大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.192 )
- 日時: 2018/08/14 09:22
- 名前: デイズ
Said : カノ
エネちゃんがご主人に顔を見せてください。というので、僕らはシンタロー君の病室へと向かった。その間、誰も喋らなくて張りつめた空気だけが漂っていた。
シンタロー君が奇病にかかっていたこと。
その前兆に誰も気づけなかったこと。
そして、宝石……なんとかかんとかはどういう病気かということ。
僕のなかで3つの疑問が頭の中で渦をまき、ぐるぐると回っている。
「カノ、着いたっすよ。」
「え、……ああ、そうだね。」
セトが小声でボソッと言ってくれた。そのおかげで、なんとか通りすぎずにすんだ。
考え事をしていたらそちらに意識が行って、周りの事が見えなくなってしまっていた。セトには感謝しなくちゃな。
キドが先頭を歩いていたので、病室のドアノブに手を置き、そして軽く握った。
が、その後の扉を開けるという行程にはなかなか入らない。ずっと、掴んだままの状態でフリーズしているのだ。
「キド、どうしたの?」
「ははっ……マリー、団長なのに情けないよな。なんだか、いろんなあり得ない想像ばかりが頭を過って、怖くて堪らないんだ。」
マリーが心配して声をかけると、キドは無理に笑いながらそう言った。よく見ると、キドの手はカタカタと小刻みに揺れている。
とても分かるから、なんだか黙ってしまう。その場はシーンと静まりかえってしまった。
「……覚悟を決めよう。もう、行くぞ。」
キドがそう言い、ふーっと息を吐いた。
ドアノブを掴んでいない方の手を拳で握りこみ、そのまま勢いに任せて扉を開いた。
ここの病室は個人だ。きっと、シンタロー君が奇病だから他の患者への感染のリスクを考えてなんだろう。
「シンタロー、元気そうじゃないか!」
キドが少し大袈裟なように思える演技をした。
あーあ、それじゃあバレちゃうよ。
「本当っす。心配してたんすよ。」
キドに対してセトは意外と普通。あんまり違和感がない。
きっと、バイトで接客業をしてるからかな?
「ほんとによかったよぉ〜!心配したぁ!」
マリーは半泣きになりながらそういう。
うん、この様子なら演技じゃなくて本心だ。
「ほんと、心配したよ〜。僕のシンタロー君。」
そう言って僕はシンタロー君の横に行って、肩の辺りをぎゅっと抱く。
大分滑らかだったと思う。それに、僕は嘘が得意なんだから。
「……。」
皆が話しかけたのに、シンタロー君は返事もしない。流石におかしいなって雰囲気が流れ始めた。
今のところ、僕が一番シンタロー君に近いので、よく観察してみることに。シンタロー君の目は虚ろでどこをとらえているのか分からない。口はなにかの形に動いてはいるが、言葉として発されていない。
……どうしたの、シンタロー君。
誰もが、シンタロー君のこの様子に絶望の思いにかられていた。
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