大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.193 )
- 日時: 2018/08/17 20:28
- 名前: デイズ
Said : カノ
「あっ、あれっ?!なんで皆いるんだ?というか、カノ抱きつくんじゃねぇ!!」
「わぁ〜ん、シンタロー君のいけずぅ〜!」
即興でシンタロー君に合わせたけど、正直内心では驚いていた。
あんなに不穏な感じだったのに、今は一転して何時も通り。それが、なんだか怖かった。
だって、それが病気の影響かもしれなかったから。
そのあと僕らは他愛のない会話をした。
大したことないのに見舞い来てくれてありがとな。とか、モモとエネに助かった。とか、ヒビヤとコノハも来ないのかな。とかそんな話。
それでも、自分の母について触れることは1回もなかった。
本当に忘れてしまうんだ。きれいさっぱり、その人の存在すらも。
自分で忘れた事にすらも気付かずに。
いずれ、メカクシ団の事、妹の事、恋人である僕の事もきれいさっぱり、忘れてしまうかもしれない。
僕らは変わりの無いことに安心しつつ、その病気がどのようにしてシンタロー君を蝕んでいっているのかについてばかり気にしていた。
どんな病気?どんな症状?どんな治療法?どんな対処をすればいい?
しかし奇病だから、そのような詳しいことなんて分からないだろう。
特に、治寮法。ほぼ壊滅的だろう。
一体どうすればいいんだろう。にこやかに喋りながら、僕の頭の中はぐるぐるといろんな感情が渦巻いていた。
「じゃあ、俺達は帰るな。お大事に。」
キドがそう言うと僕らは口々にバイバイとか大事にねとかまた明日とか言いながら病室を出ていった。
これで暫くは来なくても少しは覚えているだろう。
多分だけど。
病室をでて、僕は思いきってキドにいってみた。
「僕、シンタロー君の近くにいたい。」
そう言うとキドは朝に渡したあの重たいバックを僕に投げてきた。
重たいので、受け止めるときに胸に思いきり当たり咳き込んでしまう。
キドは特に気にすることもなく続ける。
「それは、シンタローの服じゃない。お前の服だ。そう言うと思って、先に用意したんだよ。」
流石キド。僕らの事はよくわかっているみたいだ。
そう言うところは本当に気遣いが凄い。
キドはポカンと見つめる僕を見て笑う。
「そんな顔をするな。ホラ、さっさと行ってやれ。」
僕は軽い返事をすると、荷物を持って階段をかけ上がった。3階だし、エレベーターを待つのは時間がかかるから。
どうか、どうか、治って欲しい。元気になってまたあの時みたいに笑い合いたい。
いつの間にか病室の前に付き、僕は思い切り扉を開いた。
続き>>194