大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.70 )
- 日時: 2017/12/17 07:39
- 名前: デイズ
Said : シンタロー
深紅に染まったタオルに、気がすむまで吐き続けたが、このムカムカする感じと吐き気は消えてくれなかった。
苦しくて、辛い胸の辺りを掻き毟りたい衝動にかられる。でも、動かすのもダルく、結局止めてしまう。
リビングにつくと、キドはオレをソファに寝かせ向こうへと行った。
「シンタローさん、どうしたんすか…っ?!」
「血を吐いていた。なんらかの病気かもしれん…。」
「シンタロー…、辛そう。」
セトのいつもと違う緊迫した声音と、マリーの泣きそうな声が聞こえた。
キドは内心焦っているだろうが、団員の皆を心配させないようにか、冷静を装っている。
相変わらずムカムカして、吐きそうな気分は、薄れることなくオレを絶えず苦しめた。
気持ちが悪いし、気分もわるい。
目を開けることでさえ、億劫だ。
「お兄ちゃん…っ!…うあぁ…っ!」
『ご、主人……っ!?』
モモの泣き声と、エネの信じられないという声。
段々と頭も痛くなって、殴られてもいないのにぐわんぐわんと揺れているみたいだ。
「おじさん…、大丈夫かな…。」
「シンタロー死んじゃいやだ…。」
「シンタローは大丈夫だよ…っ!……きっと。」
ヒビヤの心配そうな声、コノハの悲しげな声、アヤノの悲痛な願い。
いろんな声が聞こえた。
音が聞こえた。
でも、カノの声は聞こえない。
音も聞こえない。
悲しい、寂しい。
苦しい、辛い。
こんなになってんのに…、なんか喋ってよ。
「うぅえ…っ」
また吐き気が込み上げ、タオルに吐き出す。
口の中から微かに、鉄の臭いがぷん、と鼻をさす。
吐き出したもののなかには、血とやっぱり色とりどりの花弁。
なんで、花なんか…出てくるんだろう。
知らないうちに食べた?
いやいや、そんなはずはない。
モモの料理の中に入ってた?
いや、そもそもモモのをここ最近食べていない。
なら、違う。
なんでだろう?
意味がわからず、不安と恐怖に襲われる。
分からないって、こんなに怖いんだ。
こういうときほど、カノは毎日頭を撫でて、オレを励ましてくれたな。
今は、してくれないけど…。
また吐き気が込み上げる。
たまらず吐き出してしまう。
と、その時…目の前が水彩画に水を垂らしたみたいに歪んでいった。
そして、そのまま…オレの目の前は暗くなっていった。
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