大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- ココロコイシ:3 ※鬱注意 ( No.4 )
- 日時: 2017/08/12 19:03
- 名前: 八咫烏−やたのからす−
ーーーあのね、私。好きな人が出来たのーーー
ねぇ。
今にでも取り返して。返して。
私の……記憶の底の懐かしい笑顔を、ねぇ。
どうして?
なんで?
妹ばかり…。
あの子は……最後だけ泣いていた。
いつも笑顔だったのが。
『でも、あの人は私と関わるのを避けている』
『お姉ちゃんだけでも幸せになって?』
最後だけ、私に対する秘めた思いを見せてくれた。
ーーだから、私は笑っているのです。
ーーせめて、あの子がいる前では辛い時でも。
ーーあの子が幸せに、と願ったのだから。
「でも……ね。こいし。あなたの言う幸せが何だったのか分かった気がするわ」
彼女が手にするは狂気に満ちた毒牙。
***
こいしは酷く怯えていた。
姉、という存在に。
愛する者、という存在に。
だって、こいしの言う好きな人はーーーーー、
何を隠そう、
この私。
「お姉ちゃん?」
禁忌に及んだ、愛らしい妹よ。
今私がその願いを叶えてあげましょう。
私は決してあなたを見放してた訳じゃないのよ。
私は無意識にも近い状態で、早口で述べる。
そしてソロォリソロォリとこいしに近付いて、グイッと顔を近付けるのだ。
こいしは怯えていた。
顔を真っ青にして、額からダラダラと滝のように汗を流す。体を震わせているのか、近付くとカチカチカチと歯が上手く合わない音がした。
なんで?
何故なの?
私はこいしの願いを叶えようとしているのに?
「こいし。ごめんね?」
「違う、よ……。お姉ちゃん。幸せなのは..____」
幸せは……××××?
ふふっ、馬鹿げたことを。でも……流石、ね。
うふふうふふうふふと止まらずに溢れ出る笑いを堪えようとしても、気味の悪い笑みが露になるだけだった。
ーーふと、こいしに目をやると首に紫色の手形が付いていた。
これは死んでから大分時間が経っているという証。
私は妹を殺めた後、ずぅぅぅっと笑っていたんだなと分かった。
ペットには……まぁ、バレる心配も無いか。
彼奴等にはこいしを視る能力があまり無いのだから。仕方ないんだ。
***
しかし、数日後。
私の愚行は新聞紙に搭載された。
言うまでもなく、紛れもない真実。
タイトルは……『地霊殿の主、殺む。死体隠しは仕事人か?』
くくっ、笑えるわ。
殺したのでは無いのよ。
あの子が望んだのだから。
あのこが……あのコが、幸せにと望んだのだから。
私の幸せは、永遠に居られることなのよ。
誰にも見付けられぬ様にとね。
ーーしかし、例えどれだけ頭が切れようが、こいしの死体は見つけられないでしょう?