大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.141 )
日時: 2018/02/23 12:15
名前: デイズ

Said : マリー

「あれ?もう帰っちゃうの?」

保健室に戻ってみると、シンタロー1人だけになっていて帰り支度をしているところだった。私の姿を見受けると、軽く会釈してきた。

「もう、帰ります。脚本も家の方が捗るんで。」
「そっかぁ……。」

今、シンタローの話題の中にカノが入ってないしそれにカノもいないし。
……喧嘩でもしたのかな?

なんとなく、腫れ物に触るような扱いしてるような気がする。
なんか、名前を言うのを避けているというか、今は口にしたくないっていうか。
そんな感じのする言動だった。

「じゃあ、そろそろしたらカノ先輩来ると思うので、帰ってるって言ってください。さようなら。」
「うん、分かった。さよなら〜。」

シンタローは急いで保健室から出ると、ダッと駆け出して靴箱の方へ行ってしまった。

……。
カノも来るみたいだし、今のうちに録画した奴の確認してみよう。
どうしてこうなったのか分かるかもしれないし。

目の前のデスクに座り、パソコンをたちあげる。
すると、丁度カノ達がイチャイチャしていたベットの斜め上の画像が映し出される。この時は、まだカノがシンタローに抱きついていて、にやけてしまう。

…って、ダメだダメだ。
今は趣味に浸ってる場合じゃない。ああなっている理由を探らなきゃ。






……え?








―…暫くしてから、カノがやって来た。

時計の時間はシンタローがいなくなってから、僅か3分しか経っていない。
それでも、自分には10分にも30分にも思えるぐらい、さっき見たことがショックでたまらなかった。

「あれ?先生、シンタロー君は?」
「なんか、家の方が脚本も捗るらしいから帰ったよ?」

出来る限りの自然体を装って、普通に答える。
それでも、指の小さな震えと見えないところでかいている冷や汗は止まらなかった。

カノは驚きで目を見開き、キョロキョロと周りを見渡していたが、すぐに悲しげに目を伏せた。
あぁ……きっと、カノは何が原因で帰ったのか知らないんだ。
確かに、カノのは無理強いだったかもだけど。それが、1番の原因だったわけじゃないし。

「先生、僕……体調が悪くなって早退したことにしてくれませんか?」
「いいけど、ちょっとこれを見てくれる?」

不思議な顔でこちらに近付くカノ。
私は、先程見たときの問題の場面の少し前に再生のバーを引き戻し、カノにパソコンの画面を見せた。

「ここ、見ててほしいの。」

再生ボタンをカチリと押す。

(やめろっつってんだろっ!!!)

静かな保健室に響く、シンタローの怒声。
びくりとカノの肩が動いた。

それから、シンタローがギクシャクと動き始める。
なんといってるか聞き取れないけど、大方シンタローが焦ってカノに謝ってるんだろう。カノの方は、ポカンとしていて身動きをしていない。

そうして、カノはシンタローの頭に手を置き、保健室を出ていく。
カノが出る直前に、シンタローの口が大きく開き、手が前へとつき出される。

(待って……っ!!)

涙で掠れた声が小さいけど、ハッキリと聞こえた。
カノはどうか知らないけど、私にはそう聞こえたんだ。

そのあとシンタローは顔に手をあて、小さく縮こまってしまう。
きっと泣いてるんだろう。


そこで、私は動画を止める。
カノは言葉を失っているらしく、ピタリと動きをとめ目を見開いたまま止まっている。

そのカノに聞こえるか分からないけど、言いたいことをぶつけてみる。

「さっきの1時間あげたのは、シンタローのお願いだったの。一緒にいられないから、少しでも長くいたいって。その代わり、録ってもいいからって。」

そう言うと、カノは啖呵を切ったかのように保健室を飛び出していった。
クスリと私は、笑う。

さて、お代は何を取ろうかな。

作ったハーブティーを口に運びながら、これから起きるであろうことの妄想をして、その余韻に浸っていた。




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