大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- カラ松が悪夢に魘される話:1 ( No.8 )
- 日時: 2017/08/16 11:35
- 名前: 八咫烏−やたのからす−
※特殊嗜好注意
※首絞めます
※悪夢のみ6つ子は全員他人設定
【カラ松が悪夢に魘される話】
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――はっ、はっ、はっ....。
絶え間無く動かす足...。何度も足をサイクルさせ、必死に前へ前へと駆け出す。
何故、俺は走っている?嗚呼、どうして俺は雨の中外に居る?
心も体も冷えきった俺に、さめざめとざぁざぁ五月蝿く音を響かせては囁いた。
「お前に味方は居ない」
誰かが囁く。耳元でぼやーんと甘く蕩ける様な、子供をあやす様な声色で静かに言うのだ。“お前に味方は居ない”と何度も繰り返し言うのだ。
そんなこと....既に分かりきっているのだと言うのに。
然し、俺は何故雨に濡れている?
何故走っている?まるで何かから逃げるように、不安気に息を荒くしては後ろを振り返る。
何も居ない。ただ雨の音だけを奏でる暗闇が其処にあった。
嗚呼、正面には乾いた心を癒すような電灯が有ると言うのに!!
暗闇がそろりそろりと近付く。
早く逃げないと。逃げなければ、あれに飲み込まれてしまう...!
それだけは避けなければならない。
でも、何故俺はそれが分かる...?さっきまでの記憶がすっぽりと抜け落ちているのにも関わらずだ。
足を止めてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁああああぁぁ!!!」
***
「おぉーい、カラ松ぅ〜?」
「....何だ?」
うぅ、と俺らしかぬ呻き声。どうしたんだ俺!!
眼に入ったのは赤いパーカーと俺らのシンボルマークである、ワンポイントの緑色の松模様。
嗚呼、これはおそ松か。そこまで視認すれば、俺はそのままの体勢で返事を返す。
何故だ、とても頭が痛い。昨日は酒でも飲んで酔い潰れたかぁ?
「もう、やっと起きた?ずっと寝てたからさぁ、もうお昼だけど?」
へらりとした何時もの笑みで兄貴は言う。
....もう昼なのか?でも、どうして俺はそんだけ寝ていたんだ?
さっきまで恐ろしく怖いものを見ていた気がするのに、それを思い出せない。
もどかしい感覚を覚えながら、ういしょ、と立ち上がる。
ズキリと頭が痛んだが気にしない。どうせ、直ぐに治る。二日酔いとか、頭を打たれたとかそんなのだろう。
「そうか...。すまないな」
俺は一言謝罪の言葉を述べて、就寝時の服から何時ものパーカーとジーンズに着替え、鏡で身嗜みチェックだ。
今日の俺もパーフェクトでカッコいいが、生憎と外に出かける気にはならなかった。
それ以上に、思い出せないもどかしさと胸に突っ掛かる恐怖に疑問を抱いた。
一体、俺はどうしたと言うのか。