大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: シンタロー総受け【カノシン・R18多め】 ( No.83 )
- 日時: 2018/01/09 00:32
- 名前: デイズ
Said : カノ
後ろからトボトボと歩いていたら、着いたらしくセトとキドの姿が見えた。
セトは苦笑いで、キドは不機嫌そうに腕を組ながら。
なんとなく、ここでクルッて踵を返すことも可能だけど、今の僕にはそんな元気はない。
結局、2人の待つ側へと歩み寄ってしまった。
後悔しても、後の祭り。
「じゃ、ベンチに座って話すぞ。いいな?」
キドはそう言うと、スタスタと先を歩いて行った。
僕とセトはその後ろから、付いていく形で、ベンチに座った。
「どうせ、シンタローだろ?」
「……はい。」
キドは呆れたようにため息を吐く。
「なんで、会いにいかないんだ。シンタロー、寂しがってるぞ。」
「……うん。」
キドにそう言われて、ぐさりと刺さる。
わかってるんだよ。そんなのは、痛いくらいに。
でも、なんとなくというか……行っちゃダメなような気がするんだ。
下を俯いてしまった僕の耳に、セトの声が聞こえた。
「シンタローさん、今日も吐いたんすよ。床にまで血が垂れてしまって、結構な量だったんす。」
「……。」
そんなことを聞くと、罪悪感から、押し潰されそうになる。
どう返せばいいのか分からず、黙りこんでしまう。
でも、僕とは少しは距離を置かなきゃ。
僕が吐かせちゃったから。僕が原因だから。少しは、シンタロー君を楽にさせなきゃ。
そう思ってるのに、君の容態は悪化するだけ。
なんで?
「また貧血で倒れてしまって、点滴をうってるんすよね。シンタローさん。」
セトがそう言うと、少しだけ場が静まる。
シンとそこだけ、なにもなくなってしまったかのように。静まり返る。
僕は沈黙の威圧に、また深く頭を垂れる。
「なぁ…、ここまで聞いても行かないのか?」
「……え?」
キドの泣きそうな声に驚き、顔を上げるとぐいっと胸ぐらを掴まれた。
いつの間にか、キドが前にまわっていたみたいだ。
僕の目を捉える目は、悲しげでも怒気が孕んでいて、涙が溢れない程度で溜まっている。
なんで……そんな、表情を…?
「お前、聞いてたのか?シンタローは…今、大変なんだぞ。分かっててそうしてるのか?」
「……。」
キドにそう言われて、目を逸らす。
なんとなく、合わせたくなくなった。
「お前を、シンタローは待ってんだよ!シンタロー、お前が来ないこと悲しんでるんだよ!!」
「それは、気のせいじゃ…」
「気のせいなんかじゃないっ!」
遂に泣き出してしまったキドは、耳が張り裂けそうなくらいの甲高い声で叫ぶ。
僕の胸ぐらを高く持ち上げ、殴りそうな雰囲気が出たため、セトが一旦は落ち着かせた。
それでも、気が進まなかったキドだが、セトに促されて手を離した。
僕は何故、そんなにも必死なのかが分からなかった。
だって、キドが取り乱すほどってかなりのことだよ。何があったのさ…。
「まぁ、続きは俺が話すっす。キドは、一旦落ち着いて。」
「ぐす…っ、分かった。」
セトにそう言われ、素直に従うキド。
僕は椅子に座り直して、下を見る。なんとなくだけど、下を見とくんだ。
「シンタローさん、本当にカノのこと…待ってるっすよ?」
「なんで?だって、僕がシンタロー君を吐かせちゃったんだよ。なのに、ぬけぬけとそんな簡単に行けるわけないじゃんか…。」
「ああ…なるほど。」
セトは暫く悩んで、静かに口を開いた。
「カノは、思い違いをしてるんじゃないっすかね〜?」
「……へ?」
ゆっくりとセトの方を向く。
セトの顔はさっきのキドとは違って、笑っていた。しかも、呆れたように。
「カノは、自分が原因だと思ってるんすよね?」
「うん……。」
「それは、思い違いっすよ。」
あははと笑うセト。
どういうことだ…?
「確かにカノが原因っすけど、シンタローさん…吐くとき程、カノの名前を連呼するんす。心のなかで。」
「心の中…?それって…」
「はい、盗んだので確実っすよ。」
そうやってニヤリと笑うセト。
そんな…意地悪な。2人は遠回しにそう伝えようとしたんだ。
なら、行かなきゃ。
シンタロー君の所へ。
「あれ、どこ行くんすか?」
セトに聞かれる。
僕は、笑いながら振り向いた。
「ちょっと、もうひとっ走りしてくる。」
「いってらっしゃーい」
セトとキドの視線を背中で感じながら、僕はシンタロー君の所へと急いだ。
今すぐにでも、君に会いたい。
続き>>84
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こんちは!デイズです!
この度は、こんな小説を読んで頂きありがとうございます!
今回は皆様にお知らせです!
12/26〜1/7あたりまで、インターネットが繋がらない状態になります。
この期間中は、小説の更新もストップさせて頂きます。
つまりはこれは今年最後の投稿です!
来年また会いましょう!
それでは!