大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 赤いヒーローは夢に溺れる【カゲプロ/嫌われ】 ( No.27 )
- 日時: 2018/05/15 02:16
- 名前: 如月 桃
あの後私は直ぐに救急車を呼んで団長さん達にも連絡を入れて…、お兄ちゃんを病院に運んで貰った
お母さんも呼んで、一緒に先生の話を聞いていたけど、目を覚ます確率が低いって言われて再度間違った事をしたんだって思い知らされた……
許される事じゃないのは分かってる、でもあの時信じなくてごめんね…お兄ちゃん……
「…キサラギ…済まなかった、、」
『皆さん……良いんです、私も…私が悪かったんです』
家族の、妹の私がお兄ちゃんを疑ったのが馬鹿だった。
素っ気なくても何時も何だかんだ言って守ってくれた、そんな優しいが家族にまで疑われたら幾ら何でも辛いよね…
あれから私は毎日病院に通った。お兄ちゃんが起きてるかも知れないと思って
もし、起きてなくても良いんだ…分かってるから。でももし目を覚ましたら?私はそんな期待を胸に秘めていた
『……お兄ちゃん、今日ねテスト用紙を貰ったんだ、この前言ってた数学のテスト。やっぱり点数は低かったや…、お兄ちゃんに教えて貰った時は意外と良い点取れるのになぁ……私ってば本当に馬鹿だね…』
毎日毎日、違う話題を考えて話し続けた。返事が帰って来るかも知れない、何時も見たいに笑ってくれるかも知れないって思い乍話し掛け続けた
周りに変に思われても良い、それだけお兄ちゃんに起きて欲しかった。許されなくても良い、嫌われても良い…ただお兄ちゃんには現実で生きて欲しい、そあ思っていた
『…それじゃあ、また明日も来るね』
何時もの様に面会時間ギリギリまでお兄ちゃんに話し掛けていた私はそれだけを言って帰ろうとした
「…………も…も……」
『…え?…お兄、ちゃん……?』
病室から出し掛けた足を止めて振り向いた。その時視界に入ったのは起き上がってるお兄ちゃんだった。何日も寝たきりだったお兄ちゃんは無理に起きたのか何だか辛そうにしていたけど、そんな事も知らずに私はつい抱き着いて、泣いた
「……何、泣いてんだよ…」
『ぅ…だっ、て…だってぇ……ッ』
嗚咽混じりに何とか声を絞り出した。お兄ちゃんは困った顔をしていたけど直ぐに昔私が泣いていた時みたいに頭を優しく撫でられた
そんな事されたらもっと泣いちゃうよ…、と心の中で呟いたつもりが声に出ていたらしくお兄ちゃんは「好きなだけ泣け」って言ってきたから沢山、沢山泣いた。本当はお兄ちゃんが泣きたい筈なのに……
「…落ち着いたか?」
『…うん…。……あのね、お兄ちゃん……あの時疑ってごめんなさい…!』
暫くして落ち着いた私は1度深く深呼吸をしてから謝った。許されて良い訳無いのは分かってる、それでも私はお兄ちゃんに謝りたかった
「……良いよ。気にしてねぇから」
『……え…あ、あんなに酷い事した、のに…?』
兄の意外な言葉に私は驚きが隠せ無かった。だって、私がした事は許されない事で……お兄ちゃんをここまで追い込んだんだよ…
「あれはお前等が自分を守る為だったんだろ?なら仕方ねぇよ」
お兄ちゃんは笑ってそう言っていた。……“目”以外は笑っていた
起きたばかりだから無理に笑ったのかな?なんて私は思っていた
あれから数日後、お兄ちゃんは再びメカクシ団の1人に戻った
お兄ちゃんが戻って以来皆は良くお兄ちゃんと話していた。皆お兄ちゃんに笑って欲しくて色々な話題を考えては話してて、その度にお兄ちゃんは楽しそうに笑っていたけどやっぱり目だけが笑って無かった。それで私は確信した
__お兄ちゃんは私達を許して無いんだと
許して無い所か信用して無いとも思った。普通はそうだよね、仲間だと思ってた人達にいきなり知らない事で責められて精神的に追い詰められたから……信用されてると思う方が可笑しい…
きっとお兄ちゃんにはもう、あの頃のお兄ちゃんは居ないんだ
……ごめんなさい、お兄ちゃん…
−END−