大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【文スト】太中R18*乱歩・中也受け ( No.45 )
日時: 2019/05/19 21:03
名前: 枕木

小ネタ詰め
〜中也くんに壁ドンして告白してみたよ!〜

*森中*

ドンッ

「中也くん、昨日は素晴らしい活躍だったね」
森がにっこり笑って云う。
まだ何が起こっているか判らない中也は、取り敢えず顔を伏せた。迫られ過ぎて御辞儀もできない。
「ありがとうございます」
「うん。ご褒美をあげよう」
「そんな、大したことは……」
「いいから受け取っておきなさい」
「……それでは、有り難く」
中也は、心の内で首をかしげる。昨日も何時も通り敵を殲滅させただけだが。何か特別な事はしただろうか? 何かあったかと昨日の任務の事を思い出してみる。そういえば、相手に一人異能力者がいて、不意を突かれて服を溶かされた。首領に見苦しい姿を見せてしまったと反省していた所で、首領に呼び出された時はその失敬を責められるかと思ったのだ。そうではないことには、取り敢えず安心する。
「目を瞑りなさい」
「はい」
云われた通り目を瞑る。
その数秒後。顎に指が触れた。
ん? と目を開けた瞬間。
「ッ……!?」
唇を塞がれていた。
何が何だか判らなくて混乱している中也の腰に、森の手が回る。中也は後退しようとしたが、壁にはばめられた。
暫くして唇が離れる。目を白黒させている中也をそのまま抱き寄せ、森はにっこり笑った。
「あんな無防備な姿を見せられては敵わないね。君には、私の夫人になってもらおう」
「…………は?」
思わず呆けた声を出す中也。その頬が徐々に紅く染まってゆく。
「え……ぼす……がおれを……?」
「愛しているよ、中也くん」
もう一度唇が重なった。

これが、世界一幸せなポートマフィアの誕生だった。

*敦中*

ドンッ

「あ? 何だ、人虎か」
「今晩は、中原さん」
中也の眼前でにっこりと微笑むのは、探偵社の人虎だった。疲れてふらふらと夜道を歩いていたら突然視界の端から白い影が飛び出してきた。疲弊していて、取り敢えず飛び付かれるままに壁に押し付けられ、改めて月光で照らされた其の顔を見てみたら敦だった、という次第だ。
「大丈夫ですか? 疲れてますね」
「あー……まあな」
「疲れてたから抵抗しなかったんですか? 僕じゃない敵だったらどうしてました?」
「んな簡単に殺されねェよ。つか、手前が心配することじゃねェだろ」
「……そうですか」
敦の、紫がかった琥珀色の瞳が細められる。中也は其れにも気がつかない程疲れきっていた。こいつも強くなってるみてェだし、少しばかりは任せてもいいかもしれねェな……なんて考えて、中也はとん、と敦の肩に額をのせた。敦は驚いて、僅かに体重を乗せてきた中也の肩を抱く。
「中原さん?」
「わり……疲れてんだ……」
直ぐに中也に眠気が襲ってくる。こんなことしていいのだろうか、という正常な思考が微かによぎる。敵に身体を預け、意識を手離すなど。此れが敦じゃなかったらどうしていただろう。……眠気を必死で払い、自力で家に帰っているだろうな。では、どうしてこいつにはこんなに許してしまうのか。ぼんやりと考えたが判らない。それより、眠たい……
「矢っ張り、隙だらけじゃないですか」
敦が叱るように云う。そして、そっと、中也を抱き締めた。半分程意識の飛んだ頭で、中也はその言葉を聞いていた。
「こんな中也さんも守れるくらい強くなりますから。……そうしたら、僕の家族になってくれませんか、中也さん」
中也さん……?そこにひっかかって、中也は重い瞼を開いた。中也はもう眠ったとばかり思っていた敦は、言葉を続けた。ずっと仕舞っていた言葉だった。
「好きです、中也さん」
中也が目を見開く。眠気は飛んだ。
すっ、と起き上がる。敦は硬直した。
「今……何て云った?」
敦の胸の中から敦を見上げそう問うた中也の頬は、ほんのり紅く染まっていた。

今宵芽生えたこの恋を知っているのは、夜空に浮かぶ月だけだった。