大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【文スト】芥敦ばっかり【敦総受け】 ( No.11 )
日時: 2018/08/18 08:27
名前: デイズ

Said : 敦

「元はと云えば、太宰さんと中也さんのお二人の所偽ではないですか!僕、何度も心が折れて仕舞いました!!」

何かが切れたのか、芥川のキャラクターが少し崩壊している。
怒りの矛先を更に尖らせて、其れをとても速い速度で突き刺した位の鋭さを彼の二人に向ける。
ちょ、一寸落ち着かせないと。

「あっ、芥川。一寸、落ち着いて……。」
「落ち着いていられるか!愚者め!!彼の様な扱いを受けたら、タフな貴様も心が折れるぞ!!」
「扱い……?」
「ふんっ、其の様な事の無い貴様には判らぬ。」

そっぽを向いて仕舞った芥川。
一寸、苛ついたけど此処迄取り乱す姿にも驚いていた。

「まあまあ、芥川君。落ち着いてよ。」
「……。」

彼の太宰さんにすら、目を合わせないで全然違う方向を向いている。
芥川が太宰さんを無視するなんて……。一寸した異常を感じた。

「ポートマフィアと武装探偵社。本当は敵対し合う組織の連中が、恋心でくっつきあう事は本当は禁忌に近い。其れは、判るね?芥川君。」
「……。」

未だに沈黙を続ける芥川。
然し、ぶすっと拗ねていた様な表情は少し和らいだ様な気がする。

「私と中也が其々の組織に暴露しても、其の程度で済んでいる。本当なら、情報の受け渡しとか色々と問題があるから、消されるか縁を切らすか……残酷な手段を使ってでも離れさせようとする。立場が危うくなるからね。」
「……。」

太宰さんを未だ見ないけど、顔が少し傾き表情が見えなくなってしまった。
一体、芥川はどんな事を考えているのだろう。

太宰さんはふぅ……と困った様に息を吐き、中也さんの方へ目配せした。中也さんはギロリと睨み返すと、僕の方へ向き直った。

「おい、敦。手前ェらにそんな事はあったか?自分の身が危うくなる様な事が。俺らが暴露したたった少しの間だが。」
「いえ……、全く。」
「だよなァ?」

中也さんは僕の答えにやや被せる様にそう云い、太宰さんに顎で示した。

「判ったかい?如何してあんな扱いされるのか。」
「……はい。」

ずっと無言だった芥川がやっと太宰さんの問いかけに答えた。
少し掠れた低い声だったけど、怒っている様な声では無かった。

芥川は太宰さんの元を離れ、ゆらゆらと躯を揺らしながら僕の方へ近付いてくる。
え……、何々何々っ!?
急な事に戸惑う僕を無視して、芥川はどんどん近付き遂には目と鼻の先迄来てしまった。

「……人虎。」
「なっ……、何?」
「抱かせろ。」
「はぁっ?!」

お前こんな所で何云ってるんだよ!此の色魔!!
中也さんと太宰さんも居て、しかもこんな公衆の面前で……漠迦じゃないのか!?

「ひゅえっ?!」

するりと芥川の手が後ろへ回り、背中を撫でるように動かす。
やっちゃうのか?矢っ張りやっちゃうのか?!こんな所で!!

と、思っていたらぎゅっと力を込められ、僕と芥川の躯が密着した。
え……、抱かせろってハグって事?

「嗚呼……、もう。紛らわしいんだよ。」
「……何だ。」
「否、何でもない。」

変な勘違いをしていたのが恥ずかしい。流石の芥川もちゃんと(?)其処ら辺の事は判っているみたいだ。

「……貴様、意外と善い匂いがする。」
「……然っか。僕も、芥川の匂い好き。」
「好きとは云っておらぬ。善いと云っただけだ、勘違いするな。」
「煩いな、殆ど同じじゃないか。」
「違う。」
「同じ。」

変な言い合いをするけど、お互いに抱いている手を緩める事はなかった。
君の匂いが鼻孔を霞め、密着している所から服越しに伝わる体温、聞こえてくる呼吸の音、頬を擽る君の柔らかい髪の毛。全部が、近くにいるんだ抱き合っているんだと実感出来る。
其れに抗いたくはなかった。

何時の間にか太宰さんと中也さんは何処かへ行って仕舞った。
其れに気付いても、僕らは暫くそうしていた。


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