大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【文スト】太中R18*中也受け 他 ( No.125 )
日時: 2019/10/21 22:56
名前: うさぎ

おわあああスゲエ・・・
もうかわいいんですけど!?
話が変わりますが、私は実はうさぎじゃなくて
「そよか」といいます。
間違えて昔使っていたのを書いてしまいました。
私も今カキコで小説書いてるんですが、同じ二次小説です。
進撃の巨人を書いています・・・
そよかです。
良かったら見てください。
そして文章力を分けてください。
乱歩さん誕生日おめでとうございます。

Re: 【文スト】太中R18*中也受け 他 ( No.126 )
日時: 2019/10/21 23:36
名前: 枕木

ガチャッ

パチッ

「!?」

鍵を開けドアノブを回したところで、突然中からドアを開け放たれた。バランスを崩し前のめりに倒れた乱歩が誰かに受け止められる、と同時に電気がついた。
驚きはしなかった。掴んだドアノブに引っ張られた途端、この結果は予想できたから。そして、犯人も判っていた。
なんなのこいつら、今日は……

「なんのつもりなの? 太宰、素敵帽子君」

怒って乱歩が云うと、「あれ」と頭上で不思議がるような声がした。

「乱歩さん、判ってなかったんですか?」
「マジかよ。あんだけ云やあ、判ってると思っていたが……」
「だから、なんのこと!?」

いい加減はっきり云ってよね! と乱歩が身を起こし、太宰と中也を睨み付ける。二人はきょとん、とし、それから、ああそうか、と微笑んだ。
乱歩は、未だ判っていない。気づいていないのだ。乱歩は、あまり日付に頓着はしない。

「乱歩」
「乱歩さん」

二人の声が、重なる。二人は、まだ判らなくて目を瞬かせる乱歩をみつめ、云った。愛をこめて、やさしく。

「「誕生日、お目出度う」」

……そう。今日は、江戸川乱歩の誕生日である。

*  *  *

「いやあ、今日は、乱歩さんの為にディナーを用意したので、お腹を空かせておいてほしかったんです! 何時も乱歩さん、おやつでお腹一杯にしちゃいますから」

居間に入り、真っ先に目に飛び込んできたのは広くはないちゃぶ台の上にところ狭しと並べられた豪華な料理たちだった。ハンバーグ、オムライス、グラタンといった子供が大喜びするようなメニューばかりだが、乱歩は一瞬にして糸目を開き、その瞳を輝かせた。

「……これ全部、作ってくれたの?」
「はい、腕をふるって♪」
「おい太宰、手前が作ったみてェに云ってんじゃねェよ! 手前は皿並べただけだろうが!」
「献立考えたのは私ですぅー。君はその通りに動いただけの無能でしょ? さあ乱歩さん、私の愛のこもった料理を……」
「んだとコラ手前!! 実際作ったのは俺だ! 乱歩が口に入れんのは俺が作った料理……」

乱歩という男を愛する男二人が互いの間に火花を散らす。が、当の乱歩は誰が作ったか誰の愛がこもっているか、などどうでも良かった。ただ、美味しそうなご飯のいいにおいに心を踊らせていた。二人の言い争いなんて聞こえていないかのように、二人にくるりと向き直り、そして、ぴたりと静止した二人に満面の笑みで……

「二人ともありがとう! すっごいおいしそう!」

と声を弾ませた。
固まった二人に回れ右をし、ちゃぶ台まで駆けていって、ちょこん、と座り、ぱちんっと手を合わせて「いただきます!」と叫ぶと、スプーンとフォークを手にとって嬉しそうに料理を口に運んでいった。
「おいしい〜♪」と子供のように笑う乱歩を見た瞬間、太宰と中也は「ぐはっ」と吐血した。そんなことは何も知らずに頬いっぱいに料理を頬張りもぐもぐと口を動かす乱歩、罪深き男は、愛で世界を救ったのだった。

Re: 【文スト】太中R18*中也受け 他 ( No.127 )
日時: 2019/10/22 05:18
名前: 枕木

二人が負ったダメージが回復するころには、乱歩はもう食事を食べ終えていた。ぱちんっと手を合わせ、

「御馳走様でした!」

と元気よく云う姿にもうめく二人だったが、振り返った乱歩を見て、中也はポケットからハンケチを取り出した。

「乱歩、口のまわりソース付いてんぞ」
「ん〜?」
「ほら、拭いてやるから動くなよ」

中也はハンケチで、乱歩の口のまわりについた茶色いソースを丁寧に拭き取った。そして、反面に折り返し、乱歩の唇をそっとなぞった。乱歩は目をぱちくりさせる。

「……? ありがと、素敵帽子君」
「ん」

と返事をしながらハンケチをポケットに仕舞おうとした中也だったが……

ガシッ

その手を掴まれた。掴んだのは勿論、にっこりと黒い笑みを浮かべた太宰である。

「ちゅーやくーん? どさくさに紛れて今、なにしたのー?」
「なんもしてねェよ離せ」
「嘘吐かないでくれるかなあ!? 今、乱歩さんの唇もらってったよね!? そのハンケチ、ナニに遣う積もりなのかな??」
「どうもしねェよ変な妄想すんじゃねェ屑!!」
「じゃあそのハンケチ頂戴よ、絵柄割と好みだからっ!」
「はァ!? 誰がやるか、散々人の趣向否定しといて都合のいいときばかり……大体手前はァ……!」

乱歩は自分の為にこの端から見たら下らない争いが繰り広げられているとは露知らず、大きな欠伸をした。

「ん〜……」

眠そうな目を擦り擦りしている乱歩を見て、二人はハッとした。

「乱歩さん、ケーキもありますけど、明日にしますか?」
「ぅん……」
「贈呈品もあるからな。明日渡すことにするか」
「ぅん…………」
「じゃあ私今夜は泊まらせてもらっちゃおうかな!」
「ああ”!? なにほざいてやがる、それなら俺も……」
「ねえ」

こっくりこっくりしていた乱歩だったが、二人を手招きした。
一旦休戦し、誘われるまま、乱歩に顔を寄せる二人。ちょいちょい、と合図されて、耳を傾ける。乱歩はその二人の耳に口を近づけて……

「ありがとう、だいすき」

目を見開いて二人が乱歩を見ると、乱歩は目を伏せ、頬を赤く染めた。

それだけで充分だった。二人は見事にK.O.を決められ、乱歩ごと倒れこんだ。乱歩はどさっと畳に押し倒され、成人男性二人の体重をかけられた。

「うわっ、ちょっ……!?」
「あー、ほんと手前って奴は……」
「とんでもないですね、乱歩さん」

はあー……と長く溜め息を吐き、けれどそのあと、二人で同時に、きょとん、としていた乱歩の両頬にキスをした。

「生まれてきてくれて有り難うな、乱歩」
「これからもよろしくお願いします、乱歩さん」

「っ……うん」

真っ赤になってしまった乱歩にくすりと笑い、二人は目を閉じた。今日は張り切っていたのだろう。乱歩も元々眠気に襲われていたため、二人に誘われるようにして目を閉じた。

その夜、太宰と中也は乱歩を守るようにして、乱歩は二人に守られるようにして、眠った。

翌朝、早く起きた太宰が乱歩を襲おうとして中也に殴り飛ばされ乱争が再開したのはいうまでもない。

でもね、乱歩さん。全部、貴方を愛しているからこそ、なんですよ。
いつか気づけよ、鈍感名探偵。


ハッピーバースデイ、可愛い名探偵さん。


えんど