大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.150 )
- 日時: 2018/02/25 12:37
- 名前: デイズ
Said : シンタロー
カノ先輩はそこら辺にあった木の棒を拾うと、オレが描いた幼稚園レベルの絵を見る。
オレはもう恥ずかしさで、爆発寸前だがな。
「ねぇ、シンタロー君知ってる?気持ちって必ずなんらかの形に現れるって。」
「……?」
よくわからなくて、首を傾げる。
「まあ、今みたいなきみの行動を言うんだよ。ほら、分かんないから首を傾げたでしょ?」
そう言うことかと、納得した。
でも、それが一体何に繋がるんだろう。
更に、分からなくなってきた。
「まあ、そういう無意識にするものは、全部行動で分かるんだよね。でも、隠れた感情はどう?」
こちらをクルリと振り返って聞いてくる。
隠れた感情か……、それは行動では現れないよな。隠してんだから。
「さっきみたいに、行動には現れないと……思います。だって、隠そうと意識しちやってるから、無理だと……。」
「う〜ん、半分は正解。」
カノ先輩は困ったように眉を潜めると、微妙な顔で頷いた。
半分……正解か。
「まあ、隠してたとしても絶対に隠れる訳じゃないんだ。行動はまあ頑張れば、欺くことはできるだろうね。でもね、どこかで無意識に現しちゃうんだよ。隠した感情を。」
また分からなくなって、首を傾げる。
頭の中グルグルとこんがらがって、なにが言いたいのかさっぱりわからない。
「音楽とかなら、楽器の音や歌に現れるっていうし、声の高さとかもかな?あと、精神的面でとかなら、成績とか性格にも影響しちゃったりとか。なんらかの形で、隠した感情は出ちゃうんだよ。」
「あの、一体何が言いたいんですか?」
結局、考えても分からないから聞いてみた。
カノ先輩は、ガリガリと地面に何かを描いていたみたいだが、ピタリとやめた。
するとクルリとこちらに身体ごと振り返った。
「まだ、分からないかな?」
「だから、何が……」
「シンタロー君の隠した感情は、脚本に現れてるってこと。」
「……っ?!」
何故だか不機嫌そうにそう言うと、カノ先輩は持っていた木の棒を投げ捨てた。
そして、オレの手を掴み絵の目の前へとつれてかれた。
「シンタロー君のこの絵、今書いてる脚本をもとにして描いてるでしょ?保健室にいるときにチラッと内容見えたから。」
そこには、オレの絵の隣にめっちゃ上手い絵が横にあった。
カノ先輩って、絵、上手かったんだ……。
いや、今はそういうことじゃない。
「これさ、シンタロー君の絵を見て僕が再現してみたけど……なにこれ?」
そう言ってゲシゲシとカノ先輩は自分の絵を蹴りあげる。
そこに描いてあるのは、目の前の2人の男女は嬉しそうだけど、後ろにいる1人の少女は悲しそうにしている。
今、オレが書いている脚本のテーマは、三角関係。
しかも、その男子が貪欲で後ろの女の子が振り回されるっていうお話。
それにオレの感情が?
「僕、シンタロー君の望むことが出来なかったのは謝るよ。でもさ……」
ぎゅっと抱き締められる。
あまりの行動の違いに、ポカンと呆気にとられる。
それでも耳元から聞こえてくる声は、涙混じりの悲しい声になっていて。
「不満があるならいってほしいよ。さっきみたいに、爆発されたら僕も悲しいからさ。」
ギュウッと一層腕に力をこめるカノ先輩。
それに反映されてか、それともただのもらい泣きなのか、オレの目からも暖かい何かが溢れて、頬を伝った。
たしかに、最近は隠していたかもしれない。
ああやってくっつかれるのが嬉しいのに、鬱陶しいといって離れられたときが1番寂しいくせに。未だに、感情が現せられなくて、そんな自分に振り回されてイライラしてて、そして悲しくて。
一口に、2、3の感情では表しきれないくらい、色んな感情が渦巻いていた。
それに、カノ先輩は気付いてくれたんだ。
それだけで、嬉しかった。
「ごめ、ん…なさ…っ。オレ……オレ…っ!」
「いーよ。分かってくれたら、それでいいよ。」
オレは暫く、カノ先輩の腕の中で泣き続けた。
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