大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.148 )
日時: 2018/02/24 09:03
名前: デイズ

Said : シンタロー

家に帰るとか言ってたけど、帰ってもすることないから学校から少し離れた公園に立ち寄る。
そこら辺にあった木の棒で、ガリガリと地面に絵を描く。周りから見たらかなり可笑しいだろうなとか思いながらも、なんとなくで続ける。

……そういえば、前までいつもこんなことあったな。

不登校になってからめっきりなくなったけど、オレが脚本係になってからしばらくしてから、ここの公園に立ち寄るようになったんだ。
ここで、台本とか考えていたら、カノ先輩が「僕もいていい?」みたいになって、それで放課後は2人でここに来るのが日課になっちゃっていたっけ?

いつもオレが1番先に来ていて、なんとなくカノ先輩がいないと捗らなかったんで、こうやって地面に絵を描いて待っていたっけ?
まあ、オレはお世辞にも絵は上手くない。幼稚園児とかと同レベルだけど、自分の想像していることをこうやって自分なりに絵に表すのは、新鮮で楽しかった。
そうやっているうちに、時間は過ぎてって、すぐにカノ先輩来ちゃったっけ?

いつも、後ろから

「シンタロー君っ!!」

……って呼んで。って、え?

後ろをパッと振り向く。すると、そこにはこっちに向かって走ってくるカノ先輩。
なんで、こんなところに?授業は?
って、こんなことしてないで逃げないと!

「捕まえた!」
「?!」

しかし、足も遅くて暫く動いていなかったもんで、立ち上がってよろけた所を捕まってしまった。
ぎゅっとオレを離さないようにしている手の中で、精一杯に動いて抵抗する。
それでも、離してくれない。

というか、物凄く疲れているはずなのに、手の力だけが異様に強い。
息は切れ切れで、汗はだらだらと掻いているのに、逃れられるような気がしないのだ。

もう抵抗するだけ無駄だと思ったオレは、抵抗をやめて大人しくする。

「やっと、大人しく、してくれた。」
「……とりあえず、ベンチに座りましょう。疲れてるんでしょう?」

息があがってぜえぜえとしているカノ先輩が、心配に思えてきちゃったから、ベンチに座ることを提案する。
カノ先輩は生返事で頷くと、オレの手を掴んだままベンチに座った。

「あの…、離してくれませんか?」
「やだ。」
「なんでですか?」
「いなくならないように。」

すると、カノ先輩の目が何かを捉えて見開かれる。
何だろうとオレも目を向けてみると、そこにはオレが描き途中だった絵。
あのとき、逃げるのに必死で消し忘れていたみたいだ。かぁっと頬が火照るが、手を握られて拘束されているから消しにもいけない。

なら、聞かれてもしらばっくれよう。
あの幼稚園児ともわからない絵だ。きっと、分からないだろう。

「ねえ、あれ……シンタロー君が描いたの?」

早々から質問が来た。
ほら、言うんだ!違いますって!たった五文字じゃないか。

「はっ、はい……」

と、思ったが口は全く反対のことをいってしまっていた。
カノ先輩のまえだと、なんとなく嘘がつけなくてずっとついたこともなかったから、それが裏目に出てしまった。

段々と頬が火照る。
見られた。恥ずかしい。

頭を抱えたいけど、片手は拘束されていて出来ない。

「ねぇ、ちょっと来て。」
「…っ?!」

カノ先輩に腕を引っ張られて、来た場所はさっきのオレの描いた絵の前。
カノ先輩はそこにしゃがんでまじまじとそれを見ている。恥ずかしいけど、なんでこんなところに?

そう思っていたとき……

「あーーっ!!カノ先輩と如月だ!!」

オレにとっては、地獄の始まりと言える、あいつの声が後ろから聞こえた。



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