大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【カゲプロ】カノシンばっかり【シンタロー総受け】 ( No.195 )
- 日時: 2018/08/25 22:05
- 名前: デイズ
振り返ってみると、其処には看護婦さんが居た。
少し不安そうにしていたけど、僕をみると幾分が安心したような表情を見せた。
「もしかして、お知り合いの方ですか。」
「はい。」
正直、「いえ、恋人です」と訂正したい気持ちはあったけど、そんなことをしても看護婦さんにとってはどうでもいいことだし。それに、急に言われたら困るもんね。
「それでは、此れお渡ししておきますね。病気の細かい症状とこの病室の仕様注意などが書いてあります。」
そう言って渡されたのは何枚かのペラ紙。
其処にはぎっしりと文字が詰まっていて、読みきるにはかなりの時間を費やしそうだ。
「そういえば、付き添いという形ですが、此処にお泊まりを致しますか。」
「はい、其のつもりですが。」
「でしたら、お休みになる際はベットの下に簡易ベットがありますので、そちらをお使いください。ソファで寝る方も多いのですが、何分固いので体を痛めてしまいます。」
「そうなんですね。僕も、ソファで寝ようと思ったので助かりました。」
そう言うと看護婦さんはクスクスと面白そうに笑った。
笑いがおさまってから、「失礼します」と軽く一礼して病室から出ていった。
簡易ベットがあると聞いて一安心だ。
アジトのソファでうたた寝はするけど、あっちは柔らかいもんな。
とりあえず、整理も大方終わったし此れ読んでみようかな。
「カノ。」
「なぁに?」
「ん。」
シンタロー君は片腕を僕に突き出す。
きっと、この紙が読みたいって事なんだろうけど。
「ごめん、ちょっと待ってて。」
「ん。」
少し不満そうだったけど、腕を下ろしてくれたのでまあ納得はしたのかな。
僕はざっと目を通す。
病状については表印刷の一枚だけで、後は全てこの部屋の使用注意みたいなものだった。
その紙にはこう書いてある。
** ** **
宝石涙記憶喪失病(ホウセキルイキオクソウシツビョウ)
世界でも例が少ない病気であり奇病である。
どこで感染するかは不明。感染しても気づかない事が多いので、大抵は重症の状態になってしまっているケースがほとんど。
<<症状>>
初期
・涙が流れなくなる
・物忘れが激しくなる。
中期
・体力が激減し、歩けなくなる。
・このあたりから自分の大切な人(複数人)以外の人物を忘れる。
・IQが減り、語彙が少なくなる。
後期
・目から宝石が出始める。歩けなくなって早くて1ヶ月遅くとも1年ぐらいごろにでる。宝石の色や量は様々だが、大体はその人のイメージカラーが多い。宝石が目から流れ出ると、その人に関しての記憶は全て失う。
・IQの低下と、語彙の激減。稀に喋れなくなるケースも。
・一番大切な人を忘れたとき、死に至る。
・忘れた人達の事を思い出すことは二度とない。
<<治療法>>
不明。
症状を遅らせるため頻繁に顔を会わせるしかない。
** ** **
僕は言葉を失った。
勿論病状の重さにも驚愕だったが、何より驚いたのは死が訪れるということ。
シンタロー君が死ぬかもしれない。
そう思うとドキドキと動機が激しくなり、目眩がしているかと思うほどクラクラとしてしまうのだ。
どうして君が?
ただ、そう思っていた。
続き>>196