大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【文スト】芥敦ばっかり【敦総受け】 ( No.4 )
- 日時: 2018/08/03 04:43
- 名前: デイズ
Said : 敦
「あ、彼のぉ……芥川さん?此れは一体如何してなのかな?」
「愚者め。其れを着ろと僕は云っておる。判ったなら、迅速に行え。」
「いやいや、待て待てっ!此れ着ろって無理だからっ!」
もう何度目かの「愚者」の言葉を聞き流しながら、芥川に渡された服を突き返す。少し不服そうだったが、直ぐに戻して呉れたのでほっと胸を撫で下ろす。
今、僕らは近くの洋服店に来ていた。(因みに芥川の行き着けらしい。)普通の洋服店って感じで、ふわりと新品な服の匂いが鼻孔を霞める。と云っても、此所は男物の衣服の場所じゃないのだ。だから、此所に大の男が二人居るだけで奇怪な目に曝される訳であって。
然し、当の芥川は無視。するすると羅生門を伸ばして、又何らかの衣装を取って来たみたいだ。
いや、何でこんな事で異能を使うんだよ。面倒臭がるなよ。
「此れは如何だ、人虎。」
目の前に突き付けられた服は、フリフリの白いフリルがあしらわれた爽やかな青緑色のスカート。そして、可愛らしい薄紅のリボンがきゅっと結ばれた薄黄色のブラウスであった。
僕の性別をちゃんと認識しているのであろうか。
先程から此の様な調子である。
「……せめて、性別は合わせて欲しい。」
「何を云っておる、貴様にお似合いではないか。性別等其の様な些細な事は関係あらぬ。」
「……。」
駄目だ。怒りを越えて、呆れしか出てこない。そんなに僕に其の様な少女の服を身に包んで貰いたいのか。彼奴、頭大丈夫かな。
「疾くしろ、時間が無駄には出来ぬ。」
「……判ったよ。」
取り敢えず受け取り、試着室に入りカーテンを閉める。
此れ、着ないといけないのか。女装なんて一度も経験した事がない。したがって、一抹の不安に駆られる訳であって。
頭の中がぐるぐると回って酔いそうになる。其れでもなんとか堪えて、上のシャツとズボンを脱ぎ下着の姿になった。先ずはブラウスから手に取り、袖を通す。フワッと花の様な優しい香りがした。
次にスカート。此れは膝上位の其処まで丈は短く無かった。
そして、ご丁寧にも胸パッドに僕の髪色と同じ鬘が在った。長さは肩に軽く懸かるぐらいだ。
其れもちゃんと身に付け、試着室のカーテンを引いてみると可愛らしい桃色の靴が揃えて置いてあった。僕の靴は無い。つまり、此れを履けって事か。
癪に障りながらも、此れの他に履ける物が無さそうなので、仕方無く履くことにした。
試着室を出て少し右を向くと、芥川が此方に背を向けて待っていた。
意外と純粋なんだな。
芥川の肩を叩き着替え終わった事を伝える。
芥川は此方を振り替えると、ほぅ……と感嘆の息を漏らした。
「驚いた。中々似合っている故驚きが隠せぬ。人虎、似合っているぞ。」
「あっ、そう。」
嬉しそうにする芥川とは反対に僕は不機嫌だった。
だって、此の様な服を着させられ、似合いたくも無いのに似合うと褒められる気持ち。何れ程の屈辱なのか芥川は判っているのか。
苛々とする感情を飲み砕く。
「さて、行くぞ。」
「何処に?」
「何処かだ。」
又、答えになっていない答えを返された。
心なしか、芥川の歩みが少し浮わついており、先程より早足な様な気がするのは、気のせいだろうか。
続き>>5