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ちゅ、と口づけされた。
目を開けると、目の前に微笑んでいるヤツがいた。
はあ、と溜め息をつく。日付が変わったことを示す、時計のメロディが聞こえた。

「忘れてんのかと思ってた」

忘れるわけない、とヤツは微笑んだ。
愛し合って、7ヶ月。初めて迎えた誕生日は、いろいろ感慨深い。
1ヶ月ごとに、１日ごとに、いろんなことがあって、本当に目の回る日々だった。
まあ、でも。

「これからも……よろしくな」

もちろん、とヤツが頷き、もう一度口付けてきた。目を瞑る。暖かさが胸に広がった。

なんだかんだ、こいつと一緒にいた今までの時間は、幸せだった。

現在進行形の幸せだ。一番愛しい人と迎えた誕生日は、泣きそうなくらい幸せで。つーか、本当に泣けてきた。
ヤツは、泣き虫。と笑って俺の涙を拭った。うるせーよ、と返して、その頬に触れる。
ヤツは、とびきりの笑顔で、言った。


4月29日
「Happy Birthday,中也」