大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.119 )
- 日時: 2018/02/01 17:58
- 名前: デイズ
Said : シンタロー
「そ、その…っ。あ、ありがとうございます。」
「礼には及ばん。無事でよかったよ。」
本当、この人なんで男じゃないんだろう。
男のオレでも憧れるくらい、カッコいいのに女という、少し残念なイケメン女子なのだ。
バレンタインデーでは女子からのチョコレートを数えきれないほど貰って、全て食べお返しをし、味の感想まで言ってくれるという。
ここは女子っぽい、細かい気遣いなどがあるが、これでほぼ全員イチコロだろう。
これでも、モモの恋人なのである。
キドさんは、ヤンキー達を一喝すると、3人とも怯えたようすで逃げてった。
謎に人を見下しはするが、度胸や肝まではなかったみたいだった。
「キド〜?そこにいるの〜?」
「……ん?」
屋上の開け放されている扉から、どこかで聞いたような声が聞こえた。
…誰だっけ?
キドさんは、「いるぞ〜。なんだ〜?」と、向こうの相手に大声で返した。
すると、ヒョコッと扉から、出てきたのは…
「あ、いたいた。」
そう、オレが片想い中のカノ先輩、本人だった。
一瞬、好きすぎて変な幻想見てんのかな?
とか思ったけど、キドさんと話していたことから、夢じゃないんだと悟った。
「なんだ?シンタローに何か用か?」
少し睨み付け、カノ先輩を警戒しているぽかった。
キドさんは目付きが悪い上、つり目なので、多少にらまれただけでみんな震えあがってしまう。
しかし、カノ先輩とキドさんは仲が良いのか、それとも慣れているのか、それをスルーしてオレの目の前に来た。
「如月…シンタロー君……。だよね?」
「はっ、はい…。」
恥ずかしくて、目線を剃らす。
頬が火照ってるような気がするが、気のせいだ。
それより、オレの名前を知ってたことが何より嬉しかった。
「ちょうどよかった。君、結構前にシャーペン落としてたよ?名前分からなくて、渡せず仕舞いだったけど、返すね。」
「あ、ありがとう…ございます…。」
手渡されたシャーペンは、オレが1週間程前になくしたもので、微かに温もりがあった。
それよりも、手渡されたときに指がもろに掌に当たって、顔がカァーッと火照る。
流石に、挙動不審過ぎたのか心配したような声がした。
「それにしても、大丈夫?シンタロー君。体調でも悪い?顔赤いから、熱あるんじゃないの?」
「い、いえ…っ!大丈夫です!!」
「そういうのは、目を合わせてから言って欲しいんだけど?」
少しだけ、カノ先輩は屈み、下を向いていたオレの目を捉えた。
ぽーっと顔が熱くなる。
そんなに、見られると…流石に隠せないよ。
目を合わせたいのに、チラリとしか合わせられなくて、すぐに目を剃らす。
少しだけ不機嫌そうな表情のカノ先輩に、少しだけ心がズキッてしたけど……。
「まあ、そんなに責めてやんなさんな。シンタローは、人見知りなんだから、あんまり会ってないお前と目を合わせるのは恥ずかしいんだよ。そこまでに、してあげろ。これでも、意外と喋った方なんだから。」
と思ったら、こんなオレの状態を察したのか、キドさんが助け船を出す。
不機嫌だった表情が、驚きの表情に変わる。
「えっ、そうなの?そう言ってくれればよかったのに。」
「悪いな、シンタロー。カノは少し頑固なだけだから、気にすんなよ。」
「はっ、はい…。気にしてませんから。」
カノ先輩は「じゃ〜ね!」と、手を振りながら帰っていった。
と、同時に大きなため息を吐く。
「たっ、助かりました…キドさん。」
「お前も物好きだな。カノが好きなんて。」
キドさんになんとなくで、察せられたみたいで、すぐにバレた。
少しだけ、恥ずかしくなる。
「い、言わないでくださいよ…。」
「まあ、口は固いさ。少しだけ、手助けしてやる。」
「は、はぁ……。」
手助けって、どういう意味なんだろう……。
とりあえず、秘密にしてくれるみたいだから、よかった。
ホッと息をついたら、昼休み終了のチャイムが鳴った。
「じゃあ、俺は教室に行くからな。お前も、遅れないようにしとけよ。」
「は、はい…。」
扉へと向かう凛々しい背中を見つめながら、オレはボーッとまたカノ先輩の事を考えていた。
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