大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.23 )
日時: 2017/11/21 22:31
名前: デイズ

said : シンタロー


「ストーカーが…、いるんだ。」
「……は?」

ちょっとした沈黙から、呆けた声を出したカノ。その表情は「意味がわからない」という表情だ。さすがのカノも冗談にしてはたちが悪いとでも思ってるだろう。
信じるとはいったから、少しはバカにするのを躊躇ってるのだろうか。
というか、なんでもいいからなんか喋って欲しい。沈黙はきつい。

暫くの間静寂に包まれたこの部屋で、視線と視線を交差させていた。


「はああぁあぁぁあぁぁああぁっっ!!??!」


と、いきなり大声を出した。それは、怒気が孕んでいて、あまりの気迫に驚いた。
ふざけんなとかそういう怒りの類いだろうか…?
分からないから、怖い。

カノはそんな俺のこと全く知るよしもなく、ずんずんと此方へ向かってくる。
怖くて、ぎゅっと目をつむると同時に、強い力で掴まれる肩。

「…ひっ!」
「それ、いつから?!どこで?!なんで?!てか、なんで言わなかったのさ!!」
「……え?」

殴られると覚悟してたのに、聞こえたのは思っていたものとは違う言葉。
目を開き、カノを呆然と見つめる。
カノの顔は怒りと共に心配や悲しみも浮かんでいて本当なのはすぐにわかった。

「カノ…信じてくれるのか?」
「信じるもなにも、そう言ったから信じるのが当たり前でしょ。で?いつからなの?」
「えっ…えっと。」

嬉しかった。
カノがここまで真剣に接してくれるなんて。何時もは、俺をいじってはバカにしたように笑うのに、今は全然違う。
そんなちょっとしたことで、深く心打たれた俺は泣いてしまった。

「って、あれ?!シンタロー君、なんで泣いてるの?!ごめん!僕が責めすぎたとかそういうので…」
「違う…。ここまで、真剣、だから…うれ、しくて…。ありがとうな。」

涙で声が掠れながらも、なんとか紡いで今の気持ちを伝えた。
カノは一瞬面食らったが、すぐに安心したように笑った。

「じゃあ、続けるよ?シンタロー君のストーカーはいつから始まったの?」
「今から、2,3ヵ月前。」
「基本的にどんなことされるの?」
「後ろからついてきたり、盗撮されたり、気持ちの悪い手紙を入れられたりする。」
「僕以外で知ってる人は?」
「エネとモモだけだ。後は、言ってない。」
「じゃあ、なんで僕にこの事について言ってきたの?」

やっときた。
俺は心のなかで、そう思った。
ずっと質問攻めだから、いつこの事について切り出そうかと、考えていたからだ。
俺はジャージのポケットから、問題の手紙を取り出すとカノに手渡す。

「その文のなかに、お前らしいやつがいたからなんだ。」

カノは暫くその文面を、穴が開くほど見つめると、ため息をついて目をはなした。
その表情は苦味が半分以上の、苦笑いだった。

「こんなものを受け取ってたんだ。そりゃ、気が可笑しくなるよね。にしても、これはたぶん僕だよ。」
「だよな。モモが昨日そう言ったんだ。で、話した方がいいってなったわけなんだ。」
「ワザワザありがとう。」

そうやって笑ったあと、カノは何回かその手紙に目を通す。
そして、暫く考えるような素振りを見せると、こちらを困った笑いで見てきた。

「これって…、キド達に言ったほうがいい?」
「いやっ…その、出来れば……言ってほしくない。皆の負担になるから。」
「……そっか。…分かった、言わないよ。」
「ありがとう。」

カノは暫く悩んだみたいだったが、俺の言葉に了承してくれた。
そんなふうにすぐに受け入れてくれるなんて、カノだからかな?少し、くすぐったいような照れ臭いような…。
何時もと違う一面が見れたみたいで、楽しかった。

「じゃ、皆のところに戻ろっか。きっと心配してるよ。」
「ああ。」

カノは俺の気持ちを考慮してくれたのか、手紙を小さく折り畳みポッケにしまうと、ドアを開けて出るように促した。
俺は先に出て、カノが後から追うように出てきた。
そして、二人とも何食わぬ顔で会話の輪へと入っていった。