大人二次小説(BLGL・二次15禁)

◆カラトド ( No.4 )
日時: 2017/09/12 20:13
名前: 行廼屋 ◆Z/gydMi1QM
参照: 修正×1

「と・ど・まぁつ〜」
「煩いよカラ松兄さん」
「黙らないと顔に熱湯ぶっかけるからね」
「えっ、ちょっ、ごめん、すみません」


 何時も通りの日常。和気あいあいとした雰囲気を保ち漂わせる居間。
其処に、松野家の次男:松野 カラ松(通称カラ松)と松野家の末っ子:松野 トド松(通称トド松)が大体何時もの定位置に居座っていた。
 カラ松は青いつなぎ服の下に黒い服を着用し、金色の様な色のネックレスを小物として身に纏っていた。軽く腕を交差させて緩く組み嬉しそうな弾ける笑みを浮かべて、トド松の方に頭を向け畳の上にごろんと遠慮無く寝転ぶ。しかし身長の関係で、足を少し折り曲げていて膝を低く立てている。対するトド松は白い半袖のシャツに裾が数回折り捲られたジーンズを着用してきて、その細い腕にはピンク色のアクセサリーが通されている。角張っていない、丸い机の端にちょこんと左肘を置いて大胆に胡座をかいて座り込んでいて、カラ松を見下す形となっている。又、トド松から見て右側の机上には愛用の携帯がポツンと置かれていた。

 カラ松は愉しそうに目を瞑り、その凛々しく太い眉をピクピクと刺激を受けるかの様に動かしながら口角の上がる大きな口を開き、図太く低い声を喉奥から発する。その調べは愉快で弾む様な声音とリズムであり、自身の弟であるトド松の名前を紡いでいた。その途端、傍でどうでも良さそうに無視していたトド松がピクリと苛付いた様に大きく眉をひそめ眉間に皺を寄せた。そして直ぐ様、呆れの色が差しこむ冷めた白い眼差しをこれでもかという位冷水のシャワーの様にカラ松に浴びせつつ、トド松の手はおもむろに動き始め机上に置かれていた熱湯入りのポットの頂点、所謂中のものを出す時に押すボタンにゆっくりと置かれる。瞬間、嫌な予感がカラ松を支配して嫌ぁな汗が一筋、チョロチョロと遠慮する様に背筋を這った。
 __ジョロロロロロロロ……。
カラ松の心情など蚊帳の外。何かを押す様な音がした直後、水の流れる音と水と水とがぶつかり合う音が聞こえれば直ぐに互いに交差して合奏の様に混じり合った。カラ松が目を薄く開き視線を上にウロチョロと彷徨かせれば仄かに白い煙が上がっているのが見えた。その下には硝子製の透明なコップ。白い煙の様なものは湯気だ。そこまで辿り着くのに約15秒。カラ松は、微睡みの笑みから焦った様に目をカッ開けばタラタラと額から全身へ生汗を滲ませていく。しかし、カラ松がそんな状態であろうが、トド松はこの状況下に置いては恐怖しか湧かない無表情であり、その大きく黒い瞳をジロンと下に下ろせばジーッとカラ松を見つめ容赦なくそのいたたまれないものを見るかの様な視線を突き刺すのであった。


「あっつぅぅぅぅぅいッッ!!」


 カラ松の顔面に思いっきり掛かる高温の無色の液体――熱湯。掛かって約2秒後に触れた肌が次第に赤みを帯び、時間が経つにつれて赤みがどんどん増していき痛々しい様な肌色になっていった。肌から微かに湯気を飛ばし未だ熱い水を無我夢中までに辺りに振り散らしていき、畳は水分を吸収し濡れていく。カラ松のいつもより数トーン甲高く悲痛な叫びが居間を越えて家を支配した。
 先程までそれが入っていたそのコップの面は白く曇り、曇り硝子の様に向こう側がよく見えず滲んで見えた。



   【カラトド/調子に乗りゃ食われる】