、手帳にも書いてあるほど、女性の理想を求め、伴侶とすることを望んでいる。ノンケだ、否多分襲われたことはあるとは思うが記憶から忘れたいことだと悟浄は何となく分かる


___そーいや、その点三蔵は女性の妖怪に押し倒されたり、男性の妖怪に弱味を握れそうになっていたり、人形に顔を狙われたりしていたっけ、か.....、........あーいや、止(よ)そう何か急に悪寒がしてきた


「........、....」


「ま、まあとりあえず、酔いつぶれちまったし........明日にでも改めて誕生日祝うとすっか、俺より身長たけえな....そういや、ま、野郎一人なら担げるか」

 不意に悟浄は三蔵にあった出来事を思い返し、妖怪ってのはある意味両方いけちゃう種族なのか?と考えるが、自分もその血が半分流れている混血児なため首を左右に振っていや違うだろうと頭の中で過ったことを否定するも、文字通り悪寒がしてきたのか、若干青ざめている顔で国木田を再び見る

 古き友人というより僅か半年だけの友人で、国木田が無事に帰った後は目まぐるしい日々を送っていて、それは今もだ

 いや、昔よりも今の方が多忙だ、経文を狙う妖怪が増え宿に宿泊するのは一日一泊酷いときには半日だ、白竜が疲弊しきっていなければ買いだめして次に行く場合もあり、今のように長く同じ場所に居るのは珍しいことだった

 この隠れ家的な街は洞窟をくぐった先にあり、規模としては小さいものの栄えている街で洞窟をくぐった先にあるためか妖怪たちが滅多に来ないらしく三蔵一行が見た中では伸び伸びと生き生きと人々が暮らしていた

 そんな街の中の酒場内で、悟浄も少しばかり酔っていたのもあってか同性の国木田に対して不覚にも可愛いと思ってしまった、三蔵を連想してしまったのは身近に居る金髪だからというだけの理由とよくも(?)悪くも襲われているからだった。まあ、国木田と違うところはやたら乱暴でよく味方に銃を向ける短気だと云うことと三蔵の場合は食べ物的な意味で狙われているからだった

 勿論、経文のこともあるが徳の高い人間の肝を喰らうと不老長寿になるだの、更なる力を得るだの妖怪の間で言われているからだ、だから狙われやすい

 しかも、今ではお尋ねものの三蔵一行と呼ばれている。いや、何がお尋ねものだ、元々そっちが賞金やら報酬やら俺らに掛けたんだろうと悟浄は思う

 そうは時折思っているものの、現に人間からは妖怪退治しに西へ旅している三蔵一行だの色々と勘違いされる場合もある。彼らの場合は襲ってくるから倒している、戦っているに過ぎず人間の味方でも妖怪の味方でもなく己だけの味方だ、だから、襲ってくれば相手が何であろうが戦う


「....、........例え元に戻ったとしても、前みたいにはならねえって...誰かさんが云っていたっけか ........まあ、そりゃそうだ........っとこう思いに耽(ふけ)っていても仕方ねえし、さっさと宿屋に行かねえと」

 "よっと、"そんな声と共に荷物を担ぐように国木田を担ぐとしっかり腕で支え、手で足を持ち固定する、まあまだ起きていたら食べたものや飲んだものが口から出てきそうな担ぎ方だが、幸い国木田はダウンしているのもあってこの担ぎ方が出来ていた

 背負うのも良かったのだが、何か格好悪く女性が見ていたら何か嫌な図だと思ったのと悟浄はタバコが吸いたいのもあってか荷物を担ぐようなスタイルを維持して空いている手でタバコを一本取り出し、口に咥(くわ)えてからライターを取り出し火を付ける


 そして、タバコに火を付けライターを仕舞った悟浄は、足早にだが慎重に宿屋へと向かった 



ーー続く