大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.176 )
日時: 2018/07/24 07:02
名前: デイズ

Said : セト

- 数日後 -

「セト、これ見てくれない?」
「ん?なんすか。」

キドに頼まれて洗濯物を畳んでいたら、カノが横からスマホを差し出してきた。
とりあえず、受け取って画面を見てみる。そこには、活字の文字がズラリと並んでいる。
電子書籍か?雑誌派のカノが読むなんて珍しい。

「小説……っすか?」
「そ。まぁ、読んでみてよ。」
「……?」

特に忙しい訳でもなかったし、バイトも今日は無かったので言われた通りに読んでみる。

この小説にはメインの登場人物が3人。
名前は瀬戸幸真、鹿野修斗、如月伸太である。如月伸太がこの2人の人物に攻められて、いろいろされちゃうっていう内容だ。
そして、途中で気付いた。
これ、3人とも……男だ。
ぞわわっと全身が鳥肌で粟立っていった。

「ちょっ……!なんてもん見せてるんすか!!これ、BL小説じゃないっすか!」
「ありゃ、ナシなの?真剣に読んでるから、アリなのかなって思ったのに。」
「ナシに決まってるじゃないっすか!鳥肌ヤバイっすよ!」
「シンタロー君はアリなのに?」
「シンタローさんは別っす。もう、これ返すっすね。」

カノがただ俺をからかいに来ただけかと思うと、真剣に取り合った自分がバカらしくて、言いたいことを押さえ込んでもう1度洗濯物の畳みに入る。
すると、またカノから「セートー。」とよばれる。
……まだ飽きないか。

うんざりしながらも、ゆっくりと振り返る。

「なんすか……。」
「セト、もしかして。これ、ただの嫌がらせだと思ってる?」
「それ以外に何があるんすか?」

カノは、俺の台詞を聞いては〜〜あぁ〜〜〜〜……っ、と無駄にもったいぶるため息をついた。
少しイラッとしたけど。

「登場人物の名字、言ってごらん。」
「え?え〜と、如月、瀬戸、鹿野……あ。」
「やっと気づいたか。」

してやったりという顔で此方を見ているカノ。
そうだ、なんで気づかなかったんだろう。この名前は、シンタローさんと俺とカノの3人の名前と一致しているのだ。
しかも、俺とカノがシンタローさんを攻めていて……。

何故か、かああぁっと頬が火照った。
前までならマリーのを読んでいたから、そんなになかったのに。なんだろう、なんか恥ずかしい。

「これね、エネちゃんから送られてきたの。『ご主人がこんなもの隠してましたよーっ!』てな感じでね。」
「シンタローさんが?」

これをシンタローさんが?
自分を俺とカノに攻めさせて、気持ち悪くないのだろうか。
それとも、そういう気があると言うことなのか……?

「あ、それと追伸もあったんだけど……。」

チラリとこちらを見てくるカノ。
俺は不思議で首を傾げた。

「シンタロー君、これ見てよくナニってるって。」
「……!!」

驚きで固まる。それでも、何故かフワフワとした高揚感があった。
シンタローさんが、これでナニる……。

カノはそんな俺の反応に、満足したように笑っていた。

「でさ、今日シンタロー君の家に行くけど……行く?」
「……え?」
「ついでにこの小説と同じことしてやろうと思って。」
「……!」

カノは舌舐めずりをして、此方を面白いものでも見るように笑っていた。
でも、とても余裕のあるような、揚々とした笑みだった。

答えを考えあぐねていると、向こうから聞き馴染みのある声がしてきた。

「おーい、セト。終わったか?」
「じゃ、考えてて。今日の昼までね。」

カノはそういうと、ヒラリとパーカーを翻してどこかに行ってしまった。

「まだ、終わってないのか。」
「あ、あはは……すいませんっす。キド。」
「まあ、いい。手伝うよ。」

手伝いつつも、頭はフワフワとどこかにいっていて、ボーッと上の空のままシンタローさんのことを考えていた。


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