大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【文スト】芥敦ばっかり【敦総受け】 ( No.5 )
- 日時: 2018/08/04 07:42
- 名前: デイズ
Said : 敦
僕は芥川の腕に掴まりながら、じっとりと嫌な汗を掻いていた。何故、此所なのだろうか。
足が少しガクガクと頼り無さげに小刻みに揺れるのは、きっと気のせいだ。
「芥川……、なんだよ此所。」
動揺の隠しきれていない震える声でそう問う。
だって、絶対此所。僕らには場違い過ぎて怖いもの。
この店は全体的に薄暗い。天井には銀色の球体があり、其れが赤、青、黄、緑、橙いろんな色彩が光となってキラキラと輝いている。その光はその球体だけでなく薄暗いため、床にも机にも椅子にもカラフルな色が行き交っている。又、煩い程に鳴り響くギターが特徴的な音楽。確か、ロック……だっけ?其の様な音楽がながれ、低音の音がお腹にぐぅんっと響く。
なんだよ此所。
「其れ位、己で検せ。」
「いや、其れでも限度があるよ!此所何なのさ!」
「ふん、餓鬼め。此所は、大人の店だ。」
「なら未成年を此所に連れて来ないで呉れますぅ?!」
こいつ、突っ込む所が多すぎて吃驚したじゃあないか。
何が、大人の店だ。そうとなれば、せめて齢は二十を越えていないと行けない。僕はまだ十八。まだまだ未成年真っ只中だ。
「大丈夫だ人虎。貴様の今の見た目は、若干二十に見える。」
「だから何?!もう僕帰りたいンだけど!!」
「煩い。なら、誰かに話し掛けられようとも口を開くな。判ったな。」
又、文句を云おうと口を開く前に、芥川が前に足を進めてしまった。なので腕に掴まっていた僕は、引っ張られる様にして連れていかれてしまった。今更後悔しても後の祭りなので芥川が云うように、僕は口を固く結んだ。
誰とも喋るもんか。
「っ!!」
僕は思わず足を止めた。だって、其所には居てはいけない。
……いや、会ってはいけない人物が目の前のカウンター席に座っている。
芥川は怪訝そうにしながらも、僕を半ば引き摺るようにして歩みを進めた。其れと同時に、其の人物とも距離が縮まっていく。
お願いだ気付かないで呉れ。其のまま、通り過ぎて仕舞え。
「誰かと思えば手前ェか。芥川。」
「お疲れ様です。中也さん。」
僕の願い泡沫の如く、さぁっと消えていって仕舞った。
まあ、この近さで気付かないわけが無いか。まさか、其れを狙って此所に来たんじゃ……?
聞きたいにも声が出せないため、じっと待つ。
「其れが手前ェの女か?」
「然り。流石中也さん、お判り頂けましたか。」
「お判りも何も、判り安過ぎるンだよ。其れにしても、彼女中々身長あるな?」
「いえ、ヒールを履いているので少し高めに見えるだけです。」
「嗚呼、そうか。」
中原さんと着々と会話をする芥川。僕は僕で気が気じゃなくて、早く終わらないかと焦っていた。
其れでも、芥川って敬語喋れるのかと少し違うところにも注目が行く。
多分、現実逃避の一つ何だろうけど。
嗚呼、早く終わらないかな。
すると、途中で中原さんが此方をジーっと見つめていることに気付いた。
なっ、何なんだ。
「なぁ、芥川。」
少し重々しく口を開いた中原さん。なんだか、気まずそうな雰囲気が流れる。
「手前ェの気分を害したら悪い。そいつ、探偵社の虎に似てはいないか?」
中原さんの鋭い視線が僕に突き刺さる。
不味い、バレてしまった。
続き>>6