大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 太中を中心に文ストBL小説が書きたいんじゃ ( No.21 )
- 日時: 2017/05/19 18:21
- 名前: 犬神
- 参照: 書いてたデータが吹っ飛んだ時の絶望と悲しみは異常←
【中原中也誕生祭】
「はあぁぁ……」
ポートマフィア五大幹部、中原中也は、マフィア内にある自身の執務室にて疲弊した溜息を吐いた。
中也の目の前には、天井まで届くのではないだろうかと云うほど山積みになった書類が置かれている。たった今終わらせたばかりのものだ。
現在の時刻を確かめようと、パソコンの隣に置いてあったスマホを手に取り、事務作業の間は消していたスマホの電源を入れる。
ホーム画面が開いた時、『23:55』と、デジタル時計には表示されていた。
……嗚呼、意外とまだ0時にはなっていなかったんだな。
「んん……」と言って事務作業で強張った体を解す様にグゥッと体を後ろに逸らし、椅子の背凭れに上半身の体重を預ける形になり、マフィア幹部らしくも無い、だらけた様な体制になる。
その体制のままボゥと天井を見上げていたが、ふと手に持っていたスマホを顔の前に持ってき、もう一度ホーム画面を開いた。
画面には『23:57』という時刻、そして、その下に表示されていた日付を見て、中也はある事を思い出した。
「……そういやァ俺、明日誕生日か」
今日の日付は4月28日。そして、明日は中也の誕生日である4月29日だ。
しかし残念ながら、この誕生日である日が祝日だろうと休みでは無い。勿論仕事が有る。
きっと、夜帰って来た時に一人寂しくケェキを食べることになるだろう。だが、別にそんな事は気にしていない。毎年の事だ。
そんな事を考えている内に、時計はもう『23:58』を表示していた。あと二分で4月29日だ。
スマホの画面を見ながら、ふと昔の相棒の顔を思い出す。
中也は昔から太宰に恋心を抱いていた。初めて会ったその日から、その全てに惹かれていた。それに気付いたのは、太宰がマフィアから失踪した時だ。
しかし、この恋が叶う事は無いだろう。何故なら今、彼奴と俺は敵同士だから。
しかし、何故今更そんな事を思い出したのだろう。首を少し捻って考えた後、一つの考えに思い当たった。
――嗚呼、そうか。俺は祝ってもらいたいのか、彼奴に。
この願いと片思いは、これからもずっと叶う事は無い、永遠に結ばれない恋。
思わずスマホを持つ手に力が入り、込み上げてくる寂しさを隠す様に無理矢理口角を上げて微笑みを作り、小さく呟いた。
「――happy birthday、俺」
……嗚呼、きっと俺、泣きそうな顔してんだろうなァ。
デジタル時計は、丁度0時を表示していた。
あれ????
何でこんなシリアスなってんですか??((全てにおいての元凶
あ、あれ?本当はもっと太宰さんに「プレゼントは私だよ!」とか言って中也と甘々イチャイチャきゃっきゃうふふさせたかったのに、結局何故こうなったんでしょうか。←
すいません、結局「近日書きます」とか言ってもう五日経ってましたねごめんなさい←
実は11日くらいに書こうとしたら、丁度テスト一週間前に入って仕舞ったんですよね。で、今日はテスト三日前です。←
なんとか提出する課題は終わらせたんで書くことが出来ました、皆さんは課題を溜めずにコツコツやっていきましょう。私みたく時間が無くなり、小説を書くことが出来なくなってしまいます。←
くッ……結局何故シリアスに……しかも台詞少ない((
そして皆さん気付きました?これ、最後に『―終―』の様なものが付いてないんですよ。
何故かって?さあ。←
- 太中を中心に文ストBL小説が書きたいんじゃ*太中執筆中 ( No.22 )
- 日時: 2017/05/18 18:27
- 名前: 犬神
- 参照: テスト一日目?知らない子ですね←
【中原中也誕生祭 続】
ブー……ブー……
「ッ、!?」
中也が呟いた直後、スマホの画面が数度震えた。
どうやら電話が掛かって来たらしい。こんな時間に誰だ?と思いつつも、液晶パネルに表示された文字を読む。
「っな……、!」
その文字を見た瞬間、中也は思わず驚愕の声を漏らした。
先程の体制を戻し、普段通りに椅子に座ってもう一度表示された名前を見る。若しかすると夢じゃないのか?という不安を抱きながら。
”青鯖”
もう一回だけじゃなく、何度も見直した。だが、何度見てもそう書かれていた。
青鯖、というのは中也が太宰に付けている――と言っても悪口寄りの――あだ名だ。中也は電話登録で太宰の名前を青鯖に設定している。つまり、電話の相手は己の誕生日を祝ってもらいたかった張本人、太宰からという事になる。
しかし、何故こんな時間に電話なんか?
そんな疑問を抱いている間も、電話は鳴り続けている。
中也は迷っていた。
本当に電話に出ていいのか?と。きっと太宰の事だから、また嫌味っぽい事を言うに決まってる。何故なら、彼奴は俺の事が嫌いだから。
何時もならば自分の気持ちを押し殺して通話に出、此方も嫌味っぽい事を言って電話を切るのだが、今だけはどうしてもできなかった。
何故なら、今はそんな事よりも太宰に「おめでとう」と言って欲しい気持ちの方が強かったから。
ブー……ブー……
まだ電話は鳴り続ける。この調子だと、まだ止まる事は無いだろう。
意を決した中也は、少し震える手で通話ボタンを押し、スマホを耳に当てた。
「……もしもし」
『嗚呼、やっと出たね。中々出てこないから心配したよ』
電話越しのその声は、紛れも無い太宰の声だった。
この目出度い日に好意を寄せている相手の声を聞けた嬉しさと、嗚呼、また喧嘩になってしまうのか、と言う寂しさが混ざり合い、中也の体の中を駆け巡る。
「ンだよ、こんな時間に……」
やっとの思いでその言葉を口にした。多少声が震えていたと思う。
『そりゃ勿論……君に伝えたい事があったからね』
――嗚呼、ンだよそれ、どれだけ俺に期待させりゃ済むンだよ。
先程同等スマホを握る手に力が入る。何故太宰はこんなにも嫌がらせが上手いのだろうか。
伝えたい事ォ?ンだよ、また何か嫌がらせか?
溢れ出る自分の気持ちを何とか抑えながら、そう言おうと口を開き息を吸った。しかし、その後の言葉を中也は言う事を出来なかった。何故なら――
『――誕生日おめでとう、中也』
太宰の言葉によって、掻き消されてしまったから。
- 太中を中心に文ストBL小説が書きたいんじゃ*太中執筆中 ( No.23 )
- 日時: 2017/05/18 21:13
- 名前: 犬神
- 参照: テスト一日目?知らない子ですね←
「…………は、?」
その言葉を聞いた途端、中也の頭は真っ白になり、何とか喉奥から発された言葉も「は?」という短い言葉だけだった。
脳内では様々な感情がグルグルと渦巻いて只管に困惑しており、返答する言葉を考える余裕など無い。唯、金魚の様に口をパクパクさせる事しか出来ずにいた。それほどに驚いてしまったのだ。
唾をゴクリと飲み込み、目を瞑って一度大きく深呼吸した。そしてゆっくりと目を開けば、何時も通りの強がった自分を演じる。
「ンだよ突然」
『ええ、何だいその反応は……折角私が祝ってあげていると云うのに』
「いらねェよそんなの、余計なお世話だ。……第一、手前なんかに祝われても微塵も嬉しくねえよ」
嘘だ。本当は物凄く嬉しい。
正直に”ありがとう”と言えない自分に腹が立った。
『全く、酷いなあ……まあ良いよ。私が言いたかったのはそれだけだから』
「嗚呼そうかよ、こっちは残業で眠ィンだ、さっさと切りやがれ」
『言われなくてもそうするつもりだよ。じゃあね、おやすみ』
プチリと音がしたと思えば、直ぐに通話終了の合図であるツー、ツーと云う音が聞こえた。
スマホを耳から離し、曰くの間その画面をボゥッと見た後電源を切った。部屋にまた、電話が掛かって来る前の静けさが戻る。
……嗚呼、何でありがとうの五文字も言え無ェンだよ。
好きな相手に対してツンとした態度を取ってしまうなど、まるで小学生の男子の様だ。
この感情を知られたくなくて、如何しても素っ気無い態度を取ってしまう。自分の気持ちを押し殺しながら。
何故知られたくない?
答えは簡単だ。彼奴に拒絶されたくないから。
拒絶されるのを、前までの関係が壊れてしまうのを恐れているンだ、俺は。
否、いっそそうやって突き放された方が、幾分か気持ちが楽になるんじゃないだろうか?
でも、俺にそんな勇気なんてない。俯いて両手を膝の上でギュッと握った。
目頭が熱い。目の前がグニャリと霞んだ。ポタリポタリとズボンに丸い染みが作られていく。
「…………、……弱虫」
俺は弱虫だ。拒絶されるのを怖がって自分自身の気持ちを伝えることが出来ない。
今にも消え入りそうなそのか細い声は、自身の嗚咽によって掻き消された。
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