大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 文豪ストレイドッグス【福乱】【r18/BL】 ( No.12 )
- 日時: 2019/06/03 11:46
- 名前: だらく ◆nI0A1IA1oU
福乱でケーキバース〜【ある日を境に】その2
ケーキバースとは、とある外国発祥(とっくにはっしょう)、その多くが精神的なストレスによるものの後者と生まれながら甘さのみが感じられない人の前者がある......所で何故、私が説明をしなくてはいけない.....ん?乱歩が知りたがっている?誰が乱歩に言った......?教えないと言うのならば私が社の一人一人に問いただすとしよう
春野、今すぐ洋菓子を手配し乱歩にやってくれ、私は出る...一人一人軽く締めに行くだけだ、すぐに戻る
ーー
同時刻、探偵社内では変わりない職務を皆が皆、業務に勤(いそ)しんでいる
二人を除いては通常通りと云っても良いほど変わらない日常風景がそこにはあった
通常通りじゃない二人のうち、一人は朝から疲れきったようにぐでーと机に突っ伏し気だるそうにふとしたら直(す)ぐにでも眠りに落ちてしまうほど疲弊(ひへい)していた
その者は自分で適当に切ったような不揃いの短髪に睫(まつげ)の長い切れ長の開眼していたら吊り目になるが今は糸目がちの眼(まなこ)に、やや幼い顔立ちをしている彼は江戸川乱歩、先程社長の福沢が和菓子を乱歩に取っておくように春野に告げるほど社長が一番に気に掛けている本人だ
乱歩は頬を冷たい机に押し付けたまま、徐(おもむろ)に口を開けると
「あ〜......何かもう疲れた......一部の人の視線が僕に集中してるとか......僕が名探偵として有名になるのは一向に構わないんだけど、何かそれとは違う気がするんだよねえ......敦(あつし)、これどう思う?」
不満そうに唇を尖(とが)らせながらもやや斜め横に居る少年に、何の前触れもなく聞く乱歩からしてみれば何となくでただ自分の近くに居たのが、敦と呼んだ少年だった。それだけのことでこの質問に意図や深い意味は何もなかった
だが、聞かれた敦は朝から乱歩と同じか乱歩以上に疲弊している中、ぼーーっとした頭で、乱歩の不満そうな声を言葉を耳にして、僕と似たような目にあってるなあなんて思いながらも立ち聞きのようなことをしていたのもあって
「は、はいっ?!え、僕に振られてもと云うより........僕も実のところ、似たような目に合っていて、一部の人に獰猛(どうもう)な目で見られてて......しまいには........だから、その体中が痛くて此処に来るのが......ってそうじゃなくて!えっと、すみません、乱歩さんのお役に立てなくて......正直なところ...僕が知りたいなあ、なんて....あははっ」
やけに上擦(うわず)ったような声を上げて持っていた書類を驚きからか床にばらまいてしそうになるのを何とか持ち直して聞かれてもないことを混乱した頭でそう言うが、言っている内にやけっぱちになったのか乾いた笑みを浮かべて乱歩を見る
「....ふーん、昨日からか......まあ、お互い様...嗚呼、違うね!僕の方がマシだ!何たって僕はまだ被害を受けていない!あの目は君が言うように獰猛な眼差しで僕を見た時は本当に気持ち悪かったけど、それが____だったら全然気持ち悪くないし君のようにはならないからね!」
聞いたのにも関わらず、どうでも良さそうに返すがちらりと開眼している目で敦を数秒見てから再び何時もの糸目になるとまた口を開き、最後の方肝心な部分は濁(にご)して何かを得心したようにつらつらと言い放ち、顔ごと敦の方を向ける
「ふへ!?え、あ、何もないですよ?!昨日は何もなかった、あんなことは....!と云うよりも思い出したくもないです、昨日のこと全て!.......嗚呼、そうですね、乱歩さんの方が被害受けていない時点で大分マシですよ.....僕なんか身も心もずたぼろにされた思い....ですからね、嗚呼、忘れたい....」
あわあわと何かを得心したような言い方をする乱歩に片手に書類を持ってから手を前に出して、身ぶり手振りしながら否定して何とか確信させないようにするも被害を受けてないと云う言葉に隠しきれず、そんなことを愚痴のように溢しよっぽど忘れたいのか頭を抱えるようにして項垂れた
「あ〜あ、君もう僕に答えを言っているようなもんだよ?そう云うのをこの僕に隠したいなら冷静にか頭を空(から)にして受け答えしなきゃ...嗚呼けど、そんなにひどい目にあったんなら与謝野(よさの)さんの治療が必要になるね、内側が色々痛いんでしょ?....僕が呼んでこようか、直ぐに来ると思うよ?」
項垂れた敦を開眼していない眼で見て、しょうがないなあと云うようなニュアンスで言っていれば、ふと敦に近寄る女性に気付いてそれを含めた上で敦にそう聞く
「うう、以後気を付けます!そ、それは、そうなんですけど!!で、出来れば遠慮し....っ」
自分の言ったこと後悔したように言っている途中で敦の肩に後ろからぽすんと手を置かれて、肩に置かれた手を見て明らかに男性じゃない女性の手に敦は血の気がなくなるような感覚を覚えながらも恐(おそ)る恐る後ろを振り向く
乱歩が名を口にしていた与謝野女史だった、乱歩は此方に来る与謝野さんにも聞こえるようにまた敦の反応を見るためだけに言っていたのだ
彼女は与謝野晶子(あきこ)という名で、探偵社専属の医師。三度の飯より手術や解体を好んでいるが故に敵よりも寧ろ身内から恐れられている
そんな与謝野女医(せんせい)が敦が向いた途端に、にやりと笑みを浮かべて
「へえ....敦、怪我しているって?見たところ外傷はないようだけど、乱歩さんが言うなら内部の方だねえ、遠慮しないで良いからねえ、敦?大人しく妾(アタシ)の治療を受けな」
そう言う与謝野女医は、心配から言っている訳じゃなくただ解剖と手術が出来るこの好機を逃さないと云わんばかりに笑いながら威圧をかけつつ、敦に肩に手を置いたまま問う
「あ......は、はい、お願いします......与謝野女医」
さーーっと顔色を変え、青ざめた顔で消え入るような声で何とかそう言って、項垂れながらも与謝野女医に首根っこを捕まれて引き摺られる形で手術室に連れてかれる
「........、....」
その光景を止めることなく開眼したつり目で二人が視界から外れるまでぼーーっと眺めてからゆっくり目を閉じて、ぽつりと
「........何か本当に疲れ、た....」
〜〜〜続く